以前遺伝子編集について書きました。

ひかたま:遺伝子編集

現在
遺伝子組み換えだけではなく
遺伝子編集技術がどんどん進んでいます。

9-26-2008_IDG-Blogkinetixhr.com


遺伝子編集は、
遺伝子DNAの配列の並び替えなどの操作を行って
「編集」してしまう技術です。


現在
植物だけではなく
動物や人の遺伝子の編集についても世界中で研究が進められています。


すでに
中国では人間の遺伝子編集に積極的であり、
がん患者の治療などに応用されています。


米国も
人間の遺伝子編集の研究に対して、
米国連邦生物安全倫理委員会が認可しています。

日本と米国の共同研究でも
生きたマウスの脳の一部など組織や器官の目的部位のみの遺伝子を操作したり、
全身の組織・器官の細胞を改変できることが実験で示されています。


世界反ドーピング機関では
「遺伝子編集による遺伝子ドーピング」
2018年1月1日から
ドーピング禁止リストに加えることが決定しています。

遺伝子編集によって
筋力増強など運動能力の向上など
人体を作り変えることにも活用できるからです。


倫理観さえ持たなければ
スポーツや戦争など人が争う分野には
次々と応用されてしまう怖れもあります。



今年
遺伝子編集技術を
幅広い方面に利用することを求めている活動家ヨシヤ・ゼイナー氏(36)が
自らの自らの体を使って
遺伝子編集実験を行い始めました。


gardtheguardian.com


彼は元NASAの生化学研究員です。

ゼイナー氏は
自分の左腕に、
筋肉の成長を抑制するタンパク質である「ミオスタチン」の分泌を抑制するDNAを注入したのです


ミオスタチンの分泌が抑制されると
異常な筋肉質のからだとなってしまいます。




ミオスタチンが抑制された犬は
筋トレなどしなくても
このようになってしまいます。
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牛もこのように
この品種は、
筋肉の過剰な生成を抑える成長因子ミオスタチンの自然変異によって、
筋肉が過剰に発達してしまう牛を継代していったもの。

殺して食べるためだけに
作り出した品種です。

参考:ひかたま:「欲深禍重」筋肉増強牛ベルジアンブルーブル
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この品種では
普通分娩はまず不可能です。

そして出産の最中に
多くの母牛と仔牛たちは死亡します。

うまく生まれてきた仔牛も
生後48時間以内に突然心停止する個体が多くいます。

現在はブタでも作られています。


人でも
ミオスタチンの分泌が抑制できない人たちがいます。
ミオスタチン関連筋肉肥大という病名がつけられています。
世界にはおよそ100人ほど確認されているそうです。




今回ゼイナー氏が自ら注入したDNAや化学物質は、
筋肉量の大幅な増加を伴う変化を引き起こすように設計されているものです。




彼の行動は、
多くの研究者たちから
倫理的な問題として
大きな議論を引き起こしています。

充分に安全性が確立されていない時点による
自己判断での遺伝子編集は、
期待した結果のほかに、
多くの悪影響を及ぼす怖れがあるからです。


さらに多くの研究者たちは
遺伝子編集技術の応用は病気治療に限るべきであるという見解です。




今年ロシアで開催された「Biotechclub-2017」でも
「遺伝子編集技術の未来と許可の境界」というテーマで
討論されました。


科学技術は
人の限りない欲望のために使われるものではありません。

私たちは
科学技術を上回る霊性の発達が必要です。



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