日本人女性の卵の摂取量と死亡率の関係


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European journal of clinical nutrition誌の
オンライン版2017年12月29日号に掲載された論文です。


「日本人女性における卵の摂取と
血清総コレステロールおよび特異的原因と総死亡率との関係の再評価」

fffnature.com

以前の
国が実施した全国調査である1980年循環器疾患基礎調査の長期追跡研究NIPPON DATA80では、
日本人女性の卵の摂取量が
血清総コレステロールと死亡率と関連性があるという報告がありました。


今回の研究では
1990年循環器疾患基礎調査の長期追跡研究NIPPON DATA90を再評価しています。

この研究では
卵の摂取量と年齢調整された総コレステロール値、
原因別およびすべての死亡との関連性を
平均年齢52.8歳、30歳以上の女性4,686人
を15年間追跡しています。

被験者となった女性たちには、
脳卒中や心筋梗塞の既往歴のない人を選んでいます。

被験者たちは、卵の摂取量で5つの群に分けました。
週1個未満:203人
週1~2個:1,462人
2日に1個:1,594人
1日1個:1,387人
1日2個以上:40人

15年間の追跡調査期間中の死は、
心血管疾患死亡183例、がん死亡210例、総死亡数は599例でした。


その結果、
卵の摂取量は総コレステロール値とは関連していない。
卵の摂取量は心血管疾患死亡と関連していない。
卵の摂取量はがん死亡およびすべての死亡に直接関連していた。
週1~2個の卵摂取群のがん死亡は、1日1個群よりも有意に低かった。


この論文では
こう締めくくっています。
Egg intake was associated with cancer and total mortality. Reducing egg intake may have some definitive health benefits in women in Japan, at least.
卵の摂取は、がんや死亡と関連していた。日本人女性にとって卵の摂取量を減らすことは、少なくとも健康上良い可能性があると思われる。




日本人は、卵大好きです。
国民一人あたりの消費量は、
年間330個(2015年度InternationalEggCommission国際鶏卵協議会データ)と
毎年世界一になっています。


世界の卵消費量TOP3のグラフです。
一位日本、二位米国、三位ドイツです。

img-02kewpie-egg.co.jp




卵は
卵焼きなど直接卵を使う料理だけでなく、
パン、ケーキ、マヨネーズ、各種加工品の原料としても
多く使用されているのです。


このデータだけでは
卵が直接関連するのか
卵が多い食生活が関連するのかはわからないので、
今後の追加研究が待たれるところです。





ちなみに
男性の卵摂取量とがんや死亡の関係は認められていないというデータがあります。
男性には卵巣がないから?なのでしょうか・・・?




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森井 啓二
星雲社
2017-12-18