過去に世界中で行われてしまった核実験が
象牙取引抑制に役立つかもしれません。

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象牙のためにいまだに多くのゾウたちが殺され続けています。
象牙の違法取引が存在するからです。

象牙の国際取引は1990年に禁止されましたが、
一部の国では今でも合法的な国内市場があることも
闇市場がなくならない一つの要因です。

象牙の国際的な取引の規制が開始されたのは1976年のため、
新しい象牙を1976年以前の象牙と偽った場合、
一見合法と区別がつかなくなるからです。


覆面調査の結果でも
象牙取引業者は、違法取引に応じていることが判明しています。



そのため
象牙が採取された年代が特定できれば、
いつゾウが殺されたかも鑑定できます。

そこで応用されたのが、
放射線炭素年代測定です。

大気中には放射性同位体が微量に含まれていて、
それらは植物に取り込まれ、
食物連鎖で動物へと広まっていきます。

動物の体内に取り込まれた放射性同位体の量は
各年代で異なりますので、
それを測定することで年代測定ができるのです。



1940年代から1960年代には、
各国の核実験がとても多く繰り返されたため、
炭素の放射性同位体である炭素14が空気中に大量に放出されています。

それを植物が取り込み
その植物をゾウが食べることによって炭素14もゾウの体内に取り込まれます。

象牙は、根元から伸びていくために、
最後に食べた植物の痕跡は根元に残ることになります。

1960年代以降は、世界中の大気中の炭素14は減少していて、
その測定値も判明しています。

このことから
象牙の根元に含有される炭素14を測定すれば、
それと各時代の炭素14濃度を比較することにより
ゾウが亡くなった時期を特定できるのです。

これによって
現在取引されている象牙が、規制前のものか、規制後に違法に殺されたものかが
判断できることになります。


実際に
国家機関に違法密輸として押収された象牙の大部分は
長い間倉庫に保管してきた象牙という業者の主張に対して
この方法によって 
ここ数年以内に殺されたゾウであることがわかっています。


現在では
さらにストロンチウム同位体やDNAなどから
さらにゾウたちがいつどこで殺されたのかを知る有力な手掛かりが得られることになります。


私たちができることは
象牙に関する製品を絶対に買わないことです。


このままのペースでゾウが殺されれば、
三世代後には
生きたゾウを知らない子供たちになります。


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