野生動物の保護。

米国イエローストーン国立公園で、
バイソンの赤ちゃんが、
「寒そう」に見えたという理由で
観光客親子が車に乗せて
「保護」してしまいました。


その場に居合わせた別の人たちが
止めるように忠告したそうですが、

それを無視して
公園の警備隊事務所まで
バイソンの赤ちゃんを拉致してしまったのです。 

たぶん
親切心から起こした行動なのでしょう・・。
 
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その結果
母バイソンは、当然のことながら動揺し、

一度
人間の手にかかってしまった赤ちゃんは
育児放棄されてしまいました。



公園側は
赤ちゃんバイソンを
何度も母バイソンのいる群れに戻そうとしましたが、
うまくいくことはありませんでした。


そして
安楽死。



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都会に住む人間の基準で
野生動物たちの価値観を
誤解することによって
多くの悲劇が生まれます。





それは身近なところでもよくあります。

たとえば

野鳥のひなを拾ってしまうこと。


これも先ほどのバイソンの善意の安楽死と同等です。


多くの野鳥は、
春から初夏にかけて子育てをします。

ヒナは数週間で羽毛が生えそろい、
親に近い大きさに成長し て巣立っていきます。

この野鳥の子育ての季節には、
ヒナが地面に「落ちている」ことがよくあります。

この場合には基本的に手を出してはいけません。

落ちているヒナ鳥を見つけたら、
まず
手を出さないまま
遠くから
しばらく様子を観察してください。


巣立直後のヒナはあまり動かずにじっとうずくまります。

親鳥は
人がヒナの近くにいる場合には
警戒して離れいます。



この時に
ヒナに手を出してしまうことは、
鳥にとって「誘拐」に等しい行為になってしまいます。


親鳥は、
地面でエサを与え、
安全な場所へ少しずつ誘導し て、
ヒナは少しずつ飛べるようになっていくのです。


もしも
車の通行の多い道路など差し迫った危険がある場合に限っては、
近くの茂みの中へ
そっと置いてあげてください。




野鳥の自己治癒力を尊重し、
自己回復する力を使うことが一番大切です。


野鳥にとって人に捕まえられることは
相当強いストレスとなり、
扱い方によってはショックを起こし
死んでしまうことさえあります。

さらにヒナのうちは、
鳥として一生生きていくための大切なことを母鳥から学ぶ時期です。


ヒナを一定期間保護するということは
その貴重な学習の機会を奪い、
ヒナは
生きていけなくなるかもしれないのです。



保護した野鳥を
人が飼うことも
野鳥にとっては拷問。

人が一生涯にわたって
独房で生きるのと同じことです。


そのため
必ずしも保護することが野鳥にとって最優先する良いことではありません。




日本野鳥の会ヒナを拾わないでのサイトはこちら。


でも、
困ったことに
動物病院では
ヒナが一人で動物病院の玄関に
たたずんでいることがよくあります。

今日も来ました。
シジュウカラでしょうか。
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これは
ヒナが自分でやってきたのではなく、
誰かが持ち込んだものでしょう。


複数の監視カメラに
録画されています。

こちらも
「ひかたま:「天私無」鳥が空を飛ぶ権利」




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