ひかたま(光の魂たち)

動物の自然療法、統合医療を行う、しんでん森の動物病院です。東京の足立区にあります。動物と植物の命の話、統合医療の話をします。 公式HP http://shindenforest.com/

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野生動物 / 動物愛護

土用の丑の日の
うな重は
もう止めましょう

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ニホンウナギの稚魚は
シラスウナギ。

このシラスウナギが深刻な不漁に陥っています。

P1040021thelifeyouandineverknew.blogspot.jp

ウナギは、
野生のウナギの稚魚を捕獲することによって
成り立っています。
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今年の1月には、
養殖に必須の野生のウナギの稚魚「シラスウナギ」の漁獲量が
前年比99%激減という衝撃的な報道がありました。

その後、
漁期の後半には
シラスウナギの漁獲量は少しだけ盛り返したものの
深刻な事態にはかわりありません。


ウナギの稚魚が年々激減しているという事実からは、
このまま
獲り続け、
消費し続けるのであれば、
ニホンウナギの生態系が崩壊することは明らかなのです。





そもそも
以前からウナギの絶滅が騒がれていたにもかかわらず
ウナ重やひつまぶしの消費量はとても多く、
「土用の丑の日にはうなぎ」という企業のアピールも続いていて、
本当に絶滅直前まで
誰も気にしないということでしょうか。


環境省が
「ニホンウナギ生息地保全の考え方」という冊子をインターネット上に公表しています。
dd環境省

こちらからダウンロードのページに行けます。

内水面漁獲量は毎年大幅減少しています。
unagi環境省






以下は以前のブログから。

台湾政府が
ニホンウナギを
最新の絶滅危惧種リストで「最も絶滅の危険度が高い種」に指定することが決まりました。


すでに
日本や国際自然保護連合 (IUCN) では
ニホンウナギは
「絶滅する危険性が高い絶滅危惧種」に指定されています。

でも
台湾の指定では、より絶滅する危険度が高いものに指定されます。


Anguilla_japonicaWikipedia


台湾では稚魚であるシラスウナギの輸出を禁止するなど対策を進めています。

それでも、
日本に違法輸出されるウナギは多く、
状況の深刻さは増しています。



ウナギがよく獲れていたフィリピンでも
漁獲量が減り、
2012年より正式に輸出禁止になりましたが、


なぜか
日本の貿易統計を見てみると
2013年には
日本はフィリピンから
シラスウナギを2トン以上輸入しています。

お互いに違法を知ってのことでしょうか。

こんなことをいつまでも黙認していたら
本当にウナギがいなくなってしまいます。



養鰻業者が養殖するために購入する海外産の稚魚は、
密漁で捕られた稚魚である可能性が高いようです。


さらに別の調査では
国内で養殖用に捕獲された稚魚の約半数は、
密漁によるものだとする報告もあります。



今の日本のウナギの蒲焼ブームは
密漁で成り立っていることになります。


そもそも絶滅危惧種であるにもかかわらず
あれだけ大量に、安価で提供できるのはおかしいと思ったほうがよいかもしれません。


スーパーで売られる国産ウナギがお店よりも安いのは
ウナギの需要が少ない秋に水揚げして加工したものを
次の年のために冷凍して
それを解凍していることが多いためのようです。





昔は
どこの川にもいたニホンウナギですが、
今は
激減して
絶滅危惧種になってしまいました。


今、
私たちが食べているウナギの9割以上が
養殖ものになっています。

その養殖ものも
卵から育てるのは困難なため
シラスウナギを大量に捕獲するのです。

でも
乱獲によって
シラスウナギもとれなくなってきました。
そして価格が高騰したために、
かえって先ほど書いたように密漁や違法取引が横行するようになっています。



かつては
日本の河川にヨーロッパウナギも
大量に放流されていました。

1996-1998年に行われた新潟県魚野川での調査では、
「国産天然ウナギ」の約90%が
ヨーロッパウナギだったという調査結果も出ています。


土用は、
各季節の節目である
立春、立夏、立秋、立冬の前の約18日間を指します。


相変わらず
土用の丑の日には
各メディアがウナギを食べるように煽るので
ウナギを買い求める客が多いようです。

2017年も例をあげると
忙しい夏、ウナギで乗り切る…土用の丑の日(読売
土用の丑の日、手ごろに・ヘルシーに 百貨店、女性狙う(朝日
ウナギの老舗、にぎわう丑の日 価格はやや手ごろに(朝日
ウナギ、今年はややお手頃に 「土用の丑の日」2回到来、大阪の百貨店など商戦活況(産経

あまりウナギが絶滅を危惧されていることは記されていないようです。



そして、
いまや
立夏の土用の丑の日だけでなく、

年四回
春夏秋冬の土用の丑の日に
ウナギを食べ続けるキャンペーンを行うほど
食に異常なまでに貪欲となっている日本。


それはウナギを食べつくして
ウナギを絶滅させる
ことを意味しています。




古典落語「しわい屋(関西では、始末の極意という題名)」には、
ウナギの蒲焼きを焼く匂いをおかずにご飯を食べるというケチな男が登場します。
ウナギ屋さんはウナギを焼くときに団扇でパタパタと仰ぎます。
そこから流れてくる蒲焼きの匂いをおかずにして飯を食べていた男の元へ
うなぎ屋が、月末に「匂いは客寄せに使うもんだから、代金を支払え」と言って家に乗り込んできます。
男ははいはいと財布を出して、
金を渡さずにウナギ屋の店主の目の前でお金を落として音を鳴らします。
「匂い代だけだから、代金の音だけでよかろう」。




ウナ重の美味しさの多くは、
各店の秘伝のタレにあるような気もします。
タレだけでもウナ重気分になれるのではないでしょうか?




ウナギ思いのウナギ屋さんの中には
「土用の丑の日は休業します」
というお店も出ていて
インターネットでも賞賛されています。

私たちが
少しでも自粛しないと
未来はタレだけのウナ重しかない時代が本当に来るかもしれません。

現在、
タレだけの弁当も販売されています。
大豆で作ったお肉の蒲焼でもいいし、

どうしても食べたければ
うな重ではなく、炊き込みご飯にすれば使うウナギは五分の一ですみます。

長野県には
イワナのひつまぶしがあります。
ウナギよりも美味しいです。





こちらも
ひかたま:土用のウナギ
 

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2017-12-18

コメント

コメント一覧

    • 小さな命
    • 2018年07月21日 07:05
    • 5
      ごめんなさい。間違えて4を選択してしまいました。
      改めて、1です。
    • なな
    • 2018年07月21日 08:39
    • 回転寿司とコンビニとスーパーでの取り扱いは中止にしないと本当に絶滅します。
    • K MORII
    • 2018年07月21日 12:55
    • 日本全体でうなぎが絶滅しそうなことを理解しないと、近いうちに消えてしまいます。
    • 織茂麻子
    • 2018年07月23日 15:44
    • 5

      ほんとに記事の通りですね、大事なことなのでフェイスブックでシェアしました。
      数日前の土用の丑の日、スーパー(デパート)閉店前に行ったら、、大量のうなぎ弁当半額、、半額でも売れ残り、、結局大量に捨てたのかな、と思います。
      お客様のため、という意識からであるとおもいますが、地球母さんのためになっている?密猟までしてうなぎ食べたくない、という日本人もおおいと思います。息子とこのブログよんで話し合えること、ありがたいです

    • K MORII
    • 2018年07月24日 07:45
    • ありがとうございます。ウナギをきっかけに日本全国で食の在り方について、もっと真正面から考えてほしいですね。
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