ピレスロイドは、
もともとは
除虫菊から発見された有効成分の総称です。


今日では
天然の除虫菊そのものが利用されることはほぼなくなり、
化学合成された各種誘導体成分が
各国で広く殺虫剤として利用されています。



開発初期の合成ピレスロイドには
除虫菊にあるような菊酸構造が存在していましたが、
現在の合成ピレスロイドには
共通化学構造はありません。



哺乳類や鳥類の受容体に対する作用は極めて弱く
昆虫・両生類・爬虫類などには強力に作用するとされ
人には比較的安全性の高い殺虫剤とされています。



安全性が高いとされているため
多用され、
流通している農作物からは
ピレスロイド系殺虫剤が一般的に検出されるのが実態のようです。


でも
ピレスロイド系殺虫剤は
他の殺虫剤と同様に、
神経を障害する作用があり、
特に成長期の子供たちへの影響が懸念されるようになっています。

pesticide-e1485290936587.naturalnews.com

人体に入ったピレスロイドは、
代謝されて
尿中に3-フェノキシ安息香酸(3-PBA)として検出できます。



フランスのレンヌ大学病院の研究では、
数百人の母親とその子どもを対象として、
妊娠中と子どもたちが6歳の時の尿中の3-PBA濃度を測定し、
それを基にピレスロイド曝露量を測定しています。

さらに、
6歳時の子どもたちの行動を評価した研究です。

その結果、
ピレスロイドと行動障害との間に関連が認められています。

特に、
妊娠中の母親においてピレスロイド系化学物質の尿中濃度が高い場合は、
子どもの内在化問題行動のリスクが高くなり、
子どもにおけるピレスロイド系化学物質の尿中濃度は、
外在化問題行動(反抗的・破壊的な行動)のリスク上昇に関連していました。

全体として
3-PBA尿中濃度が最も高かった子どもたちは、
異常行動がみられる可能性が約3倍高いという結果になりました。





米国では
米国在住の8~15才の子どもたち687人のデータを分析しています。

その結果、
尿中から3-PBAが検出された男の子ではADHD(注意欠陥・多動性障害)のリスクが、
検出されなかった男の子の3倍でした。

さらに
男の子においては、3-PBAの尿中濃度が10倍になるごとに多動性と衝動性が50%増加していました。

女の子では、
3-PBAの尿中濃度とADHDのリスクの間に関係は認められませんでした。






中国の浙江大学からも
ピレスロイド系殺虫剤と男の子の影響を調べた研究結果が発表されました。

 今回の研究では、
463人の男の子、年齢は9歳から16歳までが調査対象とされています。

その結果、
ピレスロイド系殺虫剤に暴露された男の子は、
男性ホルモンのバランスが混乱し、
思春期も早期になるという結果でした。




殺虫剤とは
生き物を殺す化学物質です。

「安全」と言っても
小さなお子さんがいる家庭では
慎重にどれをどの程度使うかどうか判断しましょう。



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