宮古馬 (みやこうま)

宮古島原産の日本在来馬で、
沖縄県の天然記念物に指定されている美しい馬です。



日本在来馬とは
古くから日本にいる馬の品種で
洋種馬などの海外の品種と交配することなく
現在まで純血種として日本で残ってきた馬たちです。

頭数はおおよその数

北海道和種(道産子)1800頭
木曽馬 200頭
野間馬 300頭
御崎馬 100頭
対州馬 30頭以下
トカラ馬 110頭
宮古馬  42頭
与那国馬 120頭
です。

すでに
純血種としては絶滅してしまった在来馬には
南部馬・三春駒・三河馬・能登馬・土佐馬・日向馬・薩摩馬・甲斐駒・ウシウマなどがありました。

甲斐駒などは、
南アルプスを代表する山の名前として残されています。



宮古馬は、
宮古島で少なくとも13世紀以前から飼育されていたと言われていて、
本土とは離れた島であったことにより他品種と交配されることがなかったため、
現代まで血統が保たれてきました。


宮古馬は
約110cm~120cmと小さく、
性格は、
穏やかで、扱いも容易で、人によく懐きます。



26815256_15546facebook.com/miyakouma



宮古馬は、
このような性格のため
明仁親王(天皇陛下)の幼少時の乗馬訓練用としても用いられています。


琉球王朝の時代には
王様の公用馬としても使われていました。


また
丈夫で蹄が堅く
粗食や重労働に耐えることから

明治時代になると、
宮古島で始まったサトウキビの栽培において宮古馬が活躍し
島の人々の暮らしを助け、支え続けてくれました。



その後、
サトウキビ栽培は、
馬から耕運機へと移行して
耕運機の普及とともに宮古馬の飼育が激減し、
一時は
数頭しか生き残らずに
絶滅の危機に瀕してしまいました。

この貴重な馬を残そうと
1980年には宮古馬保存会なども結成され
保存活動が始まり
頭数はゆっくりと回復傾向にあります。


ところが昨年から
市では、
約半数近くの宮古馬を
「天然記念物の指定から除外」して、
その分の補助金を削減する方針を決めたそうです。


馬の飼育は
私も大学で経験していますが、
時間もお金も労力も多大な負担がかかります。



現在の頭数でも、
種の保存にはかなり不安定な状況です。

ここで天然記念物から外され、
市からの補助金の削減をされてしまったら
飼育者にとっては死活問題であり、
日本の未来に伝えるべき生きた宝を失うことにもなりかねません。



宮古島に旅行に行った方が
ブログで現状を書いています。
「宮古島旅行で最初に見た宮古馬」

このような現状を見て
日本人が日本の在来種を守らずに
誰が守るというのでしょうか。



現在の日本の政府は、
湯水のように世界各地にお金を撒いています。


そのほんの一部を見るだけでも驚愕の金額です。
アフリカ開発会議では
3兆円規模の支援を約束し、
日比首脳会談では
フィリピンに1兆円規模の経済支援を表明し、
アジアのインフラ投資支援にも
約13兆円を提供することを約束し・・・・・・
英国の原発にさえ、
日本政府は1兆円の資金援助を表明しています。
このほかにも
首相が訪れた国々の資金援助額は膨大になります。
米国だけを見ても、
日本政府が米国に貢いでいるお金の総額を国民が知ったら
驚くはずです。
ひかたま:税金の使い方


そのほんの少しだけでも
日本国内に目を向けて
日本古来の動物たちに向けてくれれば
種の保存と一頭一頭の幸せを取り戻せるのです。


でも、
現実には
予算削減のため、
動物たちを愛する人たちの善意に頼るしかない状況になっています。



いま
しっかりとした保存活動をしないと
あっという間に絶滅してしまいます。



馬だけでなく
犬でも
日本にはたくさんの固有犬種が存在していました。
現在ではその多くが絶滅、もしくは絶滅しつつあります。
ひかたま:「明珠在掌」消えた里桜と日本犬

今の日本には
3596種の絶滅が危惧される生き物たちがいます。

そのうちの
たった175種だけが
保護対象とされているのです。

保護対象とすると、
経済活動に支障がでるために
保護されないという理由です。

目先の利益のために
在来種を絶滅させてしまうことは
もう避けなければなりません。


この国の本当の財産とは何か
本当の豊かさとは何か。

対外的には
「美しい国ニッポン」と言いながらも

何が本当は大切なのかも、
心の中ではわかっていても

全く逆の方向を目指しています。

日本国内の動植物は
私たちの最も大切な財産であるはずです。


未来の世代によりよい環境と生物多様性を
残せるよう
配慮することは
今の世代の義務でもあります。




宮古馬の現状を知って
飼育している方々を支援している方が作ったSNSの
ミャークヌーマ宮古馬の会ページがあります。
今回の記事の写真は、
この会のフェイスブックからお借りしています。

miyafacebook.com/miyakouma/

myaa
myafacebook.com/miyakouma



まずは是非
ミャークヌーマ宮古馬の会のページを見てください。

まだまだ個人レベルの活動は始まったばかり、
多くの人の協力が必要です。

なにかいい解決策はありますでしょうか。



こんな人に忠誠を尽くしながら共存共栄してきた素晴らしい宮古馬たちが
今後
いつまでも宮古島で繁栄し、
島を代表する動物として、平和の象徴であり続けますよう願っています。




こちらも
ひかたま:グレート アバコ島最後の野生馬の死去
ひかたま:絶滅の縁から帰還したモウコノウマ
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