前回
日本人女性は卵の摂取量の増加と死亡率の上昇が一致している論文をご紹介しました。

ひかたま:卵と日本人女性の死亡率の関係

似たような研究は
牛乳と死亡率でも実施されています。

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この研究結果では
牛乳の摂取量が多い人は、
死亡リスクが増大する

という結果になっています。

ただし、
これは単に相関関係を示した研究であり、
直接の因果関係があるのかどうかは不明のままです。


この研究結果を発表した研究者らは
業界に配慮して
たまたま偶然の結果かもしれないとコメントしています。


論文:
「Milk intake and risk of mortality and fractures in women and men: cohort studies」 (2014)

milkbmj.com


「Milk and mortality」(2014)
milk2bmj.com


いままでは
牛乳にカルシウムが多く含まれていることから
骨折や骨粗鬆症の予防に牛乳を飲みましょうと推奨されてきました。

でも
牛乳の摂取率の高い国での骨粗鬆症や骨折が多いことから
牛乳の効能が疑問視されるようになり

さらに
動物実験において
酸化ストレスや慢性炎症を増大させる因子になっている可能性を示唆する研究報告が複数出されています。


上記の研究では、
スウェーデンの45,339人の男性(年齢45~79歳)と、61,433人の女性(39~74歳)を対象にして
牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳製品を含む96種類の食品の摂取頻度を調査しています。
加えて、
ライフスタイル、身長、体重、教育レベル、配偶者の有無などの要因も集計し、
乳製品摂取と死亡率と骨折の頻度との相関関係を調査しています。
男性群は、平均11年間追跡調査し
女性群は、平均20年間追跡調査しています。



調査期間中、
男性群では、10,122人が死亡、5,066人が骨折、そのうち1,166人が股関節を骨折していました。
女性群はは、15,541人が死亡、17,252人が骨折、そのうち4,259人が股関節を骨折していました。


その結果は
牛乳との相関関係は、
牛乳を毎日
平均60ml飲んでいる人より、
平均680ml飲んでいる人の方が死亡率が増大していました。


また、
牛乳のいくら飲んでも、骨折の割合は減少していませんでした。

さらに
乳製品の摂取量と酸化ストレスや炎症のバイオマーカーは正の相関を示していました。



この研究は
牛乳と相関関係を示したものであり、
相関関係があっても、
この研究だけでは必ずしも牛乳が有害であるとは言えません。


あくまで統計学的な研究結果と言っておきます。

でも
赤ちゃんではないのに
お乳を飲む哺乳動物は
人間だけです。




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