私たちが病院からもらう医薬品のほとんどは、
特定の成分だけが高濃度に化学合成されたものです。

そして
今、使われている医薬品の成分の生態への影響は
ほとんど解明されないまま
使用されているのが現状です。


だから
いまだに
生体に対して予想外の作用を及ぼすことが
よくあります。










薬害の代表格ともいえるものにサリドマイドがありました。

サリドマイドは、
もともと癲癇発作を抑制する薬として販売されたものです。

でも、
実際に使用すると効果が無く
その副作用の一つとして
眠くなる作用がありました。


そのため
その副作用を効能として睡眠薬として発売されたものです。


睡眠薬としてのサリドマイド発売当時は、
ほかの薬と同じ様に
副作用も少なく安全という評判
妊婦にも数多く処方されたものの、

実際には
非常に強い催奇性があり

胎児に影響が出て被害が広がりました。

その主な奇形は、
耳や手足の発育不全でした。


現在
サリドマイドは、
また効能を切り替えて
多発性骨髄腫とハンセン病の治療薬としていまだ使われています。




サリドマイド薬害事件から50年経って、
ようやく
サリドマイドがセレブロンの作用を阻害することにより奇形が発生することが判明しています。

現在
この薬が使われている多発性骨髄腫に
何故効くのかはいまだ不明のまま使用されているのです。


実は
医薬品ではこのような事例はとても多いのです。




一つの症状に対して
新しい薬が開発されると
「従来の薬は副作用があまりに強すぎたが、今度の新薬は副作用がほとんどない」
と必ずと言っていいほど説明されます。

そして
それも次の新薬が出ると
また同じことの繰り返し。




今回は
胃薬の話です。



胸やけの薬で使われている胃薬「プロトンポンプ阻害薬」
静かに腎不全を引き起こす副作用があることが報告されました。


一般的によく使われる
プロトンポンプ阻害薬の場合
重要な基本的注意の一番最初に
「治療にあたっては、経過を十分に観察し、病状に応じ治療上必要最小限の使用にとどめること。また、血液像、肝機能、腎機能等に注意すること。
と強調されています。


単に胸やけだけに作用する薬ではないのです。


主な副作用としては
アナフィラキシー、血小板減少、溶血性貧血、横紋筋融解症、
劇症肝炎、低ナトリウム血症、
視力障害、精神錯乱、精神不安、
腸内細菌叢の変化など
があります。



副作用の腎不全は
特に長期間にわたって服用する場合には要注意だそうです。

多くの例では
急性症状を伴わないために、患者さん自身では気が付きにくいようです。


まさか、自分の飲んでいる胃薬が
視力障害や精神不安、腎不全の原因になることがあるなんて、
誰も思いもよらないのではないでしょうか。
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プロトンポンプ阻害薬は、
胃酸の分泌を抑制する薬です。
市販のガスターよりも強く作用します。


消化性潰瘍(胃潰瘍、十二指腸潰瘍、吻合部潰瘍)や
逆流性食道炎
ヘリコバクター・ピロリの除菌の補助
などの治療に使われている胃薬です。


各社からさまざまなものが販売され
病院での処方薬として使われています。

プロトンポンプ阻害薬の代表的なものには
オメプラゾン、オブランゼ、タケプロン、パリエット、ネキシウムなどがあります。



他にもこの胃薬に関していろいろな副作用報告が
学会などでも報告されています。

最近のものでは、

このプロトンポンプ阻害薬を服用すると、
脳卒中リスクが高まる可能性があるとの研究結果も、
米国心臓協会年次集会で発表されています。

また赤ちゃんの胃食道逆流疾患に
プロトンポンプ阻害薬が処方されてしまった場合
将来骨折するリスクが上昇することも判明しています。
(2017 Pediatric Academic Societies Meeting)


こういった想定外の副作用は
胃薬だけではなく、
あらゆる医薬品にも言えることです。



薬は
その効能だけが注目されていますが
実際には生体内のあちこちで化学反応を引き起こし
予想外の影響があることは知っておいた方がよいでしょう。


薬を服用したら、
静かに身体の声に耳を傾けてみることです。


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