キスペプチン.

キスペプチンは、
生殖腺刺激ホルモンの強力な分泌促進作用をもつ生理活性物質です。

生殖機能や思春期、妊娠期に
特に重要な役割を担っています。

この物質は
自律機能の調節を行う総合中枢である視床下部で作られます。

kissing-couple-1148914pixabay



性ホルモンが出る機序は次のような仕組みがあります。


視床下部から生殖腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)が分泌。
   ↓
分泌されたGnRHにより脳下垂体から生殖腺刺激ホルモンが分泌。
   ↓
生殖腺刺激ホルモンにより生殖腺から性ステロイドホルモンが分泌。

キスペプチンは
血中の性ステロイド濃度情報を
GnRHニューロンに伝える大事な働きを担っています。


その情報によって
視床下部からGnRHホルモンをどのくらいに調節したらいいのかを判断し
身体の性ホルモン濃度をちょうどよく調節しているのです。



キスペプチンは、
妊娠中には1千~1万倍も増加し、
妊娠の維持や胎児の発育にも
大きく関与していることがわかっています。



さらに
今回英国の研究では、
キスペプチンが脳にどのような影響を与えているのかが調査されました。

若い健康な男性29人を対象に、
キスペプチンまたはプラセボ(生理的不活性の物質)のいずれかを注射してから、
さまざまな画像を見てもらい
脳の反応の画像解析を行っています。


その結果、
キスペプチン投与群において

カップルの性的な画像やロマンチックな画像を見た時には
性的興奮や恋愛により活性化する脳領域の、
活性が増大することが判明しました。



kisspep.jci.org


この実験によって、

キスペプチンには、
「性や恋愛ムードに関連する脳領域の活性を高める作用がある」
ことがわかりました。



そのため
このキスペプチンは
不妊症の人の心理的な性機能障害やうつ病の治療に利用できる可能性も出てきました。




キスペプチンには、
他にも
癌の転移抑制効果や膵臓のインスリン産出細胞など
さまざまな部位の働きに関与していて
謎の多い生理活性物質です。


妊娠中の女性は
キスペプチン濃度がとても高いことが知られています。

それは
妊娠中の母体だけでなく
胎児にも有益な影響があるようです。


このキスペプチンに関しては
これから多くの発見があることでしょう。





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森井 啓二
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2017-12-18