オオイヌノフグリ。


春になると
あちこちで見られる綺麗な花です。

IMG_6549オオイヌノフグリ
 
もともと日本の在来種である「イヌノフグリ」に似ていることから
「オオイヌノフグリ」と名付けられました。


英語では
Birdeye(鳥の瞳)
と呼ばれています。




イヌノフグリの名は、
果実の形が犬の睾丸(ふぐり)に似ていることに由来します。

最近はあまり「ふぐり」という言い方はされないので
睾丸とこととは知らない方も多いようです。
「金の玉」という方が美しい言い回しだからでしょうか。


この図には描かれていませんが、
毛も生えています。
Veronica_hederifolia_Sturm51

オオイヌノフグリの実は、
上の図のイヌフグリの実と比べると
ややピンと張った感じがあります。

イヌノフグリの花は小さく、桃色なので
オオイヌノフグリとは
容易に区別がつきます。


オオイヌノフグリは
名前の意味は、「大きな犬のきんたま」でも
花言葉は美しいのです。

「忠実」「信頼」「清らか」「誠実さ」「聖なるもの」


この花言葉は、
この
花の学名が、Veronica persicaといい
Veronicaは、聖女ヴェロニカ と同じ綴りであることから
聖女にちなんだ花言葉がつけられたのです。


この属名のVeronicaは、
もともとは
Vetto-nica(ベットニカ)であったものが
Veronicaとなったと言われているため
最初は
聖女との関連した命名ではなかったようです。


花言葉の由来になった
聖女ヴェロニカは、キリストの顔が浮かび上がった布を持つ聖女として有名です。


キリストは
十字架を背負って
ゴルゴタの丘へと歩いていきました。
その場では
多くの人々が憐れんでキリストを見守りました。

でもそこは
とても厳重な雰囲気で
誰もキリストを助けられる状況ではありませんでした。

そんな中で
ヴェロニカは勇気を振り絞って
キリストに近づき
顔の汗を拭くようにと身につけていたヴェールをキリストに差し出したのです。

すると
キリストはヴェロニカの差し出してくれたヴェールで汗を拭き、
ヴェールを彼女へ返しました。
すると、
そのベールには、
キリストの御顔が浮かび上がってきたと伝えられています。
VeronicazejtunWikipedia



オオイヌノフグリの開花期は、
イヌフグリの後、
春の初めです。

草丈が低いので
他の野草が伸びてくる前に
開花するようです。

最近新幹線や飛行機でも
「早得」がありますが、
オオイヌノフグリでも早いうちに子孫を残す工夫をしています。
IMG_6549オオイヌノフグリa
 
ヨーロッパ原産の花ですが、
1880年代に東京で発見されてから、
大正時代初期に
瞬く間に全国へ拡がりました。

オオイヌノフグリの花は、
日向では大きくなり、
日陰では小さくなります。


花は朝開いて、夕方に花弁を閉じる一日花です。

花は、受粉が完了すると
花弁はぱっと散ります。

基本的には、虫に花粉を運んでもらう虫媒花です。
でも、
早春のこの時期には虫も少なく、
念のために
自家受粉できる仕組みも持っています。



除草剤や農薬などがかかると花びらが白く変化します
が、
それとは別に
もともと花びらが白いシロバナオオイヌノフグリというものもあります。
桃色のものもあるそうです。


花びらの色が変化するあたりも
聖女ヴェロニカを思い出させてくれます。


聖女伝説に由来する美しい花言葉と
なんとなく世俗的な呼び名である犬のきんたま。


この両方を兼ね備えた美しい花オオイヌノフグリは、
いまや
日本全国どこにでも見られるようになりました。

この美しい花は
聖女も犬のきんたまも
どちらも
尊いもの
聖なるもの
と主張しているかのようです。



今日もありがとうございます。

ブログランキング応援よろしくお願いいたします。
 
人気ブログランキングへ