毒ヘビ。

先日、小学生の男の子が
毒を持つヘビ・ヤマカガシに噛まれる事故が発生しました。

男の子は、噛まれた後で一時意識不明となりましたが、
抗毒素血清を投与して
無事に回復しました。

800px-RhabdoWikipedia


ヤマカガシは強い毒を持っているものの
通常では人を襲うことはありません。
しかも
毒を持つ牙が口の奥にあるために
マムシほどには注目されることはありませんでした。


そのため
今回はなんとか血清が準備できていたものの、
それは
群馬県にある観光ヘビ園に付属する財団法人日本蛇族学術研究所が
国からの科研費(科学研究費助成事業)を申請して
その資金を元に開発されたものでした。



yamaagashkaken.nii.ac.jp


つまり
ヘビ園が申請しなければ
さらに
科研費が認められなければ
ヤマカガシの抗毒素血清は作られることなく、
ヤマカガシに咬まれた場合、
とても危険になってしまう可能性があったということ。


ヤマカガシの咬傷の重症例は
かなり命に係わることなのですが、
結構
綱渡り状態でつながっていたのです。

実際に
今回の科研費の報告書には、
「ヤマカガシ咬症患者の重症例の治療に応用し,
その治療効果を確かめることができた.
すなわち
本抗毒素は患者の出血性素因及び血液の凝固異常を速やかに回復し,
患者を治癒に導いた.」

と記載があります。



実は
このような状態は世界的にみられており、
特にヘビに咬まれて亡くなる人の多いアフリカでは、
切実な問題となっています。


現在
世界では毒蛇に咬まれて亡くなる人は
毎年およそ10万人近くいます。

この人たちには
抗毒素血清での治療が必要なのですが・・。



2010年にはフランスの大手製薬会社が抗毒素血清の製造を中止しました。
採算がとれなかったからです。


抗毒素血清は、
原価が数万円します。

アフリカでは毒ヘビに咬まれても
治療費を払えないので、
抗毒素血清が使えない例が多いのです。

さらに
毒ヘビによって抗毒素血清が異なりますが、
これをすべて準備するのは容易ではありませんでした。


この会社は
ほかの会社に引き継ぎをする準備はできているものの
採算が取れない事業に資金提供する企業はなかなかないのが現実です。

引き継ぎがなければ
抗毒素血清の在庫も
すぐに枯渇していまします。




世界では毎年10万人近い人が
毒ヘビに咬まれて死亡しています。

最近になって
18種の毒ヘビに有効な抗毒素血清の製造法が開発されました。

開発した研究者は
特許を取得することもなく、
より安価に提供するつもりだそうです。


利益がとれない病気の薬は
人が多く亡くなっていても
開発製造はされない。
これは
実は抗毒素血清だけの問題ではないのです。


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