犬のぶどう中毒のお話です。


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最近ようやく日本でも知られるようになった中毒に
犬のぶどう中毒があります。

犬は、ブドウやレーズンを食べると
急性腎不全を引き起こして
死に至ることがあります。


2001年に米国で犬のぶどう中毒例が報告されたあと、
2005年には、犬のぶどう中毒43例が発表され、
これを機に世界的に認知されるようになりました。

この報告の43頭中、
23頭は生存、
5頭が死亡、
15頭が安楽死。

死亡例と安楽死例のぶどうを食べてからの平均生存日数は
6日でした。



日本国内での初めての報告は、
2010年になります。
この報告のマルチーズはブドウを食べて4日後に死亡しています。
2013年には、国内2例目の症例が発表されましたが、
この犬は、ぶどうの皮(ピオーネ)を食べて10日後に死亡しています。


一般診療では、ブドウを食べてから具合が悪いという話を聞くことがあります。
中毒例は、軽いものも含めると結構ありそうです。






ぶどうが犬に中毒を起こす機序や毒性物質は特定できていません。
原因としては、
フラボノイド、オクラトキシン、タンニン、ポリフェノール、モノサッカライドなどのぶどうに含まれる成分の他にも
残留農薬や重金属、マイコトキシン、特異体質など、
さまざまなものが候補に挙がっています。



現在ブドウには
さまざまな品種が栽培されています。

犬で報告されている中毒例では、
ラブルスカ種やヴィニフェラ種、ビニフェラ種の交雑品種などでの発生が知られています。

日本では、
マスカット(ヴィニフェラ種)、
巨峰やピオーネ(ヴィニフェラ種の交雑品種)などがこれにあたります。


でも、原因物質が特定されていないために
すべての品種のブドウは
犬には与えない方が良いとされています。


犬のぶどう中毒の主な症状は、
嘔吐、元気消失、食欲不振、下痢、お腹の痛み、運動失調、虚脱など。
とくに
嘔吐は報告されているすべてのぶどう中毒例で確認されています。
 
ぶどうを食べて48時間以降には、
急性腎不全を発症し、尿量が減少することがあります。



ぶそう中毒での血液検査では、
腎機能の指標となるBUNやクレアチニン値の上昇、
高カルシウム血症や高リン血症が見られます。

この所見は、
ぶどうを食べて、早ければ24時間、遅くとも72時間語までには
血液に異常がみられるようになります。

血中のカルシウムとリンの数値を掛け算して60以上になると、
組織の石灰化が起こります。


ぶどう中毒43例を報告した獣医師によると、
致死量は個体によってばらつきがあり、特定はできていませんが、

腎障害を起こす量は、
体重1kg当たり、ぶどう19.6g、レーズンは2.8gでした。


そして
ぶどう中毒から生還した犬の半数以上では、
腎機能を示すBUNとクレアチニンの数値は改善されたとの報告ですが、
長期にわたって腎障害に苦しむこともあります。

ブドウを乾燥させたレーズンになると毒性は増しているようです。

写真は巨峰のレーズンですが、
かなりの重量です。
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猫では
ぶどう中毒の報告例はありません。

でも、
毒性物質や中毒を引き起こす機序が知られていないので、
犬でも猫でも
ぶどうは食べさせない方がいいでしょう。

特に
犬はゴミ箱にいれたぶどうの皮も要注意です。

Grape-and-Raisin-Poisoning-in-Dogscanigivemydog.info



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