サボテン。

漢字で書くと、仙人掌、または覇王樹。

サボテンは、数種の例外を除いて、南北アメリカ大陸とその周辺諸島が原産地です。

砂漠地帯などの水が少ない場所にも強い種が多いです。
そして、長生きです。
この写真の金鯱は、開花するまでに30年はかかります。

サボテンは、過酷な自然環境の中で長生きできるため、
多くの動物や昆虫たちの栄養と水分の重要な供給源となっています。
人も、食糧や薬として利用しています。

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現在、
地球上のサボテンの
31%が生息地への人間の侵略により
絶滅の危機であることが判明しました。

国際自然保護連合による報告が、
英国の科学誌「ネイチャー・プランツ」に掲載されました。
サボテンを対象にした大規模の生息地調査は、
世界で初めてだそうです。

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サボテンにとっての最も脅威なのは、
人間の活動域の拡大。

農業用地の開発や住宅地造成、商業開発、植林などの人の侵略が目立ちます。
サブテンの生息地は、見た目が荒地のように見えることから、
無慈悲な開発が目立つようです。


それに加えて、
違法採取があります。
形や花の美しさから、
無計画な乱獲が横行しているようです。


サボテンは長生きなために、生長は、とても遅いために、
人による生息地の破壊は、とても大きなダメージになるのです。



実は、
サボテンたちは、
人の潜在能力を引き出す、
とても大きな力を秘めています。


ここからは、そのサボテンの一つAnhalonium(烏羽玉)の御紹介です。
長いので、ご興味のある人だけ読んでください。
(ホメオパシー・マテリアメディカ大全第二巻Anhaloniumの章より要約抜粋)

Anhaloniumは、
北米南部から中米原産の双子葉植物綱サボテン科ペヨーテ(ロフォフォラ)属のサボテンです。

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主な生育地は、メキシコのチワワ砂漠とアメリカのテキサス州南部のリオグランデ地方です。

このサボテンは、
現地の先住民族の儀式やメディスンマンのために必要不可欠なものとされています。


メキシコでは古くから先住民であるホイチョル(Huichol)族や、アステカ(Azteca)族、コラ族、タラフマラ族、チチメカ族などが、使用しているのが記録されている他、
近隣の部族や、北米ではアパッチ族をはじめ多くのアメリカ先住民族が利用していたとされています。
 
メキシコでは、
乾燥させた胴部分をボタンと呼んで、
儀式のための幻覚剤として、
3000年以上前から使用されてきました。

最近のアメリカ・テキサス州での遺跡発掘調査では、
7000年前のペヨーテが発見されているので、
原産地では、
さらに古い利用があったことが示唆されています。

これを乾燥させたものをガムのように噛み唾液と混ぜ合わせるか、
お茶といっしょに飲むことによって幻覚を得ます。

この植物を正しく利用することのできる精神性と霊性の高い者だけが、
正しく意識が拡大できると言われています。


それゆえ、
この植物の使用に際し有意義なものとするためには、
前もってしっかりとしたビジョンをもった修行と浄化をつうじてのみ到達できる高い心の状態と準備が必要とされます。


この植物は、(すべての植物と同様に)非常に神聖なものとして尊重されています。
 
 
 
メキシコの先住民ホイチョル族は、
メキシコ中西部ナヤリット州とハリスコ州にかけての地域に住んでいます。
ここには、
マラカメと呼ばれるメディスンマンがいます。

メディスンマンは、
人々の病気を治したり、
生活の指導や村の方針を決めるために、
タテワリと呼ばれる最高神やペヨーテ神ヒクリ、
神の使者である聖なるシカの姿をしたカウユマリなどと交信する重要な役割を持っています。

そのため、
素質のある限定された人しかなることが出来ません。
 
この部族は、ペヨーテをHikuli wanameと称して、神聖化しています。

ペヨーテの採取は10-2月の乾期に行われます。
昔は、
この部族は、村からおよそ500km近く離れた聖地であるウィリクタまで、
メディスンマンとメディスンマンが組織した一行で採取しに行く旅がありました。

聖地に着くと、
まずその地の精霊にペヨーテを分けてもらう許しを得ます。


この許しのために、
まず神から与えられた使者であるシカを生贄として捧げて儀式を行うと伝えられています。

シカは、
メディスンマンがシカのいる位置を知る能力があり、
その指示に従って捕獲します。

シカに出会うと、捕獲の前に、
まずシカに捕獲の目的とその体を使う許しを請い、
祈りを奉げます。

そしてペヨーテを採取します。

それから
最初に採取したペヨーテをまず皆で食べる儀式を行います。

これは、精霊との繋がりを確認するためです。
この繋がりを確認するには、
二段階の行程があります。

まず精霊に導かれる雲の関門があり、
次に雲の通路があります。

これは幻覚を通して行われ、
参加者にとっては、
非常に感動する体験になると言われています。

メディスンマンによる祈祷の際には、
初めて参加するものには、目隠しがなされます。

その後のペヨーテの採取の際にも、
必ずペヨーテに敬意を払い、
住まいから引き剥がしてしまうことをわびて感謝の意を話かけてからとります。


ペヨーテの根は、取り出しません。
これには、偉大なる兄弟が再生出きるように、との意味が込められています。

ペヨーテを必要な量だけ採取して、
野営地に戻ると感謝と祝いの儀式を行います。

ここでは、
さらにペヨーテを使いますが、
長い旅の前に、断食などで体を清め、
長い道程を歩き続け、山に登り、肉体的な限界まできて、
精神的に鋭敏な感覚になっている状態で、ペヨーテを食するために、
多くの貴重な体験をすると言われています。


これと似た様な修業的経験は、他の宗教においても見られます。

また、
ここでタバコの儀式というものも執り行われます。
矢を東西南北4方向に向けて置き、真夜中に火を焚きます。
その火の前に、タバコを置いて羽飾りを使って祈祷を行います。

祈りが済むと、参加者にそのタバコが配られます。
タバコを聖なる火の象徴とされます。
 
それが終わると、ペヨーテと儀式に使ったシカを村に持ち帰ります。
一部は、コラ族やタラフマラ族などにも分けられます。
 
村では、一行が戻ると盛大にお祭りが開かれます。
このお祭りは盛大に行われ、3日間続きます。

このお祭りの最中だけは、儀式で使ったシカの肉を食することが出来ます。
シカの肉は、
神聖なカウユマリのものであり、日常食べることは禁止されているのです。

このお祭りの最後には、
来年のペヨーテを採取するためのチームの人員が決定されます。
これは事前に心身を浄化する準備期間が必要であるからです。
(ちなみに現在では、村でペヨーテの栽培も行われ、過酷な巡礼の儀式も、車で行くようになりました。)



このようにたった一つのサボテンを採取するためにも、
多大な敬意を払い、
大切に扱う時代もあったのです。


私たちも、すべてのものに敬意を払うことをもう一度見直す時期にきています。



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