目の不自由な猫が、4000km以上の旅?


米国西部の都市サンフランシスコで行方不明になった目の不自由な黒猫ジャック・ダニエルズちゃん。
4千km以上離れた米国東部の都市ニューヨークの路上で発見され、保護されました。

jd22nydailynews.com

ジャックは幼少の頃にウイルス感染症により、両目に障害が残りました。

ジャックは、弟猫のジンビームと共に、
里親を探すために
サンフランシスコの動物虐待防止協会SPCAに持ち込まれました。
 
ところが、
一週間後にジャックは突然SPCAから姿を消してしまったのです。
そして、
弟のジンビームは先に里親にもらわれていきました。


それから三か月後、
ニューヨーク動物管理局がNYの路上でジャックを保護。
マイクロチップを確認したところ、
サンフランシスコから来たジャックであることが判明しました。


jd12nydailynews.com


そこでつぎの問題は、
ジャックをどうやってサンフランシスコに返すか。

SPCAの職員は、元SPCAで働いていたNY在住の獣医師ジェニファー・ガブリエルさんに相談しました。

ガブリエルさんの友人で、動物病院ボランティアをしているデザイナーのリーアン・ファルチアニさんが、横でジャックの話を聞いていて、
ジャックを連れてサンフランシスコに行くことを申し出ました。

写真は、ジャックとリーアンさん。

leeannnydailiynews.com



航空会社ジェットブルーの申し出により、飛行機代は無料になりました。
そして、サンフランシスコの滞在費用も、キンプトンホテルの申し出により、無料で提供されたようです。

こうして多くの人たちの善意の繋がりによって、
ジャックは無事にサンフランシスコへ戻ってきました。



善意は連鎖する。
日本では善意の連鎖は、「恩送り」ともいいます。


以前
スターバックスでも善意の連鎖が起こったことが話題になりました。

米国で、
ドライブスルー型のスタバ店舗にアイスコーヒーを買いに来た年配の女性が、
自分の後続の車で待っている人のキャラメルマキアート代を支払って帰ったのです。

その奢ってもらった人が、また次の見知らぬ人へコーヒーを奢る、
さらにまた奢られた人は、次の人へ奢るという連鎖が始まったのです。
そんな善意の連鎖が続き、
二日間で725人も続いたそうです。


こういう現象は、よくあることだそうです。

英語では、
Pay It Forward(ペイイットフォワード)


「ペイ・フォワード 可能の王国」という映画があります。

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この映画誕生のきっかけは、
原作者が治安の悪い街で車が故障してしまった経験によるものでした。
車が動けない中で、二人の怖そうな男たちが近づいてきたのです。
海で泳いでいる時にサメが近づいてくるような気持だったに違いありません。

ところが、その男たちは、快く車を修理してくれたのだそうです。


映画のあらすじは、
主人公トレバーくんが、学校の社会科の最初の授業で、
担当のシモネット先生と出会います。
先生は
「もし自分の手で世界を変えたいと思ったら、何をする?」
という課題を生徒たちに与え、考えさせたのです。

多くの生徒たちが子供らしい発表をする中で、
トレバーくんは、自分が受けた善意の行為を、別の3人に善意の行為にして返すこと「Pay It Forward」を提案します。

「自分の身近にいる三人に善意を施す。でも、見返りは求めない。
その代わりに、自分とは関係のない三人に善意を行うようにお願いする。
これが続けば、やがて世界中に善意の連鎖は広がるはず。」

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そして 
彼は、これを
仕事をしない薬物中毒の男、
シモネット先生、
いじめられている同級生に
試して見たのです。

でも、その試みは一見失敗したように思い失望します。
ところが、
トレバーくんの知らないところで、この善意の連鎖は繋がれていったのです。

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誰もが人に善意を施したいと言う気持ちを心の奥に持っています。

でも、
いままで生きてきた社会では、つい見返りを期待してしまうのです。

見返りを期待する善意や優しさは、苦しみの原因になります。
「私はこれだけしてあげたのに」
「全然感謝されていない」など・・・。
でも、それは本当の善意ではないのではないでしょうか。

見返りを求めない優しさが、本当の善意であり、本当の幸せと優しさが込められています。
それが自然の理に適っているからです。
もともと他人にすることは、自分にしていること。
それ自体がすでに見返り。



太陽は光と暖かさとエネルギーを、
川は水を、
花は蜜と香りを、
皆に平等に分けてくれます。


私たち人間もハートを愛で満たせば、
思いやり、
優しさ、
慈悲、
癒しなど、

分けたくなるものがたくさんあることに気づきます。


この地球で共生しているのは奪い合うためではなく、分け合うことを学ぶためなのです。

 
「人は、あなたから受けた恩を忘れるでしょう。それでも助け続けるのです」
マザー・テレサ


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