今日は絶滅寸前から、
保護により復活した「聖なる鳥」ハクトウワシの話です。

1024px-Haliaeetus_leucocephalus3_(softeis)Softeis -Wikimedia Commons
なんという素晴らしい鳥でしょう。

ハクトウワシは北米を代表する大型のワシで、
翼を広げると全長2mを超えます。

980xhffdsFlickr/LenDap

この鳥は図柄として、よくニュースで出てきます。
そう、
アメリカ合衆国の記者会見の背景です。

アメリカ合衆国では国鳥とされ 、アメリカ合衆国の国章になっています。
ハクトウワシが、13枚のオリーブの羽と13本の矢をそれぞれの足に握った図です。
グレートシールとよばれる、国・地方政府・教会などの要職が重要書類に押す印章も、このハクトウワシのデザインです。
パスポートや紙幣のデザインを始め、さまざまな自治体や団体のシンボルマークにも出てきます。

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北米では、このワシは、アメリカ先住民の時代から、聖なる鳥として大切にされてきました。
1700年代には、500,000羽はいたとされています。
それから
1800年代から1900年代の無差別殺戮。
さらに
森林破壊による営巣地の減少やDDTに代表される農薬などによる卵の殻の異常などで
激減。
1940年にはハクトウワシ保護法が制定されましたが、
1950年には、412ペアに激減してしまいました。
そして
1967年に絶滅危機(Endangered)に分類。
1972年にDDT使用禁止
大規模な保護活動によって、
1994年には絶滅危惧(Threatened)に変更。
さらに
2007年には個体数が回復して、米国絶滅危機種リストから除外 されました。
いくつかの州ではいまだリストに残っています。
現在では、69,000羽が確認されています。


アメリカ先住民の多くの部族で、このワシの羽を儀式や正装に用いる習慣があります。
SiouxChiefs-300L egendsofamerica.com

ところが、
現在は鷲羽法(Eagle feather law)が制定され、ワシの羽の採集でさえ、許可証の発行が必要 です。
許可証は、少なくとも祖父母の一人が純血の先住民であることを立証しなければ、発行されません。

実際に2005年に、ワイオミング州で、北アラパホー族の先住民が、部族の伝統儀式「サンダンス」に必要なワシの羽を採取したために、
連邦政府の許可なくハクトウワシを殺した罪で逮捕された件がありました。

大昔からこのワシを神の使いとして崇めている先住民が伝統に則り行う儀式を
ワシを大量虐殺し絶滅寸前まで追い込んできた白人たちが作った法律で裁くという事態になり、
多くの論争が巻き起こりました。



このハクトウワシは目立つ存在だったので、
このような経緯で、手厚く保護された結果、
なんとか
絶滅を免れました

やれば出来る。

ただし、
ハクトウワシは、いまだに世界中の鳥類の中で
最も重金属や農薬に汚染された鳥 と言われています。
baldeagles23TheWeatherNetworkNews

その汚染物質の中には、繁殖障害や奇形を引き起こすものも含まれており、
長期に渡る影響はいまだわかっていません。
まだ安心するには時間がかかりそうです。




今現在、絶滅していく種は、年間3万種。

リョコウバトの話を思い出します。
Ectopistes_migratoriusMCN2P28CA
Wikimedia/
Hayashi and Toda (artists), Charles Otis Whitman

リョコウバトは、かつて北米大陸に生息していた鳥です。

その数は、推定50億羽。
空が覆われて暗くなる程の数だったそうです。
鳥類史上最多と言われていましたが、
人々の心無い無差別乱獲によって激減し

1906年にハンターに撃ち落とされたものが野生の最後の1羽となりました。

20100312_3www.tbs.co.jp

おそるべき写真です。
この写真のように、無差別な乱獲を繰り返し、
たった数十年で、劇的にいなくなってしまったのです。

野生種が途絶えた後も、飼育していたリョコウバトはかろうじて残りましたが、
1908年に7羽となり
1910年8月には最後の1羽になり、
1914年9月老衰により29歳で死亡し、リョコウバトは絶滅したのです。
これが地球上で最後の1羽となったマーサです。
Martha_last_passenger_pigeon_1914


私たちは、このハクトウワシとリョコウバトの二つの事例から多くのことを学びました。

動物たちの立場になって保護すれば、復活する
動物たちの立場を無視すれば、絶滅する




「観音経」に、
慈眼視衆生 福聚海無量(じげんししゅじょう ふくじゅかいむりょう)という一節があります。

すべての生きとし生けるものに対して慈悲の眼をもって視る。
すると
至福が海のように限りなく拡がっている世界が見える。


私たちは、
いつも自分中心だったり、
自分の所属する組織中心だったり、
自分の国中心だったり、
人間中心だったり、
あらゆる物事を見る視野を限定してしまう傾向があるのです。


でもそれが、この世界に対立や混乱をもたらすことになります。

例えば、オリンピック。
意識を自国に限定することで、
すべての競技が国と国との戦いになります。

本来であれば
その競技の素晴らしさ、選手の華麗な技、努力の結晶でもある洗練された動作などに目がいくはずです。

でも、
ほとんどの人が、自分の国の選手が勝つか負けるかだけにしか関心を持たなくなっています。
まるで、魂にまで国境があるかのようです。

これはあらゆることに言えます。
思い切って、視野を拡げてみましょう。


慈悲の心、慈悲の眼を意識するだけで
視野は拡がっていき
世界は変わっていきます。


そして、
人が霊性を高め、普遍意識に到達したいのであれば、
その前提として

「すべての生物に敬意を払い、慈しむこと」は絶対必要条件なのです。


今日もありがとうございます。
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