人に飼育されたサルの腸内細菌は、
多様性が減少していき
現代人と似てしまう。


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人に飼育された野生猿の腸内細菌が変化してしまう
ことを確認した論文があります。

 "Captivity humanizes the primate microbiome" 

Jonathan B. Clayton, et.al.

「捕獲によって人間化される野生猿のマイクロバイオーム」

captivpnas.org


今回指標とした猿は、
上の写真のドゥクラングール (Pygathrix nemaeus)

下の写真のマントホエザル (Alouatta palliata)

いずれも
野生に生息している個体と
アメリカ合衆国の動物園で生息している個体
の両方を調べています。
Alouatta_palliata_4_CRcommons.wikimedia.org



下の図は各種動物の腸内細菌叢の多様性を調べた結果
青い部分は、野生の猿
紫色は、野生生まれで保護区に生活
緑色は、保護区に生活
茶色は、完全に人工的な飼育

オレンジ色は、西洋人以外の人
赤色は、米国人。

Doucは、ドゥクラングール
Howlerは、マントホエザル

mediumpnas.org


結果は、
腸内細菌の多様性が、
飼育個体の方で著しく減少していました。

それは
ドゥクラングール、マントホエザル、人の3種共に
似ていく傾向がありました。


サルたちは、
人に飼育されると、
人の腸内で多く生息している「プレボテラ属」と「バクテロイデス属 」が腸内細菌叢の主体になってしまうようでした。



人でも動物でも
小腸や大腸に生息する数多くの腸内細菌は、
精神と体にとても大きな影響を与えます。


それが
少しずつ科学的にも理解されてきました。


このような研究の結果からは
人が都会に住むことによって
腸内細菌叢の多様性が失われていき
それが心身に悪影響を及ぼす可能性も示唆されます。



この結果は、
野生個体と飼育個体での食物や飼育環境の違いに由来しているようです。
生息地と飼育環境の違いを見てみると
植物食が、
腸内細菌の多様性と関係している可能性が強く示唆されています。

腸内環境をよりよく保つにはやはり
植物食を多く摂取する方がよいという結果でした。



人も
食べ物と環境をちゃんと整えれば
腸内環境をよりよく復活されることが可能なのだと思います。




現在
「One Health」という考え方が一般的になってきました。
これは
いままでは完全に分離していた人と動物たちの健康や環境の健全性を
総合的に捉えて
人と動物、植物、環境にとって最高の健康状態を達成することを目的とした概念です。

これについては
また今度。


こちらも
ひかたま:マイクロバイオーム:大切な細菌たち


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