どこの家庭にもある鉛筆。

鉛筆は、黒い芯を木で挟んだだけの簡単な道具です。

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ほとんどの鉛筆では軸となる木に、
インセンスシダーが使われています。

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北米西部のこの図の緑色の部分に生育する樹木です。
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大きな木では高さ40mにもなります。

直径2m、高さ20mのインセンスシダーの場合、
75万から80万本の鉛筆が作れます。

鉛筆の軸のほとんどがインセンスシダーであるのは、
木目が細かい、
ふしがない、
木目が真っ直ぐ、
軽量、
適度な硬さと軟らかさを持つ、
削りやすい
などの特徴を持っているからです。

昔は、イチイの木などが使われていました。


また、インセンスシダーは、
持続可能な樹木であり、
木を切った分以上に植樹していくことも可能です。




当たり前のように使っているたった一本の鉛筆が、
私たちの手元に届けられるまでには、
とても多くの人たちが関わり、
作られています。




「いっぽんの鉛筆のむこうに」
という子供向けの本があります。

この本では、
鉛筆の芯のために、
スリランカのボガラ鉱山の地下300mで働く男性とその家族の生活の話で始まり、

つぎに
鉛筆の軸の木のために
米国西部のシエラ・ネバダ山中でインセンス・シダーを切り倒すきこりの男性とその家族の生活、
その切り倒した大きな木をトラックで運ぶ男性たちとその家族の生活の話へと続きます。

切り出された木は
製材所でスラットと呼ばれる板に加工されます。
そこからトラックで港へ運ばれて、
コンテナ船に乗って太平洋を渡ります。
ここでも多くの人たちが関わっています。

船内でもたくさんの人々が働いています。
日本の港に到着したら、巨大な運搬車で、コンテナをトレーラーへと運びます。
スラットを積んだトレーラーは鉛筆工場へと運ばれます。

鉛筆工場で、
スラットは細かく裁断され、
六角形に加工されて、中に芯をはさんで鉛筆となります。
そこから、
木材表面を滑らかにする目止め、
下塗り、中塗り、仕上げ塗りと何度も塗装されて立派な鉛筆になります。
この一つ一つの工程にも
それぞれ専任の職人さんたちが関わっています。

そこからまた流通に乗って
文房具店へ運ばれて、
文房具屋さんの手から
私たちの手元に届きます。

たった一本の鉛筆の背景には、
たくさんの人が仕事で関わり、
その人たちにも、いろいろな生活があります。

それを一冊の本が語ってくれています。

さらに
現在使われている一本の鉛筆にたどり着くまでに
どれほど多くの人々が
工夫し、研究を重ねてきたことでしょうか。
最初は、木ではなく、紙で黒鉛を包んだのかもしれません。
木も、鉛筆に適したさまざまな木を試してみたのかもしれません。
今の六角形になるまでには、いくつもの試作品もあったことでしょう。

一本の鉛筆にも
多くの職人さんたちの知恵が凝集されています。




昔の道具はすべて手作りでした。
魂を注いで大切に作られ、
心を込めて愛用された道具には命が宿り、
より高度で精妙な仕事が出来るようになります。

残念なことに、
使い捨てや大量消費社会では物に命が宿る暇がありません。


でも、
今の時代
私たちはもう一度、
身の回りで当たり前に使われているものが
どんな原材料を使い、
どれだけ多くの人が関わっているのかを再認識してみることは
とても大切だと思います。



私たちが幸せに暮らせるのは、
限りない支えのおかげです。

着るものも、
住む場所も、
あらゆる道具も
誰かが考えて多くの人の協力があって、作ってくれたもの。

肉体として存在できるのも、
毎日命を捧げてくれる動植物、
すべてを育む地球や太陽のおかげ。

人は支えられて生きていることを自覚したら、
いつも感謝を忘れない人になります。



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