冬虫夏草(とうちゅうかそう)

コウモリガ科の蛾の幼虫に寄生するキノコです。

himalayastrafficsuperman-herbs.blogspot.jp



この蛾の幼虫は、
標高3,000m~4,000mのチベット高原やヒマラヤ地方の高山地帯に生息しています。

冬虫夏草は、
地中に住む幼虫に寄生します。

幼虫の養分を利用して菌が成長します。
菌に感染した幼虫は
体内の栄養分をすべて利用され
寄生した菌糸は春暖かくなると成長を始め、夏に地面から生えてきます。
750px-Infection_of_host_insectmicrobewiki.kenyon.edu



cfa73c74cd4ab06a85eb57pinterest.jp




現在は
昆虫に寄生するこのタイプのキノコをすべて冬虫夏草として扱います。

ただ、セミに寄生するものは
金蝉花と呼ばれます。





冬虫夏草は、高値で取引されるために
地元の人は必死になって探し出し
採取します。


最近は
1kg当たり100,000ドル前後で取引されています。

そのため地元の人たちは
地上に出始めたわずか数mm~数cmのうちに見つけて採取します。
熟練した人では、一日で約10gくらい採取できる人もいます。
たった10gでもかなりの金額になります。

高地では他にあまり仕事がないために
冬虫夏草探しは生活の糧になっています。


中国では17世紀から冬虫夏草が生薬としてよく使われるようになり、
18世紀初めには
冬虫夏草の価値は同量の銀と同等な貴重品でした。
その後、
1950年代に中国がチベットを占領した後で
価格が暴落しました。


再び価格が上昇し始めたのは、
1980年代になってからです。

昔はこの冬虫夏草はそれほどの知名度がなく
人気はありませんでしたが、
1990年代になって
中国の選手がこの生薬を愛用して2つの世界記録を樹立してから
大人気となりました。

さらに2003年のSARSの流行によって
さらに需要が増えて
価格が高騰。

1997年から2006年の冬虫夏草の価格の推移をみると
実に500%に高騰しています。



現在では古来からの生薬としての利用よりも
精力増強目的での需要が高まり、
「ヒマラヤのバイアグラ」と呼ばれるようになりました。

生薬としての利用のほかに
高級料理にも使われています。


価格高騰によって、
チベット人たちはさらにこの冬虫夏草を求めて必死に採取していくようになりました。
高地で仕事がなく、冬虫夏草が唯一の現金収入源である地方では、住民の半数以上が冬虫夏草で生計を立てている地区もあります。


現在タール地区や四川省、雲南省、青海省の多くの地区では採集許可が必要となり、
採取する人からは採取料を徴取しています。
地元住民の支払う採取料は、数百円から数千円ですが、
外部からやってくる採集者には、数万円という高額な採取料を設定して
地元民を守っているところや
青海省のように外部の人の採取を完全に禁止しているところもあります。

file-20170531-25664-tgynydhuffingtonpost.com


静かな、そして大きな問題として
収穫量が減ってきていること。

これだけ必死になって採り尽くしているいるので、
貴重な野生の冬虫夏草は減少しているようです。

himatheconversation.com



お金になるので
意図的に種の保存のために取り残すということはないようです。


さらに追い打ちをかけるように気候の変動も
宿主である蛾の繁殖に悪影響を及ぼし
冬虫夏草の存続を脅かす要因の一つになりつつあります。


でも
冬虫夏草の生存にとって
最も怖いのは
やはり
人間です。



今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いします。

人気ブログランキング