ツルの恩返し
という物語があります。

人以外の動物でも
恩返しがあるだろうと予測はつくものの
最近まで
動物の恩返しは
"科学的には"証明されていませんでした。


最近になって
ドブネズミを使った実験で
ネズミが恩返しをすることが証明されました。

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実験では
互いが見えるよう透明な板で仕切られた2つの部屋に、
ドブネズミを各1匹ずつ置きました(図上段)。

片方の部屋にはレバーが付いており、
レバーを引っ張るともう片方の部屋に餌が出てくる仕組みとなっています。


2日かけてレバーを引くと餌が出る事を学習させた後、
次は
部屋を3つに分けて(図下段)
レバーを引くネズミを左右の部屋に各1匹ずつ配置し、
真ん中の部屋のネズミが左右両方のネズミたちから餌をもらえる仕組みにします。

片方はネズミの好きなバナナ、

もう片方にはネズミの嫌いなニンジン
を設置しました。


次に、
餌を与える側と貰う側の部屋を逆転させます。


餌を貰っていたネズミには2つのレバーがあり、
それぞれのネズミたちにシリアルフレークを与える事が出来る仕組みです。


実験の結果、
20個体中18個体は、
好物のバナナを与えてくれた個体に対して
シリアルフレークのお返しをしました。


ネズミたちも
優しくしてくれた同胞には
優しくなれるものです。



四摂事(ししょうじ)という言葉があります。

菩薩が人々を導くときの方法を
4種に分類した
四摂事(ししょうじ)の一つです。
四摂法とも呼ばれます。

布施 :真理を説き、財物を与えること
愛語:優しくいたわりのある言葉をかけること
利行:人々に利益を与えること。人々のためになる行いを行うこと
同事:人々に協力すること。人々と同じ姿で同じ目線で同じ仕事をしながら人々に道を示していくこと

動物でも
優しさを優しさで返すことができる。

それなら
人は
優しさを優しさで返すだけでなく
憎しみも優しさで返したら
世界はどうなるでしょうか?

優しさを優しさで返すことは楽にできます。
憎しみに憎しみで返すことも楽にできます。

でも
憎しみに優しさで返すことは
ものすごく難しいこと。

その難しいことを
個人レベルから一つ一つ乗り超えていった先に
はじめて
世界の平和が実現していくのではないでしょうか。



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森井 啓二
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2017-12-18