カナコちゃん。

京都大学野生動物研究センターの施設「熊本サンクチュアリ」にいる、
ダウン症のチンパンジーです。
24歳。

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染色体で確定診断された例としては
1969年に確定された例に次いで、
世界で二番目となります。

この二例の他にも
タンザニアでもダウン症と思われるチンパンジーは見つかっていますが、
このチンパンジーでは
染色体検査は行われていませんでした。

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カナコちゃんの状態は、
22番染色体が1本多い3本ある「22トリソミー」という状態です。
人では、
21番目の染色体が3本ある「21トリソミー」(ダウン症)とほぼ同じと考えられています。

普通
チンパンジーの染色体は、48本。
人の染色体は、46本。
 

カナコちゃんは、
生後156日目に
お母さんのカナエちゃんの健康診断のため
一旦引き離されました。

健康診断後に
カナエちゃんの麻酔からの覚醒の時に
自分の舌を噛んでしまい
それが治癒するまで
さらに4日間隔離されました。

そして
カナエちゃんとカナコちゃんが再会したのは
5日後。

その時、お母さんのカナエちゃんは
カナコちゃんを拒絶してしまったのです。

それ以来
カナコちゃんは人の手で育てられるようになりました。

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特に最初の一年はたいへんでした。

カナコちゃんは、
よく風邪をひき、発熱し、咳に苦しみ、
下痢をしたり、
眼の周囲が腫れたり・・・。


さらに 
歯の発育も悪く、
生後1年の検診で白内障が見つかり、
緑内障も発症して
7歳までに視力を失ってしまいました。

5歳ごろには、
体重増加が緩やかになり、
健康なチンパンジーよりも一回り小柄に育ちました。 
後からわかったことですが、
カナコちゃんは生まれつき心臓の内部の壁に穴が開いている心房中隔欠損という先天性心奇形もあったのです。

これらは
いずれも人のダウン症にみられる症状でもあります。


それでも
頑張って
24歳。

写真は22歳のお誕生日のものです。
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他のチンパンジーとのケンカに巻き込まれても逃げられないため、
チンパンジーと同居するのことは難しいので、
一匹だけで生活しています。

ただし、
生活の質に配慮して、
別のメスと毎月一回、一緒に過ごす時間もあります。

このメスは温和な性格で、
カナコちゃんも一緒に過ごすのを楽しみにしているようです。

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人と類縁のチンパンジーのダウン症についての研究が進めば、
人との類似点や違いを比較によって、
さらにダウン症の理解が深まるのではないでしょうか。


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