病気には原因があります。

でも
利益が大きく関連する原因が発覚してしまった場合、
その関連業界は因果関係を否定したり
あらゆる手段を使って、
隠ぺいすることがあります。

時には
告発者を社会的に抹殺したり
論文を撤回させたり
豊富な資金を使って学者を擁護して論文を作ってもらったり
川に浮いていたり・・・。


論文はお金で事実を歪めることもできるのです。
ひかたま:お金で歪む科学的事実
ひかたま:論文の信憑性

さまざまな業界で
さまざまなことが
実際に行われています。




実話を元にして映画化されたものも数多くあります。
タバコ業界の不正を告発した「インサイダー」
原発業界の闇を告発した「シルクウッド」
アメリカ国家安全保障局の機密情報を暴露した「スノーデン」
・・・
他にもたくさんあります。



以前
このブログでご紹介した映画「コンカッション」もその一つです。
実話に基づいた映画です。

映画のタイトルのコンカッションとは
脳しんとうという意味。


米国で人気No.1のスポーツであるアメリカンフットボール。
その元スター選手の死と
競技中に受ける衝撃の因果関係を発見し
真実を追求し続けた実在の医師の物語です。

ひかたま:映画「コンカッション」

スポーツの世界でさえ
大きな力で隠ぺい工作が行われることもあるのです。

この映画の公開によって
とても多くの集団訴訟問題へと発展したのです。



現在は
脳への衝撃を繰り返すアメリカンフットボール選手、ボクシング選手、ラグビー選手、プロレスラーなどで
多く認知症の症状を呈する慢性外傷性脳症が確認されています。




サッカーの場合はどうなのでしょうか?



サッカー選手のヘディングと認知症との関係は
いままであまり公にはなってきませんでした。


football-headenewspakistan.tv

ロンドン大学とカーディフ大学の共同研究チームは
プロサッカー選手5名とアマチュア選手1名を対象に、
死後の検死を実施しています。

対象のサッカー選手たちは
すべて60歳代で認知症を発症して
亡くなっていました。

解剖の結果
すべての選手において
認知症の一種であるアルツハイマー病の兆候が認められました。

さらに
6人中4人の脳には、
慢性外傷性脳症の診断が下されました。

この疾患の患者は、
外傷を受けてから数年から数十年経って、
記憶力の低下、攻撃性の増加、精神的混乱、抑うつ状態などの認知症症状を呈すると言われています。


今回の研究では、
少人数の解剖結果に基づいているために
ヘディングと認知症との因果関係を確定できたとはいえませんが、
今後さらに長期間に及ぶ大規模な調査が必要でしょう。




スターリング大学では
サッカーのヘディングの短期的な影響を調べる実験を行っています。
19名の選手にそれぞれ20回のヘディングを行ってもらい、
その後に脳機能と記憶能力をテストしています。

その結果、
ヘッディング後には、脳機能は41~67%減少していました。
これは短期的な影響の研究であり、
長期的にヘディングを続けた場合どうなるのかは
わかっていません。

慢性外傷性脳症の症状は、
発現するまでに数十年かかることもあるからです。




元イングランド代表FWのジェフ・アストル氏が
2002年に重度の認知障害の末に亡くなりました。

彼の死因について、
医師は「現役時代のヘディングによって引き起こされた慢性的な外傷性脳障害」と診断しています。

アストル氏の娘ドーンさんの証言では、
英国のサッカー界は
この事実と因果関係を隠ぺいしようとしたそうです。

「名選手の家族たちが勇気を持って脳障害の事実を公表しはじめています。
さらにそれは、有名選手だけではなく、多くの選手の家族からの訴えも受け取っています。
悲しいことに、これらは巨大な氷山の一角にすぎないと思います。
本当はサッカーが認知症の原因ではないことを願っていましたが、
残念ながらそれが事実であるようです。」


イングランドサッカー協会は、
2015年になってこの件が大きく報道されてから
ようやく
アストル氏の遺族らによる訴えを受け入れました。



英国でも少年サッカーでのヘディングを禁止する方向で検討されています。

ちなみに
アメリカサッカー協会では、
すでに
10歳以下の子供のヘディングは禁止されています。
さらに13歳までの選手のヘディングの練習には制限が設けられています。
これは
脳に障害を負ってしまった子供の裁判がきっかけになりました。



こちらも
ひかたま:人工芝の発癌リスクとがんになったサッカー選手たち
ひかたま:映画「コンカッション
ひかたま:お金で歪む科学的事実
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