最近長生きしてくれる猫たちが増えてきました。

とても喜ばしいこと。
2006ボケ

高齢の猫ちゃんたちは、
いろいろな行動上の変化が出てきます。

夜中に大きな声でなくようになったり、
徘徊したり、
トイレ以外の場所で排泄するようになったり、


こうした行動の変化は
加齢による活力の低下のほかにも

認知機能不全症候群や
甲状腺機能亢進症
慢性腎不全、
骨関節炎、
脳腫瘍
視覚と聴覚の低下
高血圧
感染症(FIV、FeLV、FIP、トキソプラズマなど)
などをはじめとするさまざまな疾患が影響している場合があります。


たとえば、
猫の関節炎の研究では
11歳以上の猫のおよそ90%に関節の問題があることが判明しています。
関節の問題は、痛みを伴うのですが、
猫は痛いとは訴えずに、
動けないとか短気になる、大きな声をあげることがある、食欲が低下する、グルーミングが減るなど、
行動が変化します。


高齢猫の行動がおかしいと感じたら
よりよい生活を送るために
これらの疾患が関与しているかどうかを見つけることは大切です。




今回は
認知機能不全症候群について簡単に説明しておきます。

認知機能不全症候群は、
加齢に伴って、脳神経系の劣化が進んで
認知機能の低下がみられる神経変性性の病気です。

犬も猫も長寿になって注目されてきた病気の一つです。

この病気は、
11~14歳の猫の28%
15歳以上の猫の50%以上で見られると報告されています。


猫の認知機能不全症候群の主な症状には

睡眠パターンの変化
外部からの刺激への反応低下
(意味もなく)鳴くようになる
活動性の低下や徘徊
不安の増大
空間識失調
トイレの場所を忘れる
食事したことを忘れて催促する
人や同居猫などへの接し方が変化する
など。


まずは
問診、身体検査、血液検査や尿検査、X線検査などで
ほかの病気がないかどうか調べます。

通常は
甲状腺機能亢進症や骨関節炎などが併発していることが多いです。


治療法には、
栄養面や環境面を整えることから始めます。
栄養面で一番定番なのは、オメガ脂肪酸のサプリメントです。
ただし、
よくネットで見かける抗酸化サプリは、
そこにαリポ酸が含まれている場合、
猫に中毒性があるために注意が必要です。


環境面では、
できるだけ触れたり話しかけたり
一緒に遊んだり、
おもちゃを与える
日当たりのよい環境を作り
静かな環境を作り
風通しを良くするなど、
猫の性格に応じた対応を増やします。

同居の猫がいることも脳によい影響がでることもありますが、
子猫の場合にはしつこくちょっかいを出すことがあるので、
逆効果の場合もあります。



これらの飼育環境の活性化は
神経成長因子によい影響があることが知られています。
また身体を動かすことで
神経系が刺激されることは人で証明されています。



次に自然療法では
ハーブやホメオパシーを使った治療がよく使われます。
高齢猫においては
若い猫と違い劇的な変化はないことが多いのですが、
生活の質を上げるのに適した治療法です。

漢方薬もありますが、
高齢の猫ちゃんに飲ませるのはかなり困難です。


薬物療法もありますが、
猫で認可された薬はなく
人間用の選択的MAO-B阻害薬など
犬の認知機能不全症候群でもある程度効果の見られた薬剤が使われています。

よく使われるセレギリンなどは
人では副作用(幻覚、妄想、錯乱、せん妄、低血糖、胃潰瘍、嘔吐、食欲不振、腹痛、便秘等)や休薬時の悪性症候群(急な減量・中止により、高熱、意識障害、高度の筋硬直、不随意運動、血清CK(CPK)上昇等)なども懸念されているため、
私は猫にも犬にも使ったことはありません。

また
認知機能不全に伴う不安症や食欲不振などには
ジアゼパムのような鎮静薬が有効なことがあります。
基本的に低用量で使用することが多いです。



こちらも
ひかたま:意外と多い高齢猫の骨関節炎の発症の仕組み


今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いします。


人気ブログランキング