かつて世界中で作られたダムの老朽化が始まっています。

老朽化したダムを新しい基準に合わせて改修工事することは
膨大な費用がかかります。

そのため、
ダムの撤去という選択があります。

ダム撤去は、
本来の水環境の再生であり、
それによって周囲の自然環境は再生されていきます。

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まず最初に
このブログでご紹介したオルカの飢餓とダムの関係について
抜粋します。




オルカの写真家マーク・マルソンさんが撮影した一枚の写真。

starving-orca-550x440crosscut.com/Mark Malleson

このオルカは
J34として知られている個体です。

マークさんは、J34を見て、
驚きました。

肋骨がかつてないほど
浮き出ていたのです。


冬の間にたくさん餌を食べたはずの
オルカが
この時期に、
こんなに痩せている。


これは、
冬の間に
十分な餌がなかったことを
意味しています。

オルカの餌の大部分は
キングサーモンであることが
糞便のDNA検査を使った研究によって判明しています。


オルカの削痩は、
キングサーモンの個体数の減少と関連していました。


先日
このブログの「レジームシフト」の章で
特定の魚種が
気候の変動によって
数十倍から数百倍も変化する事実を書きました。


でも
大きな直接的な原因は
気候の変動ではなく
人為的な要因にありました。

河川に作られたいくつものダムです。

ダムの設置によって
サーモンの数が減っていたのです。


その影響が
オルカに出ていました。



生態系は
人の人智を超えたところで
複雑に巡り合っています。


ダムを作るときに
オルカに影響を与えることなど
考慮されることはなかったのでしょう。

それは、オルカだけではなく、
たくさんの生物たちに影響を及ぼします。


「ダムネーション」
という映画があります。

damunationdamnationfilm.net


こちらは予告編です。
 

 
公式ウェブサイトより
ストーリーの抜粋です。

破壊すべきダムがあるかぎり
“ダムバスター”は挑戦し続ける

アメリカ全土につくられた7万5千基のダム。それらの多くは、川を変貌させ、魚を絶滅させ、それにもかかわらず期待される発電・灌漑・洪水防止のいずれにおいても低い価値しか提供していない。むしろダムの維持には高い経済的コストもかかっている。そんな負の面ばかりのダムを「撤去」する選択が、アメリカでは現実になってきた。だが「ダム撤去」が当たり前に語られるようになるまでには、「クレイジー」と言われながも川の自由を求め続けてきた人びとの挑戦があった。彼らのエネルギーにより「爆破」が起こるドキュメンタリー。

自然の良さは人間が何もしなくてもいいこと。
ただそのままにしておけばいい。

地球の血管にも例えられる川。ダムが及ぼす影響は、私たち生き物すべてに及ぶ。ダムが撤去されたとき時、川は解放され、みずから元の姿に回復していく。本作品が映し出す川の生命力と美しさは、人間も自然の一部なのだということを改めて気づかせてくれる。そして、技術により自然を征服してきた過去と決別し、新しい未来をつくりだす希望の光を見せてくれる。製作責任者はパタゴニア創業者のイヴォン・シュイナード。共同プロデューサーは生態学者で水中写真家のマット・シュテッカー。

以上映画「ダムネーション」公式サイトより引用


私たちは
開発するときに
あらゆる影響を考えて
未来への影響を考えて
行動する必要があります。



米国を例にすると
現在ある7万5千基もあるダムのうち
現在使われずに環境に悪影響を及ぼしているだけのダムが
1万4000基以上存在しています。


中国では、
世界一ダムが多く
約8万7千基ものダムがあります。

そのうちの約4万基は耐用年数超過しており、
下流域の住民たちには非常に深刻な脅威となっています。

さらに
中国では
活断層の上の地域に130の大規模ダムを建設中
なのです。







老朽化したダムを撤去することで
川の水量は増加し、
森の栄養分が下流へと運ばれ、
周辺下流地域の帯水層には水が蓄えられ、
気候回復力が高まります。

また
ダムの建設によって消えた生物たちも戻ってくると期待されています。



実際に
2011年に築100年近い高さ38mのコンディット・ダムを撤去した時には、
撤去してたったの数ヶ月後には、
川にニジマスが戻ってきました。



最近では
米国では、川を本来の自然な状態に戻すためにダムを撤去する方向性が考えられていますが、
一方で
南米のアマゾン川、アフリカのコンゴ川、ナイル川、アジアのメコン川など、
多くの発展途上国では逆に、
ダム建設は増加しています。


発展途上国のダム建設ラッシュは、
周辺諸国の経済成長に伴って、
急速にエネルギー需要が拡大しているためです。


ブラジルのアマゾン盆地では、
現在あるダムの3倍に当たる428基もの水力発電ダムの建設が予定されています。

これらは
自然環境に壊滅的な打撃を与えるだけではなく、
気候にも大きな影響を及ぼす可能性があることが
専門家から警鐘されています。


それでも
建設を止める意思はない・・。





ダム建設によって
河川の流れが分断されるために
さまざまな影響が出てきます。

下流の湿地帯は干上がり、
川が運ぶ栄養が分断されることで下流域の土地が瘦せていきます。
生物の生息域までが分断され、
魚の産卵場が消滅してしまうことも起きます。

それは
川の生物多様性の問題だけではなく、
その魚を食料源と収入源として頼っている地元の人々の食と生活にも影響が及んでいきます。

森林の生態系システムは破壊され、
木が減少し、
帯水層の水の貯留も不十分となり
土地の乾燥も進みます。
周辺にすむ先住民族や動植物たちも犠牲になります。


乾燥地帯が増えれば
森林火災も増加していきます。

さらに
水力発電に必要な降水量まで減ってしまう怖れもあります。

そして
それはドミノのように
地球規模で
気候の変動に大きく影響を与えることになります。


私たちは
大規模に自然界に影響を与える建設について
ずっと未来の世代までの影響を
よく考える必要があります。


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