いまだに
オオカミは怖いとか
クマは怖いとか
サメは怖いとか
人は自分よりも強い生き物を
理由なく怖れてしまいます。

サメは獰猛と勘違いされていますが、
サメが人を咬む件数とは比べ物にならないくらい
人がサメを殺しています。

オオカミは山にいると怖いという
人間の勝手な妄想によって
日本ではすべて射殺し、
絶滅させてしまいました。



wolf_03AcidCow.com

オーストリアの獣医大学で
オオカミと犬の協調性が生まれつきのものかを確認するため、
行動実験を行なっています。

この行動実験では
2匹が協調して行動することで
エサが与えられる仕組みを利用しています。


その結果
犬では、472回中、成功したのは2回
オオカミでは、416回中、成功したのは100回
でした。

オオカミの知能と協調性
チンパンジーと同じとても高い水準だったのです。


犬は、人と一緒に生活をし
オオカミは、森の中で人と離れて生活をしています。

人に懐いているかどうかだけで
凶暴と見なすのは
大きな間違いです。


以前
このブログでノリウェイで射殺され続けているオオカミについて書きました。

ひかたま:激減したノルウェイのオオカミの運命



ノルウェイでは、オオカミは、法的に守られていません。
現在署名運動による嘆願書が提出されています。
以前はノルウェイには1,000頭ほどのオオカミがいましたが、
現在は28~32頭しか残っていないと推測されています。
ノルウェイでは、オオカミはヘリや雪上車まで使って射殺するので、オオカミたちは逃げ通すことができません。

ノルウェイでの調査では、80%の国民が自分の国にオオカミがいることを好ましくおもっているにもかかわらず、
殺処分できる法的体制になったままなのです。


オオカミ保護のスウェーデンと殺処分容認派のノルウェーは、
スカンジナビア半島に生息するオオカミに関して意見が真っ向から対立し、
外交問題にまで発展しました。



 オオカミは、
よほどの事態でない限り、
人には危害を加えることは無いと言われています。
それどころか、
知性があり、
思慮深い動物なのです。

ただ怖いという先入観だけで
射殺する人間の方が
よほど凶暴です。




現在ノルウェイでは
WWFノルウェイ支部が
オオカミ射殺の法律の差し止めの裁判費用をこちらで募っているようですが
まだ関心は低いようです。

ookamigofundme.com



ただ怖いだけで射殺していたら
日本のように絶滅させてしまいます。

オオカミがいなくなった森では
生態系が崩れます。
鹿はオオカミがいる場合には
自ら繁殖コントロールをします。

でもオオカミがいなくなると
鹿の繁殖自粛はなくなるそうです。

オオカミの射殺は
やがては
増えすぎた鹿などの動物たちの「大量殺処分」へと繋がってしまうのです。


最後に
過去記事から
もう一度
オオカミ王ロボの話を書いておきます。

 シートンが自分自身の体験を書いた動物記
「狼王ロボ」
の話があります。


この本が出版された当時の米国では、
オオカミは害獣として駆除の対象でした。

シートン自身もオオカミの殺処分に何度も立ち会い、
この物語が生まれました。

シートンは、
自分がアメリカ先住民族の生まれ変わりであると強く信じていたので、
人間のオオカミに対する理不尽な殺処分は
苦痛であったにちがいありません。


おおまかな話は、

米国カランポー地方では、
オオカミによる家畜や猟犬の被害が多く、
それは現地の人々から
「魔物」
として恐れられている狼王ロボによるものとされていました。

ハンターに頼んだものの
ロボの殺処分にことごとく失敗して、
牧場を経営する友人は、
動物学者であるシートンに助けを依頼することから始まります。

ロボはとても知性があり、
人の作るどんな巧妙な罠にも絶対にかかりません。

そこでシートンは、
ロボを直接捕えるのをあきらめて、
ロボがとても大切にしている雌のオオカミ「ブランカ」を捕まえ、
殺してしまいます。

800px-Lobo_(The_King_of_Currumpaw)Wikipedia/ロボとブランカ

「ブランカ」を殺されたロボは、
冷静さを失い、
シートンが仕掛けた新型の罠に捕えられてしまいます。

ブランカを殺され、
鎖に拘束されたロボは
すっかり意気消沈し、

食べ物や水を拒否して餓死します。

理不尽な人間の横暴さに決して屈しないロボの最期の姿を見たシートンは、
ロボの気高さに敬服すると同時に、
誇り高い狼王に対するシートン自身の卑劣な行為を恥じたのでした。


こちらは実際に捕えられたロボの写真
Lobo_After_His_Capture-scロボの最後/pineapplefish56.net

これはシートン博物館に展示されているロボの毛皮です。


LOBO_Seton_Museum-359x545Seton Memorial Library and Museum

このロボの話は、
そのまま現代の私たちの状況を的確に示しています。

とても気高いオオカミに対して、
一方的に理不尽な殺戮を繰り返す人間

そして、
オオカミが絶滅寸前に追い込まれてから、
ようやく自分たちの非を恥じる人間の行為。

もう
このような悲劇を繰り返してはなりません。





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