週末効果。

平日よりも週末には
病院の死亡率が上がる傾向のことを「週末効果」と呼びます。



英国の国民保健サービスの研究チームの調査では
8つの週末効果の論文を評価しています。


英国でのある一定期間の入院患者の死亡をしらべたところ
入院数1億5900万人の中で、死亡した人は29万人。
全体を見ると死亡率は1.8%でしたが、
金曜日の死亡率は、2%、
土曜日の死亡率は、10%、
日曜日の死亡率は、15%に上昇していました。
そして
月曜日になると5%にまで下がっていました。



英国で
約135万人のデータから、
週末の出産と平日の出産で妊娠22週から生後7日までの子どもの死亡率の差を調べた研究もあります。
その結果では、
週末の出産は、平日の出産と比べて子どもの死亡率がわずかに高いという結果でした。




日本での研究でも週末効果が見られます。
2014年に行われた東北大学の研究では、
約5500万人の患者のデータが分析調査されています。

その結果、
土曜日の午後は他の日に比べて17%も死亡率が高いことという結果がでています。
また、
2月の午後に手術を行った例でも死亡率が高いことがわかりました。

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ベルリンの二つの医療機関で2006~2011年の間に手術を受けた21万8758人の患者データを分析調査でも
午後に手術を受けた人の死亡率は、他の時間帯よりも21%高く、
また週末に手術を受けた人の死亡率は、平日と比べて22%高いことも判明しています。


英国の研究で
2001年から2011年に結腸直腸切除術を受けた患者のデータを統計解析した研究調査が行われています。
この調査では、週末を除く、月曜日から金曜日までの調査です。
その結果、
金曜日に手術を受けた人は、
月曜日から木曜日に手術を受けた人に比べて、術後30日、術後90日、術後1年のいずれにおいても
死亡率が高くなっていました。




ブリストル大学の研究では
25万人以上の股関節部の骨折の手術を受けた患者を対象に調査しています。

その結果、
術後30日までの死亡率は
日曜日に手術を受けた患者の死亡率だけが51.5%も上昇していました。


日曜日の手術はできれば避けた方がよいようです。





さて、
このような週末効果は
緩和ケアでは
病院のようには起きないとされてきました。

そこで
ドイツの研究チームが、
1997年から2008年までに緩和ケア施設を利用した患者のうち、
入院患者2,565名と死亡者1,325名のデータを調査しています。

その結果、
週末と祝日の死亡率は、平日に比べて18%も高くなっていることが判明しています。



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