治療の倫理とヒポクラテスの誓い

シャーマンたちが、かつて外部からやってくる民俗学者たちにしていた質問があります。
「おまえたちの世界では、治療家を育てる時に、どのように霊性を高め、地球や宇宙、大霊と調和するためにどのように教えるプログラムがあるのか?」

民俗学者たちは、
「西洋医学では、治療技術や理論を教えるが、霊性を高める研修や倫理観を教えるプログラムは無い
と答えると、シャーマンたちは必ず驚くのです。

シャーマンは、治療する人間として も重要なことは、
「霊性と倫理観を高めるためにできるだけの時間を費やすこと」
といいます。

私たちの社会の医療教育、医療現場に欠けている最大のもの、
それは
人間としての質、つまり霊性を高める時間を作ること。
 
現代社会では、霊性を高める努力をする必要なく、治療を行っても誰も問題にすることはありません。
そこの部分は、
単に「ヒポクラテスの誓い」を暗唱する程度の形骸化したものとなっています。
HippocraticOathWikipedia

ヒポクラテスの誓いの中には、
「純粋性と神性を一生涯貫き、医術を行う」
また、世界医師会では、
ヒポクラテスの誓いを現代的な言葉で表したジュネーブ宣言(1948年)があります。
その中では、
「良心と尊厳をもって医療に従事する」とあります。
いずれにしても、実質上ただ暗唱するだけで、
人間性を高める特別な研修を受けるわけではありません。

それと比べて、
シャーマンは、日々自分に厳しい規律を課して、霊性を高めることに専念します。
そうしなければ、力は衰えてしまいます。
人が手に入れた高次元の能力は、他人を悪く思ったり、悪口を言うと、硬化していき、次第に使えなくなっていきます。
それとは逆に、
愛と知性を持って人に接すると、高次元の能力は強まります。


シャーマンが治療家になるために最も必要なことは
技術よりも先に、
第一に、謙虚であること
第二に、愛にあふれていること
そして
第三に、高い霊性を持っていること
です。
これは、そのまま現代の医療従事者にも当てはまります。

現代では、技術や知名度の方が優先されますが、それに高い霊性が加われば、理想的です。
 
spirituality SunGazing


現代教育は、
富や社会的成功を得るために知識を詰め込む欲望刺激型
となっています。
 
たくさん勉強すれば、お金持ちになれる、いい車を買ったり、綺麗なお洋服を着て、他の人より贅沢できる、
といった動機で勉強に励みます。

education
 
そこには、人間の霊性を高める教育なんて、ありません。
 
イエス大師が「人はパンのためのみに生きているのではない。」と語った通り、
人として生れたからには人生で意義のあるものを手に入れるべく、
崇高な目的に気づくかなければなりません。
崇高な目的は、物質的欲望ではないはずです。


それには子供の頃の教育が大きく影響します。
真の教育は、個々に内在する素質と創造性を引き出し、道徳心を学び、競争より協調を大切にして、子供の魂の輝きを引き出すものであるべきです。
それによって、自分が本当にやりたい仕事を見つけ出していきます。
early-childhood-education TeachKids


今の社会では財産や権力、名誉が豊かだと洗脳されますが、
それは石ころを宝石と勘違いさせて獲得競争させているようなもの です。
そのような社会構造に組み込まれた医学教育では、いずれ確実に治療に歪が生じてきます。

知識の暗記を競争させるよりも、


心の教育を充実させて、
子供たちの心を正しい方向に向かわせることを優先する、
それが
人々を幸せに導く社会への近道なのではないでしょうか。

今日もありがとうございます。
 
人気ブログランキングへ