映画
「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)」
見てきました。

maindhGaga


30代、40代の頃は、仕事ばかりで映画を見に行く時間も無かったのですが、
最近は各地の夜間専門病院と提携しているおかげで、
夜にたまに外出できるようになりました。 (´▽`)


この映画は、
第二次世界大戦中の天才数学者アラン・チューリングの実話に基づいた話です。
アランは、現在のコンピューターの基礎を創り上げ、戦争中に暗号解読機を発案したことによって英国民の命推定1400万人を救ったとされる人物です。

この先、ネタばれになるかもしれませんので、それでもよければお読みください。

ストーリーの概略は、
アランは、英国政府の軍事機密作戦に参加し、
当時絶対解読不能と言われたドイツ軍の暗号「エニグマ」解読に挑みます。

暗号解読のために英国中から天才たちが集められ、チームは暗号文を分析しはじめるのですが、
アランは暗号解読には人の手作業では不可能と判断し、孤立して勝手に解読マシンを作り始めます。
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子供の頃から変わり者としてずっと孤立してきたアランは、人と一緒に共同作業が出来なかったのです。
そこに、クロスワードパズルの天才女史ジョーンが現れ、アランとチームメンバーたちを繋げてくれます。
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そして仲間と心が通い合ったアランは、すごい執念の元、エニグマを解読することができるのです。
そして、
解読した暗号を利用した極秘作戦が計画され、多くの英国民を助けながらも、
アラン自身の本当の戦いが始まります

スパイ容疑をかけられたり、暗号解読をドイツ軍にバレないように助ける人たちを数学的に選択したり、同性愛者だったために犯罪者として辱めを受けたり・・。




この映画の主人公となった天才数学者アラン・チューリング。

biaa002出典biography.sophia-it.com


チューリングは、コンピューター科学の父とも言われています。
彼が数学を志したのは、若く急死した初恋の「男性」と数学を語りたかったからと述べています。

暗号解読への執念はすごいものがあり、映画でもそれがよく表れています。
さらに、彼は映画にもでてくるように、走ることにも没頭し、
暗号解読所のあるブレッチリーで働いていた時には、
重要な会議に出席するのにロンドンまで約64kmを走ったそうです。
しかも、マラソンのタイムはオリンピック選手並みだという記録が残っています。

彼の暗号解読によって、戦時中に多くの英国民の命を救うことになったにも関わらず、軍事機密であったために、誰一人その功績を知る人はいませんでした。

戦後、イギリス国立物理学研究所やマンチェスター大学でコンピュータの開発に従事しました。

彼の亡くなるきっかけとなったのは、
家に泥棒が入り、
警察に通報した際に、逮捕された一人が彼の同性愛者であったことから、
同性愛者であることが発覚したことです。

裁判で、彼は「私は自分が罪を犯しているとは思っていない」と無実を主張しています。
しかしながら、当時の英国では同性愛は犯罪であり、
刑務所に入る代わりに、薬物による去勢を受けました。
その後に自殺します
他殺との説もあります。
遺体の横には、青酸カリを塗った齧りかけのリンゴがあったとも言われています。

彼は、
英国政府の厳しい監視に精神的に追い詰められ、
同性愛犯罪者として英国民から蔑まれ、屈辱のまま、
他界しました。

彼が成し遂げた大きな功績、英国を救い、英国民の命を救ったことを誰にも知られることなく、
非難を浴びたままの非業の死でした。


死後、マンチェスター大学近くの公園に銅像が建てられ、
その台座には、
「計算機科学の父、数学者、論理学者、戦時中の暗号解読者、偏見の犠牲者
と印されています。
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彼の死後50年以上たってから、英国政府は正式に彼に行った仕打ちに対する謝罪を発表しています。
さらに
チューリングの生誕100年にあたる2012年には、彼の業績を正当に評価しようとする動きが本格化し、
エリザベス2世女王が正式に恩赦し、
キャメロン首相は彼の業績をたたえる声明を発表しました。




映画のメインタイトルは「イミテーションゲーム」、
物真似ゲーム・仮想ゲームです。
「イミテーションゲーム」は、チューリングが書いた論文のタイトルです。
いまはIT用語になっており、人工知能の思考能力を評価するために行なわれる試験のことです
彼の名前をとって、チューリングテストとも呼ばれます。
 
人間が、人と機械に質問をして、返ってきた回答が人間によるものか機械によるものかを見分けるという試験です。
もし回答が、人か機械のものかわからなければ、機械はより人間に近いの知能をもっていると判断されます。

映画の最初と最後での刑事との会話で、このイミテーションゲームが行われます。
「私は犯罪者か、それとも英雄か」

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多くの人は、機械が人間の代わりになるだろうかと考えます。
実際に、多くのIT識者、例えばSpaceXのCEOイーロン・マスク氏やApple共同創設者のスティーブ・ウォズニアク氏らは、それによって人工知能が人に有害になる懸念を述べています。


チューリング氏は、そうではなく、「機械は人間とは異なる様式で考える」と言っている通り、
人間の出来ない部分を補うことができるかということに視点があります。

彼自身、とても変わり者だったようですが、

そこには、変わり者でも、機械でも、分け隔てなく、それぞれの長所を見て、お互いの短所を補い合おうとする姿勢が表れていると思います。
偏見のない視点。

機械は数式で回答を導き出し、
人は感情が介入して回答する。
それぞれ長所があります。

彼が、校長先生からクリストファーの死を知らされた時に、嘘をついたのも、人間だから。


機械が人の代わりをするのではなく、
人の欠点を補うために機械がある。
そこには、人と機械が共に発展していくという広い視野が見えます。

そうした広い視野の元で、彼は死別した初恋の相手クリストファーのイミテーションを作ることに執念を燃やしていたのでしょうか。



さらに、「イミテーションゲーム」という言葉には、さまざまな意味もあります。

私たちの会話でさえ、イミテーションゲームのようなもの。
心と心をつなぐものとして、言葉があります。
でも言葉は正確に心を表現していない。
それは暗号のようなもの。
心のイミテーションとして言葉を利用し、相手の心に伝えます。



さらに
もっと大きな意味も見えていきます。



彼は、外の世界のこと(暗号解読、コンピューターの開発、走ることなど)に関しては、
すごい探求心でつぎつぎと成果を出し、
素晴らしい業績を成し遂げていきました。
絶対解読不可能と言われたエニグマでさえ、暗号を解き明かしました。

しかしながら、
それが自分の内面に関しては、その探求心が活かされることはありませんでした。


ほとんどの人は、外側の世界での活動と心の内面の活動を分離して考えています。
もし、
心の中にある暗号を解き明かすことが出来れば、
外界での活動をそのまま、内面への実りとすることも出来るのです。


もともとこの世界に来たのは、魂を進化させるため。
心の内面を磨くために、外界の世界が存在します。
映画のタイトル通り、この世界での経験は仮想ゲーム「イミテーションゲーム」なのです。


解読不可能のエニグマも、その暗号の秘密を知れば、すべてが読み解くことが出来ます。
それと同じように、
この世界の理不尽なこと、混沌に見える世界も、心の中にある暗号の秘密を知れば、すべて読み解くことができるのです。

一見、意味が無いように見える出来事でも、その一つ一つに魂を進化させる意味が込められており、
それらの体験を俯瞰することができるようになると、
壮大かつ限りなく慈悲深い神の計画を垣間見ることができるようになります。

映画の中では、エニグマを解読した途端に、ドイツの潜水艦がどこにいて、どこに向かうかが一目瞭然になりました。
同じようなことが、内面でもできるのです。

誰もが、心の中の暗号を持っています。
それは絶対解読不可能と言われたエニグマのように、
解読には気の遠くなるような忍耐と努力、勇気が必要でしょう。

それでも私たちは日々の体験を通して、心の暗号を解き明かすために地上に来たのです。


地球での仮想ゲームでは、
善と悪を仮想し、
その中で選択を繰り返しながら魂が成長していきます。

そして、
そのゲームの中で、善悪を超えた真理を見い出していく。
最終的には、この世界の二元性には神聖な意味があり、
善悪を超えたところに光と真理があることを理解することになります。

ここまで到達すると、
さらに大きな意味があることに気づきます。
それはここでは書きません。
ヒントだけ書いておきます。
「天地照応」

ちなみに、ネットで調べても、頭で考えても、
このヒントから暗号を解くことは出来ません。

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