オーストラリアのグレートバリアリーフ。
世界最大のサンゴ礁地帯です。


グレート・バリア・リーフは宇宙空間からも容易に確認できるほど広大で
それは無数の微小なサンゴやポリプ等の有機体が集まって
悠久の長い年月をかけて形成されてきたものです。


2015年と2016年に記録的な海水温上昇が起こり
過去に例のない大規模なサンゴの白化現象が
進んでしまいました。


最新の研究では、
今回生じた大きなダメージと今後の起こる可能性の高い大規模白化現象を考慮すると
白化前のサンゴ礁に戻れる可能性はごくわずかしかないと言えます。

またこの論文では、
現在行われている保護活動に効果がみられないことも指摘されています。



写真は、死んだサンゴの中で泳ぐ魚たちです。
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サンゴは動物です。
いつも見ているサンゴ礁は、
サンゴが作り出した住処です。

サンゴの種類によって
作り出す住処の形が違います。

そして
その住処の中で一生を過ごします。

サンゴの食事は
人がお肉と野菜を食べるように
サンゴは、
サンゴ礁の中の入りこむ動物性プランクトンを触手で捕まえて食べています。

さらに
サンゴは、植物性の食事をするために
褐虫藻をサンゴ礁の中で育てています。

この褐虫藻がサンゴ礁に彩色を与えています。


この図はサンゴ礁を形成するサンゴの解剖図です。
触手と口があります。
触手の拡大図にある粒々が褐虫藻です。
土台となっているのがサンゴの骨格、
つまりサンゴ礁です。
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そして
海水温が上昇するに従い
褐虫藻がいなくなっていきます。
そして
サンゴ礁は白くなります。

サンゴたちも、
褐虫藻と共生できなくなると
やがて死んでいきます。


これが白化現象です。

coralbleaching-largenpr.org

この図は少し前のものです。

imrswashingtonpost.com



2017年の調査では
さらにひどい結果が予想されています。

Great Barrier Reefグレートバリアリーフ(大きなサンゴ礁の壁)
いまや
Great Barrier GRIEFグレートバリアグリーフ(大きな悲しみの壁)
なってしまいました。
Scientists-measure-coral-mortality-following-bleaching-northcoralcoe.org.au

サンゴ礁は、
さまざまな生き物にとっても
なくてはならない存在です。

それは森の中で恩恵を受けている動物たちと同じようなものです。

サンゴ礁は、
安全な隠れ家を生き物たちに提供し
豊かな生態系を育むことによって
食事も提供しています。
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サンゴの白化により
サンゴ礁に頼って生きてきた生き物たちは、
そのまま餓死するか
弱って捕食されるか
または
生き延びるために他のサンゴ礁が生きている場所を探して移動することになります。

でも
上手く移動出来て
定着する生き物は
とても少ないと推測されています。


グレートバリアリーフは、
かつての
サンゴ礁の楽園から
超短期間のうちに
サンゴ礁の墓場へと変容してしまいました。
980xcoralcoe.org.au



世界中のサンゴ礁も
同様の状態です。

現在世界のサンゴ礁のおよそ80%が死滅状態。

世界中のサンゴ礁が
すべて警戒レベルです。
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日本最大のサンゴ礁域として知られる沖縄県の石西礁湖のサンゴでも
9割に白化現象が起こり、
すでに70%のサンゴが死滅しました。

サンゴ礁の楽園として有名なクリスマス島でも
すでに80-90%が白化。


現在
緊急かつ迅速な行動をとることが唯一の解決策です。



人間の環境問題と
全く同じことを
サンゴ礁が先に示してくれているのです。



サンゴ礁を守るということは
私たち自信を守ることに繋がります。



グレートバリアリーフ財団の寄付はこちらのサイトから。
grbarrierreef.org

寄付の他にも
生活排水に配慮や節度ある生活など、
私たちに出来ることはたくさんあります。



 驚くことに
現在最も安全なオーストラリアのサンゴ礁は
NSW州のダボという砂漠地帯の町にあります。

ここにはすでに、
オーストラリアのサンゴ礁全滅に備えて
サンゴの700億の精子と220億の胚が
マイナス19℃の液体窒素で冷やされた容器に保管されています。


 
今日もありがとうございます。

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