グルテンは、
小麦、大麦、ライ麦などの穀物の
胚乳内の貯蔵タンパク質であるグリアジンとグルテニンに
水を加えて反応させてできるたんぱく質の一種です。


グルテンは、
パン、ホットケーキ、パスタ、ピザ、シリアル、ケーキ、クッキーなど、
とても多くの食品に含まれています。

sources-of-gluten celiac.org



最近では
このグルテンを含んだ食事をしない
「グルテンフリー」
という言葉が流行してきました。



グルテンは、
ほとんどの人では有益な栄養素となりますが、

ごく一部の人では
グルテンにアレルギー反応を起こし
セリアック病(グルテン過敏症)
という腸疾患を起こす原因となります。



このセリアック病は
先天性の病気の一つとして知られ
遺伝子異常と関連があるとされています。


治療としては
一生に渡り、厳密なグルテンフリーの食事を行わなければなりません。
グルテンが少しでも入った食事をすると
下痢や食欲不振、貧血、体重減少、慢性的な疲労感など
さまざまな症状が発生します。


グルテンにアレルギーを起こしやすいのは
白人の女性であることも判明しています。


つまり
「グルテンフリー」食は、
基本的にセリアック病の人のための食事療法です。





日本人の炎症性腸疾患の患者さん172人と健常者190人を対象にした
グルテンアレルギーの
大規模な調査を行った研究があります。

その結果が、
2014年の消化器疾患専門の学術誌に発表されています。

celiac ncbi.nlm.nih.gov


その結果、
470人の患者さんのうち
グルテンにアレルギーを持っていたのは
0人でした。

グルテンアレルギーに関係する遺伝子(HLA-DQ2とHLA-DQ8)を
日本人は持っていないために
グルテンアレルギーを発症する危険性が極めて低いのです。



消化器系専門誌「Gastroenterology Research and Practice」には
コロンビアでグルテンフリーを実践している1207人の調査を行った結果が報告されています。

gluten ncbi.nlm.nih.gov

その結果、
グルテンアレルギーを医師から診断された人の割合はたったの0.41%でした。

またグルテンフリー職を食べている人のほとんど、
97.2%の人は医師の診断をうけていませんでした。



グルテンフリーというものは
食べるものが大幅に制限されるとてもたいへんな食事療法であり
一生に渡って続けなければならないものです。

麺類やほとんどのお醤油でさえ、禁止になります。


食事療法には
流行があります。

でもすべての食事療法が万人に良いわけではなく
一人一人違うのです。


一昔前に流行った
糖質制限ダイエットで
昏睡状態になったという話も何度か聞いたことがあります。

また
一日一食健康法が流行した時に
いきなり食事を減らした高齢者の人たちが
次々と病院に運ばれたという話も聞いたことがあります。



単なる流行で
グルテンフリーにしている人はとても多く、
それによって
栄養的なバランスを崩してしまわないよう
注意が必要かもしれません。




頭で考えるよりも
まずは
身体の声に耳を傾けてみましょう。





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