さまざまな目的のために
海外から輸入された動植物たち。


その大部分は、
人の管理不足によって
外の環境へと出てしまい
特定外来生物として「駆除」される運命になってしまいます。


特定外来生物
とは、
「特定外来生物被害防止法」で指定された生物です。
明治時代以降に海外からやってきた動植物のうちで、
生態系、人の生命・身体、農林水産業へ被害を及ぼすもの、又は及ぼすおそれがあるものの中から指定されます。



セイヨウオオマルバチ
農家の受粉を助けるために
1992年から
本格的に日本への輸入が始まりました。

ヨーロッパ原産ですが、
日本へはオランダ、ベルギー、イギリス、イスラエル等から、コロニー単位で輸入されてきました。

現在も
成虫や幼虫、卵をセットにした巣箱が、
年に約6万箱が販売されています。

ミツバチよりも大人しく
扱いやすいそうです。


そして
積極的に輸入されたこのハチさんは
2006年に
「特定外来生物」に指定されました。
nnWikipedia


環境省と農林水産省は、
「特定外来生物」のセイヨウオオマルバチの農業での利用を、
2020年までに半減させ
将来的には全廃を目指す方針を決めたようです。


セイヨウオオマルバチが野外に逃げて、
在来種と交雑するといった生態系への影響が懸念されているため、
在来種のクロマルハナバチなどの利用に転換を促すそうです。 

(ただし、
この記事が各紙で報道された後、
インターネット上ではほとんどの報道機関ですぐに削除されています。 )
 


最近では
年間約6万個の巣箱が農業用で流通しています。
これは、
クロマルハナバチの倍の数になります。 

2006年に
特定外来生物に指定されましたが、
受粉に必要なため
環境相の許可を得れば農業目的で飼育できる状態が続いています。 


ちなみに
カナダと米国では、
すでに
輸入禁止措置が取られています。

 
現在、
日本のトマトの施設栽培においては、
栽培面積の約40%でセイヨウオオマルバチが利用されています。
他にも、ナスやイチゴの栽培などでも利用されています。
小規模では屋外のリンゴやナシ、ウメなどの果樹の受粉にも利用されていたことがあります。 

 
特定の目的で
人によって大量に輸入された動植物たちが
結局は在来種の存続を脅かす存在となり、
「駆除」対象とされてしまう。


私たちは
とても繊細な生態系をまだまだ理解していません。

人為的操作を試みるたびに
多くの生物たちが連鎖的に犠牲になっていきます。


でも、
モンシロチョウもクサガメも
菜の花も
皆、元外来種。

難しい問題です。


こちらも
ひかたま:外来種の命:日本でカナダガン根絶
ひかたま:神聖な鳥インドクジャクの「駆除」


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