英国で行われている
大規模蝶生息調査で
今年は蝶の生息数が激減していることが確認されました。

4373.theguardian.com

蝶は
観測始めて以来の最低数にまで
減少していました。


専門家は、
この結果に
「とてもショックであり、謎。」
と感想を述べています。

2012年の最低生息数記録だった時には
天候が寒く、雨ばかりでした。

でも、
今年の英国は
暖かく、天候の良い状態が続いていたのです。
5760.theguardian.com

英科学誌Nature Climate Changeに、

英国の蝶を対象にした研究で、
気候の変動に弱い種は、
このまま対策がなされなければ、
2050年までに絶滅してしまう
という報告が発表されました。

この研究調査では、
1995年の干ばつの時に英国の蝶28種のうちの約五分の一の種が
大幅に生息数が減少していました。
 
たった一度の干ばつでも大きなダメージを負ってしまう。
最近の干ばつ、気候の変動の激しさの影響が顕著に現れています。

また、
生息地の減少と断片化によって、個体数の回復に時間が長くかかることも示されました。

今後、気象の変動や生息環境は悪化することが予想されるため、
ますます蝶にとっては、厳しいものとなっていくことが予想されます。



この問題は
英国だけではなく

蝶の減少は世界的なものです。

地球環境に
人が勝手に決めた国境は関係ありませんから。


特に激減しているのは
北米の
渡り鳥のように
渡りをする蝶オオカバマダラです。

このままでは
絶滅してしまうために

米国オクラホマ州のアメリカ先住民族の七つの部族が
このオオカガマダラを救うために
立ち上がりました。



彼らの土地を
この蝶に提供し、
蝶の好物の植物を植えることにしたのです。


ひかたま: 北米先住民がオオカバマダラの保護を表明



現在、
世界中の土地は
すべて人のお金のために使われています。



日本人は
アメリカ先住民のように
同じように自分たちの土地を
昆虫や動物たちに提供できるでしょうか?


日本人は
本来自然を大切にする民族だと思います。


そんな日本でさえ
草よりも植林の方がお金になるという名目で、
豊かな生態系を育んできた草原は開発されて激減し、
干潟は
陸地へと変貌しています。

島国日本として岩礁と砂浜、
そして
河口付近の干潟で形成される長く美しい海岸線が、
年々コンクリート護岸で固められ、
自然護岸は減少している状態です。

ウミガメは産卵できない状態となり、
ハマグリも消えた地域もあり、
海岸植物は激減しました。

河川は、
護岸工事やダム建設などで変化し、
水辺の生物たちにとって大切な湿地や湖沼は、
金銭的価値が無いという理由により
不毛の土地とみなされ、
干拓の対象となりました。

現在日本では、
在来の淡水魚の半数以上が、
絶滅の危険性のあるレッドリストに
指定されています。

身近であったクロメダカでさえ、
絶滅の危機に瀕しています。



すべて
土地を人間だけのことしか考えずに
使ってきたからです。



今回アメリカ先住民族たちが、
蝶のために土地を明け渡す
ということは、
とても大きな意義があります。


土地を人間中心に有効利用するならば、
目先のお金が入ってくるでしょう。

蝶からは一銭ももらえません。





人間中心の
土地の開発と利用には、
無数の生物の命を奪い、
安住の地を消滅させることも意味しています。



私たちを育んでくれる
自然と生物の多様性維持よりも、
経済活動や娯楽を優先するという本末転倒の感覚
が、
現代社会では、常識とされており、
自然との距離を隔てる結果となってしまっています。



自分自身の調和と同時に、
身の回りの自然をもう一度良く見てみましょう。


私たちは、
自分の住む世界の自然を尊重し敬愛することも、
自分自身の浄化と同様な行為であることを知るべきでしょう。




もう少し
続きます。



蝶は、環境の変化にとても敏感です。

それは、

蝶だけの問題ではなく、

多くの昆虫の生存も脅かされているということになります。



昆虫は、花粉を媒介したり、亡くなった生物を分解したり、生態系のバランスをとるなど、
人の生活にも必要不可欠な存在です。



「縁の下の力持ち」

昆虫のお世話になってい無いと考えている人もいるかもしれません。
でも、
昆虫たちは、
人の生活に、人知れず大きな助けをしているのです。


以前当ブログ
「都会のハチを守るビー・ハイウェイ」
で、昆虫のいない世界をご紹介しました。

ここに一部抜粋します。

都会で蜂たちが目の前で飛んでくるだけで、大騒ぎして嫌がる人さえいます。
共存共栄は、人にとってもとても大切なこと。

すでに私たちは、蜂がいないと生きていけないほど、
蜂に頼って生活していることを忘れている人が多いようです。


現在、世界の食料の約三分の一は、虫たちの働きに頼っているのです。

この写真のサラダバーは、
左半分が蜜蜂のいない世界右半分が蜜蜂のいる世界。
こんなにも違います。
aradabarTheHuffinghtonPost
チョコレートでさえ、虫がいないと作ることが出来ないことを知らない人が多いのです。

私たちひとりひとりにも、出来ることはたくさんあります。
NPO動物保護団体「Xerces Society」の虫の保護部門に携わるエリック・マーダー氏によると、
私たちが、
各々の場所で、
出来る範囲で
地元固有の野生の花を植えることが一番良いと言います。



都会で庭が無い人でも、庭がある人でも、
ひとりひとりが植木鉢たった一個の草花を育て、
大切に扱うだけでも、
全体では大きな自然が形成されるのです。




たった一人の力、
たった一つの鉢植えでも、
都会の虫たちにとっては大きな一歩なのです。




ちなみに、
東京の銀座のビル屋上の蜜蜂は、

年間1トンものハチミツを生産しています。
ビヤガーデンよりも、
ビーガーデンです。

大海も、一滴の水から
大きな山も、一握りの土から。





こちらは、アマゾンからの写真。
アマゾンにすむ蝶たちは、ミネラル分がたりなくなると、
カメさんたちから涙をもらいます。
カメさんたちは、
じっとして蝶に涙を分けてあげています。

butterflies-turtle-tears-3 Jeff Cremer / Perunature.com

ワニさんも蝶のために、じっとしています。

butterflies-caiman-teaNationalGeographic



最後にボツワナからの写真。
ライオンが、陽だまりの中で毛づくろいをしていたら、
右手に蝶が停まりました。
ライオンは、
蝶のために、毛づくろいをそっと止めたのです。
優しい配慮。
私たち人間も見習わなければ。
lionbutteflyKobus Swart/Caters News Agency


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