外科手術では
抗生物質を使います。

患者さんの抵抗力が衰えている上に
どんなに無菌的な手術でも
細菌感染の危険性はゼロにはならないからです。

でも
稀ですが、
この抗生物質に怖いアレルギー反応を起こす人がいます。

特に
アナフィラキシーといって、
極めて短時間に全身性アレルギーによるショック症状が出る怖いものがあります。

血圧の急激な低下や意識障害を引き起こし、
適切な対処をしなければ
命に関わるアレルギー反応です。



これが手術中となると
さらに怖いことになります。


統計では
1万件に1例の割合で発生しているようです。


英国の
The Royal College of Anaesthetists (王立麻酔医医科大学)の調査では
手術室に入る患者たちのアナフラキシーの約半分は
抗生物質 によるものであった
ことが判明しました。

今までは、
麻酔薬や筋弛緩薬などが原因とされてきていたのです。

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この研究結果は
事前の注意で多くが未然に防げることを意味しています。


手術前に適切なアレルギー検査を実施すること。
抗生物質は、患者の意識があるうちに注射して、アレルギー反応が起こるか、よく観察すること。
患者のアレルギーに対する既往歴を詳細に確認しておくこと。
麻酔担当医師が、アナフラキシーにいつも注意して、迅速に対処すること。


アナフィラキシーショックは稀なこととはいえ
地震と同様にいつ起こるかは予測できないことも多いため
いつも念頭においておく必要があります。


術中・術後に容態が急変する場合には、
このような可能性もあるのです。




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