どんな解剖図でも
動脈は赤
静脈は青
で描かれています。

camp_illustrate_campbellillustration.wordpress.com


一般的な認識でも
静脈は青です。

床屋さんのマークでも青。

20110627asahi.com



でも
どうして
青色なんだろう。


手術で大きな静脈を切除するときは
静脈壁は白っぽい。

犬や猫の静脈は
外から見ても
人のように青くは見えません。

白く薄い静脈壁の中に
やや黒ずんだ赤い静脈血が入った色そのままに見えます。




人の方では
やや青く見えるようです。

これには
錯視が関係しているとのこと。



外側から見た静脈の色についての研究を発表したのは
医学部ではなく文学部心理学の教授でした。

立命館大学のプレスリリースに
次のような記事が載りました。


「文学部 北岡明佳教授が“
人間の静脈は実は灰色で、錯視によって青色に見えている”
ことを発見!」
立命館大学

この報告によると
人間の青く見える静脈は実は灰色で、
錯視によって青色に見えているそうです。

以下プレスリリースから引用です。


人間の視覚には、物理的には同じ色が周囲の色との対比によって、異なる色に錯覚して見えるという現象があります。
今回、錯視研究の第一人者である北岡教授は、灰色と肌色が混在した絵をインターネットで見ている際に、灰色が青色に見えることに気付き、「人間の静脈も同じ原理で青色に見えているのでは」と検証を行いました。
腕や脚を写真で撮影して画像処理ソフトで検証したところ、R(赤)G(緑)B(青)の数値は、黄色がかった灰色の値を示しました。結果、人間の静脈は、周囲の肌の色と、静脈の部分の灰色の色の対比により、目の錯覚や脳での信号の処理が複合的に生じ、青色と認識してしまうことが分かりました。

 静脈は灰色だと分かったことにより、画像のモノクロ(単色)処理を加えると、灰色の静脈だけをくっきりと浮かびあがらせることができ、静脈注射の際の補助や練習用教材などでの活用が期待されます。

 北岡教授は、「理科の教科書や医学書でも静脈は青色で示されており、小さい頃から当たり前だと思っていたことなので、驚きました。青筋をたてて怒るは、正確には灰筋を立てて怒るになりますね」と話します。

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要するに
肌色の中に灰色があると
青く見えるのは
錯視だそうです。



青は緑色にも使うのでややこしいですね。
信号の緑も
日本では青。


青菜と青葉、隣の芝生は青いとか・・
これはすべて実際は緑色です。



平安時代より前の日本語の古来の色名では
「赤、青、黒、白」の4色が基本のようです。

そして
この「青」には現在の「青」と「緑」の両方を意味していたようです。


英語圏でも
日本の鎌倉時代くらいまでは
青と緑を一緒に示す「hœwen」という語が使われていたようです。
青と緑がわかれて表現されるのは
その後のこととする研究論文が発表されています。





信号の青は
日本初の信号機が設置されたのは日比谷の交差点。
当時の1930年の交通に関する法令には、
「緑信号」と記載されています。
最初は、緑だったのです。

でも、
日本初の信号機として新聞に紹介された時に
なぜか「青」と書かれていたために
信号の緑色は、青として広まったのでした。


マスコミの影響力は強いですね。
それは今でも同じこと。


国民を
愚鈍にすることも、創造力を引き出すことも
偏見の目を拡げるのも、公正に見るのも
物事を隠すのも 物事に光をあてるのも
テレビや新聞、ネット情報が大きく影響します。



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