このエビは何歳でしょう?


980xdgdgdFlickr/Darren Harmon

と聞くと、たいていの人は、
「5歳」とか
「15歳くらい」と答えますが、


 答えは、

140歳!

最近になって、
ロブスター等の甲殻類の眼柄部に輪紋が発見され、
それが年齢を示していることがわかりました。

海老ちゃんたちは、結構長生きなのです。


NAVERまとめには,
ロブスターには寿命がないという話題も。

robusterNAVERまとめ


実際にはもちろん寿命はあります。
でも、寿命がとても長いことは確かです。

下の記事は、ロブスターも不死身ではなかったという内容。
robu1Smithsonian.com


ロブスターを食べる時に、
これだけ
長く生きていられるということを意識したことがあるのでしょうか?

若い人なら、自分たちよりも年上のロブスターかもしれません。
若いロブスターだとしたら、これから自分と同じだけ生きられたはずのロブスターの命を奪っているかもしれません。


よく結婚式やパーティーに出席すると、ロブスターやエビの料理が出てきます。
どうしても食べたい人がいて注文しているわけでもない。
殻つきで、かしこまった宴席では食べにくいので、ほとんどを残してしまう人も多いようです。
ほんのちょこっと手をつけただけで、
捨てられてしまう・・・



結婚式でエビやロブスターを出すのは、
茹でた時の鮮やかな赤色が、邪気を祓う魔除けの力があると思われている。
殻が鎧かぶとのように見え、力強さの象徴とされている。
そして
体が曲がっている様子を高齢に見立てて、長寿を表す。

などの縁起かつぎだと思います。

その程度の理由で、ロブスターたちを大量に殺してしまう・・。
現在乱獲が問題になっているのです。
ちなみにめでたい席で出される鯛も、長生きすると50年以上の寿命があります。



余談になりますが、
英国人男性が好きな動物No.1は、なんと、ロブスター
lobs2MailOnline
日本人とはかなり違います。
lobs


もう一つ、日本人が大好きな「エビちゃんを食べること」について少し書いておきましょう。
日本人はエビが大好きです。
国内ではそれだけ獲れませんから、当然養殖物を輸入することになります。
国内での漁獲量は1割にも満たないのです。

index06_img2帝国書院統計資料より

養殖エビは、高収益をあげるために、化学物質入りのエサを与えられ、抗生物質を多用され、汚染されたストレスの多い環境下で育てられます。
さらに日本に輸送する時には、見た目を綺麗に保つために、
次亜硫酸Naや亜硝酸Naなどの合成添加物に漬けられているのです。

かつてエビの養殖に関わった方のブログがあります。
東南アジアのおもしろ話12-ブラックタイガー

そこには、「自ら殻付き輸入エビは絶対に買わない。いや買えない。完全にトラウマとなっている。」と。
「事業者の誰もが大きく育て、高く売りたいと考えており、水揚げする時というのは、ウイルス汚染や病気でエビが死にかけ始めた時である場合が多い。
また、詳しいことはよく分からないが、エサ小屋を覗いてみると、いかにも怪しげな除草剤、抗生物質、栄養剤、抗菌剤などの化学薬品の袋が置かれ、状況に応じ投与されているということであった。
これが人体に悪影響を及ぼさないはずがない。」
「今、ブラックタイガーはインドとインドネシアからの輸入が大半となっているが、昔日の勢いはなく、①ウイルスの蔓延②ホワイトスポット病③エビのストレスなどの理由により、ブラックタイガーの養殖自体が崩壊危機に直面しているらしい。代わりに、小型だが病気に強いバナメイ(白えび)がエビ養殖の主役に躍り出たらしい。
地元民がマングローブを伐採しエビ養殖事業に転用したことによる水害、土砂流出、海洋資源枯渇などの自然環境破壊の問題を含め、エビ最大輸入国の日本はそろそろ飽食の文化を見直す時期が来ていると思う。


化学物質入りのエサは投入した16%しかエビは食べないため、残りはヘドロとなって堆積していきます。
養殖場1ヘクタールあたり年間約100 トンから500 トンのヘドロが生み出されています。
こうした環境下で育てるエビには当然のことながら病気が多く、
さまざまな薬品を投入する他、
防カビ剤・殺虫剤・殺藻剤・除草剤・殺魚剤など考えられるあらゆる毒物を投入します。
そのため養殖場は、有害物質の堆積によってたった数年で使えなくなり、
その後その土地は放置されるそうです。


エビ養殖のためのマングローブを伐採の影響は大きく、
マングローブの恩恵を受けて生活してきた地元の人々は、
マングローブ生態系の破壊により、薪や木炭の燃料や住宅用建材、屋根やタバコ、食料に、とさま
ざまな形で利用されて来たものが利用できなくなってきました。
さらに沿岸を鉄条網で囲い、自給のため魚介類を採っていた住民や、漁に出る漁民は海岸に出られなくなるという経済的問題も生じてしまいました。
マングローブの消失により、高潮や海岸侵食など、地域住民の生活の基盤は脅威にさらされました。
海水の水質汚染も深刻化。海洋生物の生息地や産卵地を奪い、漁業資源を含む沿岸生態系も破壊されました。
その後、
養殖地は内陸にまで進出し、
塩害や土壌汚染も深刻になってしまいました。
現在も、さまざまな解決策への取り組みはなされていますが、
そもそも
飽食が根底に存在する限り、
根本解決にはならない
のではないでしょうか。

エビの消費が増えることで、環境は大きなダメージをこうむる。
この生態系破壊と汚染には、えび好きな日本人が大きく関係しているのです。
 
 

私たちは、お腹がいっぱいなればそれでいいという、
とても乱暴な食べ方になってきてはいないでしょうか?

日本の食品廃棄量はとても多く、年間8,000,000トンにも上ります。
これは世界の食料援助量390万トンよりも多いのです。
このおよそ半分は、一般家庭で無駄にしているのです。
日本人一人当たりでは、少なく見積もっても、年間約15kg
一家4人だと年間240食相当の食材が、無駄に捨てられているのです。


江戸時代、九州の養賢寺の乾堂和尚の話をご紹介しましょう。
和尚は、夜中に人が寝静まった頃に台所で何かを作り贅沢三昧しているとの噂がありました。
養賢寺はその当時毛利家の菩提寺。
 
その話に腹を立てた藩主毛利高泰公は、審議を確かめに、こっそりと夜中に寺で張り込みをしていました。
藩公は、和尚が台所で夜食を作り食べているのを目撃し、意を決して部屋に押し入りました。
和尚は不意の来客に驚き、土鍋をさっと隣室に隠しました。
藩公は、和尚が贅沢三昧していると思い込み、
「隣の部屋に隠されたのは何でござるか!」
と、厳しく問いただしました。
 
和尚は、藩公が怒っているのを理解し、隠した土鍋を隣室から持って来て、
「当寺には全国から多くの僧侶が修行に集まっております。
すべての僧には、水一滴、野菜一葉、米一粒も粗末にすることなく大切にせよ、と言い聞かせておりますが、若い僧が多く、台所の流しには米粒や野菜の切れ端などが流されたままになります。
私は、僧たちが寝た後、その捨てられてしまった残飯を使い、雑炊を作り毎日の夕食として頂いているのでございます。」
 
藩公は、自分の軽率な行動と高僧を疑ったことを後悔し、
「和尚様、誠に申し訳ないことを致しました。米一粒、野菜一葉も大切にせねばならぬという御心、毛利家の家宝としたいと存じます。何とぞ無礼の程はお許しください。」
と言って静かに合掌礼拝したとの話が残っています。
 
禅では、
「一粒の米の重きこと須弥山
(しゅみせん)の如し」
といいますが、現代日本の飽食には必要な言葉でしょう。

須弥山とは、世界の中心にあるとされる山で、その頂は神々の世界に達すると言われています。



良質なものを少しだけ頂く、という生活スタイルであれば、
病気も減り、心身の健康も向上するように思います。
そして環境にも優しい。
環境を汚すということは、私たち自身を汚しているということ。


そして
食べるということは、その命を絶つということ。
私たちは、毎日、貴重な命をいただいている。
そうして命を繋いでいる。
それを意識することは、とても大切だと思います。



禅において、禅僧が食事の前に唱える食事訓として
「五観の偈」というものがあります。
元は、中国唐代の南山律宗の開祖の南山大師として知られる道宣が著した「四分律行事鈔」ですが、
道元の著書「赴粥飯法」に書き記されたことによって日本で普及しました。

禅僧が食前に唱える五観の偈
一、この食事に関わった人や命を捧げてくれた生物に感謝。
一、この食事を戴くに値する行いをしているか内省します。
一、食事を前にして、乱れた心を持たないよう心がけます。
一、この食事を体を活かすための良薬として戴きます。
一、崇高な目的成就のためにこの食事を戴きます。


御飯も御味噌汁も御菜、御数も御がつくのは、
感謝の気持ちから。


感謝の気持ちを持って食事することは健康への第一歩だと思います。

今日もありがとうございます。
 
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