薬草と話す動物たち
 

野生動物たちは、自分たちが病気の時に、必要とされる薬草や鉱物を見抜くことが出来ます。

 

中国の漢の時代に、戦に破れた兵士たちと馬の一団が水も食料も無いまま、見知らぬ土地に退却しました。弱った兵士も馬も次々と死んでいき、生き残った者たちも衰弱して、皆血尿を起こしていました。

ところが、3頭の馬だけは、尿も正常で、とても元気に見えたのです。そこでこの馬たちをよく観察してみたところ、オオバコの葉を多量に食べていたことがわかりました。

兵士たちと残りの馬にオオバコを食べさせると、皆体調が回復してきたといいます。馬たちは、自分の体調を整える植物を知っていたのです。

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多くの薬草医たちは動物の行動を注意深く観察して、それを病人の治療へと応用しています。最近の医薬品でさえ、こうした動物や現地の薬草医たちの情報から新薬の開発がはじまる例が多くあります。

 

野生のチンパンジーの研究家は、チンパンジーが病気になると、普段は食べない植物を積極的に摂取して病気が治る様子を確認しました。

 

インドの象使いたちは、ゾウが病気になると森へ連れて行きます。そこで、ゾウは自分の病気に必要な薬草を食べるのです。

ゾウは、自分が必要な薬草を正確に見分けることが観察されています。

ウガンダとケニア国境にエルゴン山 (Mount Elgon)という山があります。この山にあるキタム洞窟は昔からゾウが岩塩を食べに来ることで有名です。この洞窟に辿りつく道は険しく危険ですが、ゾウたちはあえてそこに岩を食べにやってくるのです。動物学者たちは、これがゾウの健康に役立っていると考えられています。
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アフリカのセレンゲティ平原では、ヌーたちは普段青々と草の生い茂った北部にいますが、子育ての時期には火山の麓のカルシウムとリンを豊富に含む土壌のある南部へと集団で大移動します。この土壌で育った草は子育てに必要な母乳のための栄養素を含んでいるからです。
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野生動物は、基本的に有毒植物は食さないので中毒にはなりにくいのですが、
タテガミオオカミやサイなどは、有毒成分が含まれているナス科の植物をあえて定期的に食べることが知られています。

これは、最近の研究によるとホルミシス効果と言って微量の毒で生態を刺激することによって免疫力が強化される役割を野生動物たちが利用していることが明らかになりました。
 

人間でさえ、ホルミシス効果について知らない人が多いのに、何故動物はこのようなことを知っているのでしょうか。
従来は、一言で「本能があるから」と締めくくられてしまいますが、なぜ知能の発達した人間には、自分の必要な薬草が見抜けないのは、野生動物と比べて、自然との調和から乖離していることも一因でしょう。
 

私たちも、心身を浄化すれば、かつての聖医たちのように、薬草の声を聴くことができるようになることでしょう。

今日もありがとうございます。

 


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