現在、既存の抗生物質・抗菌薬のほとんどが効かない多剤耐性菌も出現と拡散が
世界的に問題になっています。

salmonella-549608_960_720pixabay


世界保健機関(WHO)は、
抗生物質・抗菌薬が効かず、
世界的に大きな問題になっている12種類の薬剤耐性細菌のリストを公表しました。


人類にとって最も危険な病原菌だとして、
各国に抗菌薬の迅速な開発を促しています。

WHOは
「これらの菌の抗生物質への抵抗は強くなっており、治療の手段は尽きつつある」
と警告しています。


WHOが薬剤耐性菌に対する行動計画を採択したのは
2015年5月のこと。
その時に
WHO加盟各国に
2017年5月までに自国の行動計画を策定するように要請していました。

いまのところ、
抗生物質によって
細菌を完全に制圧することは
ほぼ不可能な段階です。
 
今回WHOは、
12種類の重大な脅威となる細菌を
3種類の緊急度に分けてリスト化しています。

緊急度1:重大
カルバペネム耐性アシネトバクター・バウマニ
カルバペネム耐性緑膿菌
カルバペネム耐性腸内細菌(CRE)

緊急度2:高
バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
クラリスロマイシン耐性ヘリコバクター・ピロリ
フルオロキノロン(ニューキノロン)耐性カンピロバクター
フルオロキノロン耐性サルモネラ属菌
多剤耐性淋菌(第三世代セファロスポリン、フルオロキノロン耐性)

緊急度3:中
ペニシリン非感受性肺炎レンサ球菌
アンピシリン耐性インフルエンザ菌
フルオロキノロン耐性赤痢菌

WHOは
リストを公開した理由として
新薬開発を促すためのものとしています。


新薬がなかなか出ないのは、
次のような理由があります。


抗菌薬は、慢性疾患薬と違って使用期間が短く、儲けが少ない。

開発費に莫大な費用がかかる割には、類似の構造を持つ薬が開発されやすく、薬価が下がってしまうので、儲けが少なくなる。

特許によって守られている独占期間内に、開発費が回収できない。




さらに
日本は優秀な研究開発能力を持っていて、
明治製菓ファルマやシオノギ製薬など
新しい抗菌薬開発に力を入れている製薬会社もありますが、
日本は世界的にみても耐性菌の出現が少ないために
耐性菌が少ない日本国内だけで開発を進めることは
難しい面もあります。



そのため、
製薬会社は、メタボや糖尿病など
慢性疾患でずっと飲み続けてくれる薬の開発に力をいれる一方で
儲けのメリットのない抗菌薬は開発に力が入らないのです。





 

耐性菌は
いまや南極からも見つかっています。
antnewscientist.com



 
抗生物質と耐性菌は、
テロと報復のような終わりのない戦いです。

人だけでなく、
家畜にも大量使用されています。

このままの使い方を続ければ
普通の風邪でも治療困難な時代が来ると専門家が
権威ある医学雑誌Lancetで警告しています。



本来菌と生物は共存共栄するもの。

抗生物質に頼る医療は、
いずれ時代遅れになるでしょう。

私たちは、
細菌に対しても、
抗生物質だけに頼るのではなく、

医薬品の乱用を改め、
天然の素材に頼る方法や
生体の免疫力を高めることを
常に念頭に置かなければなりません。




今日もありがとうございます。

ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いいたします。

 
臨床家のためのホメオパシーノート 基礎編 (Nanaブックス)
森井 啓二
ナナ・コーポレート・コミュニケーション
2010-09-18