昨日は犬の赤ちゃんの発達のお話でした。
今日はその続き、扁桃体です。
新生児 015



赤ちゃんから幼児の時期に母親と一緒にいることはとても大切なのです。
脳には扁桃体という部分があります。
図は、人間のものです。
犬でも同じ組織があります。


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こちらは犬の脳。
紫の部分が、扁桃体です。

img109出典:獣医解剖学/チクサン出版




扁桃体は、大脳側頭葉にあり、
不安、恐怖の反応を調節する主要器官の一つです。
 
ベンゾジアゼピン受容体という器官があり
恐怖や不安によって引き起こされた生体反応を鎮める役割を担っています。

恐怖や不安は、エネルギーの流れをブロックする作用があり、
心身の病気に繋がり易くなります。


愛情から切り離されたグループと
充分な愛情をかけて育てたグループの
比較研究では、 
愛情たっぷりの群では扁桃体内のベンゾジアゼピン類受容体はかなり多くなることが判明しています。
この影響は、
一生に渡って続きます。 

 
 
扁桃体内のベンゾジアゼピン類受容体の数は、
成長してからの不安や恐怖を調節する脳の生理機能に
大きく影響することになるのです。


愛情をたっぷり与えられた子供は、不安や恐怖に対処しやすくなり、
愛情がなかった子供は、不安や恐怖に対処しにくくなってしまうのです。



愛情と発育の関係に関する研究もあります。

保育器に入った未熟児を2群に分けます。
与える栄養などはすべて同条件ですが、
1つの群だけ、1日3回15分間体に触れることを2週間続けました。
その結果、 
触れ合った群では、
体重と頭囲が有意に増加し、
行動指数も向上しました。


コロンビア内戦時には、妊婦の栄養状態が悪く、
未熟児が多数出生しました。
病院の未熟児用保育器が不足してしまい、
治療室に入れない未熟児は母親と同じベッドへ入院することになりました。
すると
栄養と感染症管理の完璧な新生児治療室の赤ちゃんよりも、
母親とずっと一緒だった医学管理のされない未熟児の赤ちゃんの方が
死亡率が少なく、よく育っていたのです。
これはお母さんとの触れ合いがいかに大切かを物語っています。


 
乳幼児期から幼児期は特に、触れ合いがとても大切なのです。
触れ合いには、身体的な触れ合いと心の触れ合いがあります。
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体に触れることで、成長ホルモンの分泌が活性化し、体重が増加、成長もよくなります。
心の触れ合いでは、
精神、神経、免疫、内分泌系の活動、発達を助け、情緒が安定します。


この影響は大人になってからも続きます。

ジョンズ・ホプキンス大学で親子関係と病気との関連を長期間に渡り調査しています。
この研究報告では、 
子供の頃の親との関係があまり緊密でなかった学生は、特に健康上のリスクが高く、
特に自殺、精神疾患、高血圧、冠動脈疾患、癌の発生率が高いという結果でした。



コロンビア大学の研究では、収入別の比較も行っています。
全米1099人の子供を対象にした調査で、
年収2万5千ドル(約300万円)未満の貧困家庭の子供たちは、
年収15万ドル(1800万円)以上の家庭の子供たちより
脳の表面積が、最大6%小さいという結果でした。
この論文では、その一因として、親と過ごす時間が少ないことが挙げられています。



ハーバード大学の学生を対象に子供の頃の親の養育を調査し、さらに35年後の健康状態を調査した研究があります。
親の養育が良かった群では、疾患率は25%
親の養育に否定的だった群では、疾患率約90%にも上ったのです。



9500人を対象にした子供時代の有害体験と疾患の関係の研究では、
育てられた家庭環境と疾患や死の間には強い相関関係が認められました。
幼少時の家庭環境で親からの愛情がないほど、
大人になってからの健康状態が悪く、
癌や心臓病、怪我などの原因で死亡率が高いという結果でした。

このような論文は、とても多く報告されています。

現代社会では、心身の接触が少ない空白の時期がある場合もあります。

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幼少期の愛情がいかに大切か。

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仔犬を向かい入れた家庭では、
愛情たっぷり注ぎましょう。

今日もありがとうございます。
 
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