ユリ。

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とてもきれいです。
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美しいユリの花
特に、
真っ白なカサブランカなどは
人に贈る花束でも定番になっています。


でも、
ユリの花束は
猫を飼っている人に絶対にあげてはいけません。

特に、
猫。

猫には猛毒として知られています。


猫は
ほんの少量のユリを口にしても
腎臓の尿細管の上皮細胞が急激に壊死を起こして、
急性腎不全となり
死に至ることがあります。



ユリの花は全草が毒です。
ほんの一部、
花びら、葉、茎などの一部だけでなく、
花粉でさえ
猫にとっては個体差はありますが、
基本的に猛毒です。

ユリを入れていた花瓶の水も毒性があります。

ユリの葉っぱ一枚を口にしただけでも
重症となってしまうのです。


もし急性腎不全を発症してしまった場合には
助かったとしても
一生涯腎臓の壊死してしまった細胞は回復することなく
慢性腎不全のまま生きていくしかないのです。





猫はどこにでも飛び乗ります。

テーブルや棚の上にユリの花をおいても、
花に触れたり、
花束の近くに落ちている花粉を踏んだり、
猫は手を舐め、毛づくろいしますので、
それだけで十分腎臓の尿細管上皮細胞に損傷を与えてしまいます。


だから
猫が直接ユリを口にしなくても
室内にユリの花を飾れば、
腎臓にダメージを起こしている可能性があります。





猫がユリを摂取してから
症状がみられるまでは個体差がありますが、
摂取直後から3時間ほどで
食欲不振、嘔吐、流涎、元気がなくなるなどの症状が出始めます。

嘔吐は、
摂取後4~6時間ほどで一旦治まることがありますが、
治ったわけではないので様子を見てはいけません。
注意が必要です。

嘔吐の再発は、
30~72時間後にやってきます。

個体によっては
運動失調や、顔や肉球の浮腫、痙攣などを起こす猫がいることも報告されています。


最も重篤な症状である急性腎不全は
摂取後24~96時間で発症します。

血液検査と尿検査で明確な異常が出てきます。


猫がユリを食べてしまったら
速やかな治療が必要です。


摂取後2時間以内の場合には
催吐処置や活性炭の投与、
そして
点滴治療が必要になります。


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猫を飼っている家庭では
ユリの花は持ち込まないのが原則です。


もし
ユリの花が入っている花束をもらっても
猫のいる家庭には持ち帰らないでください。

中毒症状が出ていない程度の微量の暴露であっても
腎臓にはダメージがあるかもしれないからです。


猫を飼っている人でも意外と知らない人も多く、
ユリの花を飾っている人もいますが、
知らず知らずのうちに猫を腎不全へと導いてしまうかもしれません。


また、
猫を飼っていない人でも
猫を飼っている人へお見舞いやお祝いなどで花束を贈るときには
絶対にユリの花を入れないように気配りをしましょう。






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