生贄(いけにえ)は、
神への供物として生きた動物を供え捧げること。

生贄が人間の場合には、
「人身御供」と呼ばれています。




この絵画は、一人息子イサクを人身御供にしようとするアブラハム。

Abrahamwikipedia



ニュージーランドの社会学者らが実施した
太平洋諸島のオーストロネシア人の93の文明を調査した研究では、
93のうち40の文明において、
人身御供の証拠が確認されています。


オーストロネシア人とは、
台湾先住民、フィリピン諸民族、メラネシア人、ミクロネシア人、ポリネシア人をはじめとして
東南アジア、マダガスカルまで分布しています。
Migraciones_austronesiasWikipedia





注目すべきことは、
人身御供が確認された文明は。

平等中心の社会では、20のうち5つ(25%)、
適度に階層化された社会では46のうち17(37%)、
高度に階層化された社会では27のうち18(67%
でした。


一見、
高度に分化された文明の方が生贄が少ないイメージでしたが、
逆に
人身御供や生贄が支配層に有利に働いていることが浮き彫りとなりました。


研究者らは、
この研究結果を踏まえて
「古代の人々が平等だった集団が、儀式的な人身御供をきっかけとして
次第に現代のような大規模で高度に階層化された社会へと
変化してきたのかもしれない。」
と推測しています。


現在でも
いまだに人身御供は行われています。



そして
動物を使った生贄はまだまだ多い。



世界で最も凄惨なネパールのヒンズー教の「ガディマイ祭り」では、
すうべての生贄の儀式を中止しました。

この時の寺院からの声明は次のようなものでした。

「長い世代に渡り、巡礼者たちは。よりよい生活への希望を持って、
女神ガディマイ神に動物たちを捧げてきました。
命を捧げるたびに、
私たちの心は重くなります。
今、古くからの慣習を変える時が来ました。
殺戮や暴力を、平和的礼拝と祝福へと変える時期が来たのです。」

(ひかたま:生贄中止!世界最大の生贄ネパールのガディマイ祭


日本でも
諏訪大社上社で行われる「御頭祭」においては、
現在は鹿や猪の頭部を剥製にしたものが生贄の代わりとなりました。


今後
さらに生贄が廃止され
それに代わる儀式へと変わっていくことと思います。






新しく作られた船を初めて水に触れさせる儀式のことを
進水式といいます。


進水式では、支綱切断と共に
シャンパンを船体に叩きつける行為が
慣例的に行われています。

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これは、
昔は
シャンパンではなく、人身御供として人間を殺していました。

海上での天候の異変を怖れて、
海神さまに人の命を捧げていた時代がありました。

人身御供となったのは、
主に捕虜や奴隷たちでした。


時代が変わると、
キリスト教の影響によって
人身御供の代わりに血の色を象徴した赤ワインに変わりました。


その後、
赤ワインから
お祝いのシャンパンへと変わっていきました。


いまでは、
進水式のシャンパンが人身御供の代わりだということも忘れられ、
平和な儀式が当たり前の進水式となっています。




現在世界に残る人身御供も生贄も
進水式のシャンパンのように
平和的儀式へと変わることを願っています。





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