お休みの日に富士山に登ってきました。

そして
通り道にある
忍野八海も訪れてきました。


忍野八海は富士山と茅葺屋根が似合います。


忍野八海は、
山梨県忍野村にある湧泉群です。

富士山の雪解け水が地下の溶岩に浸透し、
長い歳月をかけてろ過された後に、
湧水となって八つの泉を形成しています。



大昔にこの地は「忍野湖」と呼ばれる湖がありました。
その湖は現在干上がってしまい、
湧水の出口が池として残ったものが忍野八海です。


さらに昔の古文書では
1200年以上前の富士山の大噴火までは
宇宙湖（宇津湖）と呼ばれる巨大な湖であったという記載も見られます。






次の図が八海の地図です。


富士登山を信仰の場として、
八つの池は、
富士山の入山前の禊のために
身を清める霊場として使われていました。



出口池だけが離れた場所に位置していて、
他の七つの池を北斗七星の象徴、
出口池は北極星の象徴ともされています。

でも、
出口池だけは
他の七つの池とは遠いために
現在は多くの人が訪れない池になっています。


八つの池を「海」と称するのも、「霊場」と称するのも
池としてはあまりに尊いものであるという畏敬の念からです。


すべての池に石碑が立てられており、
歌が刻まれています。
各時代で愛され続けていることがわかります。


観光客が集う大きな池は
八海の地図にはありません。

実は
この地区は湧水が豊富なため、
観光客向けに
人工の池も多く作られているのです。



次の写真は、
忍野八海の中心に位置する「中池」で最も深い推進8mのところですが、
実はここは
元テニスコート。

観光客向けに池として造成したものです。
多くの人が八海の一つとして
勘違いしています。

というよりも
忍野八海の中心の池と思っている人がほとんどです。

山中湖が別荘ブームになったころに
忍野村も古くからの伝統を削って
便上して開発が進んでしまったようです。


この中池の中心の湧水孔からも清らかな水が出ています。



そのすぐ近くには、
八海の一つであり、出口池を除く七海の中心でもある湧池（わくいけ）があります。
湧池は
八海で最大の湧水量です。

この池は
珪藻土層で形成された水中洞窟を隠し持っていて、
池の底から最奥部まで約55mあります。

NASAが宇宙で雪を作る実験をするときには、
この涌池の水が選ばれたそうです。



でも
そのすぐ近くにある観光用の「水車小屋」の水車を回すために
湧池内部より水が汲み上げられていて
その影響で
湧池の湧水量は激減してしまっています。



各所に魚たちが放流されています。




カモちゃんもいます。





水が透明なので、そらを飛んでいるかのように
写ります。



水車小屋を通って
八海の中で唯一個人所有の土地にある底抜池（そこなしいけ）にも行きました。



ちょっと大きな屋敷の中を拝見。


三階までいくとなんだか宇宙船の中のようです。






ここが底抜池（そこなしいけ）

この池と出口池が最も昔のエネルギーを残しているのではないでしょうか。



かつての自然景勝地ではなく観光地になってしまっていましたが
やはりとても綺麗な水が流れる美しい地でした。





おまけに
途中で立ち寄った公園。




富士山。

この山は、裾野も広く、
年間降水量は２０億トンを超えています。

でも、
この山の表層には川は一つも存在していません。

富士山は
多孔質の岩石で形成されており、
融けた雪や降り注いだ雨水は、
富士山の山体の内部へと速やかに浸透していきます。


そして富士山麓では、
その水がたくさんの湧水となって
湧き出ています。


富士山信仰を支える最も重要な役割を果たしているのが
この湧水です。


富士山は、
しばしば大きな噴火を起こしてきました。
その噴火を鎮めるために、
水の神として木花咲耶姫を祀ることになりました。

神の五つの性質の一つである水の元素の役割を持ちます。

解釈によって
木花咲耶姫が火の神とされるのは、
神の性質が五つに分かれる前には、
火と水は一つのエネルギーに由来していることも影響しているのでしょう。


これは
短い言葉で説明することは
とても困難な領域です。


ともあれ
木花咲耶姫のエネルギーは
物質世界に降りてくる段階で
水の元素の性質を帯びています。





この富士山の山体に蓄えられた膨大な水も
豊富に湧き続ける湧水も
すべてが神様からの貴重な贈り物。


忍野八海は
水の大切さを改めて認識させてくれる場でもあります。




こちらも
ひかたま：五大元素：火の元素との交流について
ひかたま：水の元素



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