スナネコ。

砂漠の天使。
Sand-cat-feeding-on-viperarkive.crg/AlainDragesco-Joffe


イスラエルの 都市テルアビブ近郊のラマト・ガンサファリパークで
三匹のスナネコの赤ちゃんが誕生しました。


母スネネコの「ローテム」のパートナーだった「セラ」は、
1年前に死んでしまい、
繁殖のために新たに雄の「カラハリ」をスウェーデンの動物園から輸入しました。

カラハリが動物園に到着してすぐに、
ローテムと同じ部屋に入れてすぐに交尾をして、
その2カ月後に子猫たちの誕生という嬉しいニュース。

これが生まれた子供たち。
sandcats.theguardian.com

とってもかわいい。
sandcats4.theguardian.com

お母さんのローテムちゃんと子供たち。

野性味のある逞しさと
美しさと
優しさを
兼ね備えている感じ。
rotemFaceBook



スナネコは現在絶滅寸前の種であり、
確認されたスナネコは、
あと
地球上に119匹しか残されていません。


その大部分が動物園での飼育に頼り、
野生では、ほとんど残されていないのです。 


野生のスナネコの分布域は、北アフリカ、中東、アジアのごく一部の過酷な砂漠地帯に住んでいます。


800px-Geographic_range_of_sand_catWikimedia commons
 

夜行性で、暑い日中は岩陰の巣穴に潜んで休み、夜活動します。
 
夜の暗闇で活動するために、
聴覚は発達し、耳も大きくなっています。
繁殖期になると、オスは甲高い 鳴き声を出します。
メスは鋭敏な聴覚で、どんなに遠くにいても、それを聴き取り、つがいになります。

耳の内側には、白い毛が密に生えていて、
砂嵐の時にも大きな耳に砂が入りこまないようになっています。

足先や足裏は深く毛で覆われていて、
砂漠の砂の熱さや沈み込みを防げる構造になっています。
体重も、オスで2-3kgと軽く、砂の上を歩くのに適しています。

水の無い砂漠地帯にいるため、ほとんど水を飲むことは無く、
獲物の水分でまかなっています。 

この可愛らしい容姿の中にも、
過酷な砂漠の中で生き抜くことができる工夫がなされているのです。 

Sand-cat-ssp-harrisoni-crouchedarkive.org/SteveDowner



スナネコの生息数が激減したのは、
砂漠地帯にまで人が侵入してきたことが大きな要因です。

スナネコは、肉食性で、
砂漠の中の少ない草地に住む小動物、
つまり、
ネズミなど小さな哺乳動物を主食にするほか、
昆虫やトカゲやヘビなどを食べています。

ところが、
気候の変動や大干ばつで草地は年々減少し、
加えて、
人が放牧した家畜が砂漠地帯の残り少ない草を食べてしまうために、
スナネコのエサとなる小動物が激減してしまったのです。

さらに、
人が放った犬や猫が野生化し、
スナネコの生息域へ侵入してしまいました。

さらに、
人が飼育する鶏を守るために、
キツネやジャッカルを殺すための罠を設置され、
その罠にかかって死んでしまう個体も多くありました。

中東では、娯楽の狩りの対象にもなっていました。
用心深く、夜しか動かないので、
射撃の腕試しの格好の標的とされたのです。


これら多くの要因が、すべてスナネコには不利に働き、
その結果、
激減してしまったのです。




現在では、野生種はとても少ないとされ、
また野生での生活場所を奪われたスナネコたちは、
ほとんどが動物園での飼育になっています。


大自然の砂漠地帯での生活

動物園での狭い檻の中での生活

まるで違います。

人も動物も、生きていく環境というのは、
とても重要で、
心身に大きく影響を与えます。


スナネコは、檻の中で生きるしかない状況になってしまいました。
檻の中で、継代していくうちに、
本来の野生での、のびのびした生活を忘れてしまうかもしれません。


この状況は、
今の現代人の縮図のようです。


自ら自然界から離れて、自ら作った檻の中で生活することを選んでしまった人間。
自然との共生、自然との調和を忘れてしまっています。

以下は、
「君が代」ヒカルランド刊からの抜粋です。
(神と近づくためのエクササイズのイントロ部分より抜粋)


大地をコンクリートやアスファルトで覆い隠し、
大地と水の境界線はコンクリートで仕切り、
森の木々は過剰に切り倒し、
湿地や湖沼は埋め立て、
高層ビルや人工物で大空を隠し、
満天の星の夜空を灯りと汚れた空気で打消し、
季節の移ろいを五感で感じることが出来ない空調設備の中で過ごし、
自然の川のせせらぎや滝の音、風の音、虫の音よりもテレビの映像や音楽を優先させ、
人工的に整備された農薬漬けの公園を自然と勘違いさせる。

自分で食べる食材も、
どこでどのように育ち収穫されたのか知らないまま、
原形をとどめないくらいに加工されてから購入する。

そして、
食品添加物、医薬品、電磁波、化粧品、嗜好品、化学物質、環境汚染など、
繊細な感性を鈍らせるものが蔓延する生活の中で、
気づかないうちに聖なるものとの繋がりを見失しなっている人がとても多くなりました。

大自然、聖なるものへ心が向いていなければ、
すべての行為は自我意識により歪んでしまいます。

 
こうして人は自然の中に生まれたのに、
不自然な生き方をする不思議な生き物になってしまいました。

不自然な環境、不自然な社会の中に浸かり、
本来持っているはずの心身の健全さや純粋さにさえ気づかずに、
さらに自ら不自然さを追い求めてしまうという生活では、
魂の飛躍的進歩は望めません。

自分の心に眠っている驚くほどの純粋さに気づき、健全さを保つために
自然と一体化することはとても大切です。

(引用ここまで)

スナネコの本来の生態を充分に発揮するためには、大自然の砂漠が必要なように、
人も、
本来の性質を充分に発揮するためには、
檻から出て、
大自然と調和することがとても大切です。



すべての存在が、
いつかまた本来ののびのびとした生活が送れる環境になるようにしていきたいですね。



参考文献・引用



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