今週のお休みの日は甲斐駒ケ岳に行ってきました。
梅雨の合間の晴れ間。

最近ほとんど寝ていないので、
休日くらい寝ていればいいのにとも思いますが、
山から元気をもらう方が心身ともに強化されます。

普段が仕事ばかりで超運動不足なので
身体が動くことを欲し、
心は自然を欲しているみたいです。

ということで
いつものとおり
また山へ。


とはいえ、
やはり寝てないし
根性も無いので
今回は
いえ、
今回も
楽なコースからアプローチします。


山梨県側からはどのコースもきついので、
長野県側からの楽なコースで登ります。
北沢峠までバスで行きます。


これが甲斐駒ケ岳。
美しい山です。
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北沢峠でバスを降りると
しばらくは綺麗な新緑の中を歩きます。

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沢沿いの道を歩きます。
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少し歩くと、
突然大きな岩だらけの大きな斜面が現れます。
岩塊斜面といいます。

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岩塊斜面は、
大きな岩が積み重なっている斜面のこと。

岩の隙間に浸透した水が、凍ることによって岩が破壊されていき、
破壊された岩が斜面の下に移動して形成されていきます。

何万年もかけて形成される岩の斜面です。

南アルプスでは、
地殻変動による山体隆起現象が起きていますので、
岩塊が生産されやすい環境のようです。

その岩の隙間に
植生ができています。

こんな風景です。
天然の盆栽みたい。
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写真だと砂利に生えた小さな植物に見えますが、
一つ一つの岩は大きく、
上の写真の一部を拡大すると
こんな感じです。

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シラビソ、オオシラビソ、ハイマツ、コメツガ、ダケカンバなどと
いろいろな苔が混ざって島状に散在しています。




岩塊斜面の岩はすべて接触変成岩(ホルンフェルス)です。

岩には
さまざまな紋様があります。
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これらの岩と植物が合わさって
とても綺麗な光景を作り出しています。
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新緑が美しいです。
木々が踊っているかのようです。
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オコジョもいるのですが、
写真に撮れません。
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美しい岩塊を鑑賞しながら歩いていると
突然
甲斐駒ケ岳の摩利支天が登場します。
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そして仙水峠に到着。
甲斐駒ケ岳の全景を見ることが出来ます。

左側が山頂、右側が摩利支天です。
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この山に来るときは
いつも快晴。
今年も梅雨の間の晴れ間です。


振り返ると
仙丈ケ岳が綺麗に見えます。
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仙丈ケ岳の大雪崩の跡が見えます。
広範囲に大きな樹木がなぎ倒されています。
今年は相当な積雪量だったようです。

1992年5月の白馬での大規模雪崩の現場も見てきましたが
この時は標高2600mから1500mまで雪崩
木がすべてなぎ倒され、
雪崩の凄さを感じました。
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この仙水峠からは
一気に高度を上げていきます。

駒津峰までの道は、
急ですが、
新緑がとても綺麗です。

一人で登っているので
自分のペースですぐに休みます。

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登っている最中も右手にチラチラと甲斐駒ケ岳が見えています。
この山の摩利支天は
迫力があります。

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さて
甲斐駒ケ岳が真正面に見える駒津峰に到着です。
ここですでに標高2752m。

ここからの道はさらに楽しくなります。
ハイマツに囲まれた岩稜の道になります。


甲斐駒ケ岳を見ながら
軽いアップダウンが続きます。
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あと少しで山頂。
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途中、六方石からは
まっすぐに崖を登っていく直登コースと迂回コースに分かれます。

体力を温存したいので
早く登れる直登コースを迷わず選びます。

この大きな岩をまっすぐ上に上っていきます。
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迂回コースよりも距離が短く、
見晴らし良いのですが、
このコースは、下りは危ないので途中で引き返しはしない方が無難です。

前半はけっこう急ですが、
鎖場や梯子はありません。
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下を見るとこんな感じです。
垂直に見えます。

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眺めは最高で
とても爽やかです。

途中の岩に止まって
景色を堪能します。

鳳凰三山の向こうに富士山が見えます。
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まだまだ上に登っていきます。
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直登コースは
意外と目印が少なめで、
道間違いしたトレース跡がいつくかありました。

景色がいいので
見とれてしまうのかもしれません。
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直登ルートからは迂回ルートを歩く人たちが良く見えます。

5人下山しています。
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とても小さいので、
紫色の丸で囲んでみました。
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上にいくと砂地が増えてきます。
滑らないよう、
ゆっくりと楽しんで歩きます。
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あと少し!
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ゆっくりと
周りを眺めながらの登山です。

上に行くほど
傾斜はゆるやかになり
楽になっていきます。



甲斐駒ケ岳は、
南アルプスの山に多い水成岩ではなく、
火成岩である花崗岩の山なので
ひときわ白さが目立ちます。

正式には
粗粒含角閃石黒雲母花崗岩(甲斐駒型花崗岩)という貴重なものだそうです。

岩のアップです。
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南アルプスでこの白い花崗岩は
甲斐駒ケ岳と鳳凰三山のみです。
あとの山々は
海由来の成分が主体です。


甲斐駒ケ岳に向かう仙水峠から駒津峰、六方石も近くなる辺りまでは
花崗岩ではなく
太古の海に堆積した海泥で形成された泥岩が
出来たばかりの花崗岩の熱によって作られる接触変成岩という地質になっています。

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花崗岩は、
地下深くの溶岩がゆっくりと冷えて固まった岩石です。
均一な構造を持っているため、
本来は固く割れ目が生じにくいのが特徴です。
いろいろなところで建築資材として使われています。

でも
甲斐駒ケ岳のような過酷な環境では
雨、風、雪と日光によってわずかな割れ目が生じ、
岩が風化して、細かい粒子になっていきます。
この砂を真砂(まさ)と呼びます。

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真砂では高山植物がなかなか育ちませんが、
岩陰などの真砂が少ない場所では
しっかりと美しい花が咲いています。
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直登ルートの最後は緩やかな坂を上って

山頂に到着。
標高2967m。


看板を見て
メートルは米と書くんだなーと思い出します。
あと20年も経つと
若い人は読めなくなるのかも。
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全国に「駒ヶ岳」の名のつく山は18座ありますが、
その中の最高峰です。
(富士山火口の突起「駒ヶ岳」を除いて)
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長野県側からくると、
甲斐駒ヶ岳のことを東駒ヶ岳と呼ぶことがあります。
バスの運転手さんも東駒ケ岳と呼んでいました。
木曽駒ヶ岳が西駒ヶ岳です。



山頂からは
南アルプスの女王仙丈ケ岳が良く見えます。

仙丈ケ岳は
大昔
海の底に堆積した砂泥が岩山になったもので
岩質が柔らかいために削られやすく、
丸みのある山の形をしています。
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視線を左側に移すと
日本の山の標高第二位の北岳とその右側に第三位の間ノ岳。

南アルプスは、
日本列島で最も活発に隆起している地域です。
いまだに毎年標高は上がり続けています。
といってもmm単位です。
この100年で40cm隆起したと言われています。

でも
たった数十年のうちに数十㎝の上下変動が起こる地帯に
トンネルを掘ってリニアモーターカーを通そうなどと
どうして考えたのでしょうか?
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さらに左、
南側に目を向けると
大好きな鳳凰三山と富士山が見えます。

鳳凰三山も、
甲斐駒ケ岳と同じ岩です。
稜線歩きは天空の庭を歩いているかのような気持ちになります。
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こちらは
なかなか行けない鋸山。
甲斐駒ケ岳から鋸岳への険しい稜線は、
花崗岩、風化した花崗岩の真砂、堆積岩が変性した接触変成岩、砂岩を主とする堆積岩と変化していきます。
険しく、岩が脆い部分もあり
熟練者のみが行ける山です。
日向山方面から大岩山経由でアプローチするルートもあります。
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八ヶ岳の全景や甲斐駒ケ岳の衛星峰の山々、
下の方に白い天空のビーチのある日向山も見えます。
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遠くには奥秩父山塊や中央アルプス、御嶽山、乗鞍、北アルプスなど

ゆっくりと眺めながら、エネルギー充電。


そして迂回ルートで下山します。
さらさらの砂の道を通ります。

南アルプスは
年間降雨量がとても多い場所なのですが、
今年は雪の量はとても多かったものの
今のところ雨は少ないです。

真砂は、
乾燥していると
より滑りやすくなります。
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今年は迂回ルートに、
まだロープが張られていないので、
道を間違えた人のトレースがいくつか見られました。

間違えたトレースに行ってしまい道を間違えると
アリ地獄のように滑り
なかなか戻りにくくなります。

看板や鉄の杭を目安に下山します。

下に見えるのは、甲斐駒ケ岳の摩利支天です。
標高2820m。
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今回雪があったのは迂回ルートのこの一角だけでした。
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六方石を通ります。
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駒津峰までは楽しいアップダウンの道。
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また岩塊斜面を通ります。
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そして森の中を通り、バス停へ。
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水のせせらぎの音を聞きながら
川沿いの道を歩きます。
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とても爽やかな林道です。
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甲斐駒ケ岳は
とても整備されている人気の山で、
道も安心、人も多いので安心です。

バスの時間だけが残念です。
平日は始発が遅く
最終は早いです。
東京の感覚とは違います。
なので
初心者が空いている平日に日帰りで来るには
ちょっときついスケジュールになります。







基本的に
山では
道も登山計画も歩く速度も天候の下調べも
すべての行動が自己責任です。

今回の
直登ルート上には案内板はなく、
時折出てくる岩に書かれた丸印を頼りに進みます。

丸印は
必要最低限に印されていますので、
目の前とちょっと先と交互に見ながら
登っていく必要があります。


歩く時にどの岩に足を置くのかも
自分の瞬時の判断で決めていきます。


当たり前のことですが
今の都会では当たり前ではなくなっています。




公園に小さな穴があって
子どもが転べば、
自己責任ではなく
道路を管理する行政の責任になってしまうと
区役所の人が言っていました。



現代社会では
特に都会においては
多くの仕事がマニュアル化され
それに盲目的に従うことが良いとされています。

人間味のある自己判断や
現場に即した臨機応変な自己責任を持った行動さえ許されないこともあります。



すべてがデータ管理され
人は何も自己判断しないでもよい仕組みが出来上がっている。
というか、
自己判断できないような仕組みにされています。


山とは真逆です。


こういった管理社会から抜け出したい気持ちが
自然への回帰したい気持ちと合わせて
今の山ブームに繋がっているのかもしれません。


大自然の中で
自分の好きな時に好きな場所へ行く。
すべての行動は自分の判断で行い
自分で責任を持つ。

自然と向き合えば
人は素直になれます。

現代社会にいても忘れてはいけないことだと思います。



大きな山でも
小さな山でも
遠くの山でも
近くの山でも
難しい山でも
簡単な山でも
そんなことは関係なく、
自分が素のままでいられる場所、
自分が崇高な気持ちになれる場所、
自分の心に響く場所にいく。

それが一番大切なこと。


山は
人工的なものがほとんどなく
無垢な自然を体感できるため
心の浄化には適していると思います。



山頂を目指すピークハントだけが山登りではありません。
樹木とお話をしに行ったり
苔を鑑賞しに行ったり、
ハート型の石を探しに行ったり、
・・・
鳥のさえずりを聞きながら
お昼寝しに行ってもいいのです。


私もこのように
よく崖でお昼寝して過ごします。
(だからたまにクマと間違えられます・・)
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私が「君が代」を執筆したのも
そんな現代社会の想念から抜け出した八ヶ岳の権現岳でした。
身体も心も
自然と完全調和する必要があったからです。





伝説の冒険家・植村直己さんの消える一年前に残した最後の言葉です。

「君たちに僕の考えを話そう
僕らが子どもの頃
目に映る世界は新鮮で、すべてが新しかった
やりたい事は何でもできた
ところが年をとってくると疲れてくる
人々はあきらめ、みんな落ち着いてしまう
世界の美しさを見ようとしなくなってしまう
大部分の人は、夢を失っていくんだよ
でも、僕はいつまでも子どもの心を失わずに
この世を生きようと思う
不思議なもの、すべての美しいものを
見るためにも......」




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最後の写真は、植村さんではなく、
私です。
(*´∇`*)


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