台湾政府が
ニホンウナギを
最新の絶滅危惧種リストで最も絶滅の危険度が高い種」に指定することが決まりました。


すでに
日本や国際自然保護連合 (IUCN) では
ニホンウナギは
「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定されています。

でも
台湾の指定では、より絶滅する危険度が高いものに指定されます。


Anguilla_japonicaWikipedia


台湾では稚魚であるシラスウナギの輸出を禁止するなど対策を進めています。

それでも、
日本に違法輸出されるウナギは多く、
状況の深刻さは増しています。



ウナギがよく獲れていたフィリピンでも
漁獲量が減り、
2012年より正式に輸出禁止になりましたが、


なぜか
日本の貿易統計を見てみると
2013年には
日本はフィリピンから
シラスウナギを2トン以上輸入しています。

お互いに違法を知ってのことでしょうか。

こんなことを行っていたら
本当にウナギがいなくなってしまいます。


養鰻業者が養殖するために購入する海外産の稚魚は、
密漁で捕られた稚魚である可能性が高いようです。

さらに別の調査では
国内で養殖用に捕獲された稚魚の約半数は、
密漁によるものだとする報告もあります。



今の日本のウナギの蒲焼ブームは
密漁で成り立っていることになります。

そもそも絶滅危惧種であるにもかかわらず
あれだけ大量に、安価で提供できるのはおかしいと思ったほうがよいかもしれません。


スーパーで売られる国産ウナギがお店よりも安いのは
ウナギの需要が少ない秋に水揚げして加工したものを
次の年のために冷凍して
それを解凍していることが多いためのようです。





昔は
どこの川にもいたニホンウナギですが、
今は
激減して
絶滅危惧種になってしまいました。


今、
私たちが食べているウナギの9割以上が
養殖ものになっています。

その養殖ものも
卵から育てるのは困難なため
シラスウナギを大量に捕獲するのです。

でも
乱獲によって
シラスウナギもとれなくなってきました。
そして価格が高騰したために、
かえって先ほど書いたように密漁や違法取引が横行するようになっています。



かつては
日本の河川にヨーロッパウナギも
大量に放流されていました。

1996-1998年に行われた新潟県魚野川での調査では、
「国産天然ウナギ」の約90%が
ヨーロッパウナギだったという調査結果も出ています。


土用は、
各季節の節目である
立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間を指します。


相変わらず
土用の丑の日には
各メディアがウナギを食べるように煽るので
ウナギを買い求める客が多いようです。

今年も例をあげると
忙しい夏、ウナギで乗り切る…土用の丑の日(読売
土用の丑の日、手ごろに・ヘルシーに 百貨店、女性狙う(朝日
ウナギの老舗、にぎわう丑の日 価格はやや手ごろに(朝日
ウナギ、今年はややお手頃に 「土用の丑の日」2回到来、大阪の百貨店など商戦活況(産経


しかも
今年2017年の夏の土用の丑の日は
7月25日と8月6日の二回もあります。

あまりウナギが絶滅を危惧されていることは記されていないようです。



そして、
いまや
立夏の土用の丑の日だけでなく、

年四回
春夏秋冬の土用の丑の日に
ウナギを食べ続けるキャンペーンを行うほど
食に貪欲となっている日本。


それは
未来の世代には、
ウナギを食べさせないということを意味しています。




古典落語「しわい屋(関西では、始末の極意という題名)」には、
ウナギの蒲焼きを焼く匂いをおかずにご飯を食べるというケチな男が登場します。
ウナギ屋さんはウナギを焼くときに団扇でパタパタと仰ぎます。
そこから流れてくる蒲焼きの匂いをおかずにして飯を食べていた男の元へ
うなぎ屋が、月末に「匂いは客寄せに使うもんだから、代金を支払え」と言って家に乗り込んできます。
男ははいはいと財布を出して、
金を渡さずにウナギ屋の店主の目の前でお金を落として音を鳴らします。
「匂い代だけだから、代金の音だけでよかろう」。




ウナ重の美味しさの多くは、
各店の秘伝のタレにあるような気もします。
タレだけでもウナ重気分になれるのではないでしょうか?


ウナギ思いのウナギ屋さんの中には
「土用の丑の日は休業します」
というお店も出ていて
インターネットでも賞賛されています。

私たちが
少しでも自粛しないと
未来はタレだけのウナ重が本当になってしまうかもしれません。



こちらも
ひかたま:土用のウナギ



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