国際キログラム原器

世界中の重さを統一してきた物体です。

CGKilogramwikipedia

国際単位系という
国際的に定めた単位系があります。


重さを表すキログラム、
長さを表すメートル、
時間を表す秒、
電流を表すアンペア、
熱力学温度を表すケルビン、
物質量のモル、
光度のカンデラ

この7つは、
国際単位系として定義され
厳密に管理された単位です。

これら単位は
「原器」と呼ばれる単位の基準を
実際に作成して定義していました。


現在では
重さ以外の単位は、物理法則を用いて定義されています。

唯一アナログだったのが
重さの単位でした。

国際キログラム原器が作られたのは
1875年5月20日にメートル条約が締結された直後です。

現在
国際キログラム原器は、
国際度量衡局が所有するフランスのパリ郊外にある建物内に、
厳重に保管されています。

国際キログラム原器の複製は
全部で40個あり、
世界各地に配布されています。

ここで問題が発生しました。

複製は
40年ごとの定期校正のため、
国際キログラム原器と重さを比較するのですが、
1992年の定期校正において
国際キログラム原器が複製と比べて
約50マイクログラム軽くなっていることが判明しました。

(マイクログラムは百万分の一グラム)


軽くなった原因は不明ですが
すべての物質は
すこしだけ触れたり
洗浄したりすれば
表面の原子がわずかに剥がれてしまうのは必然
と言われています。


そのために
2011年の国際度量衡総会において
キログラムの定義を
キログラム原器を廃止して
基礎物理定数に基づいて再定義する
ことを
満場一致で合意したのです。
新定義は
2019年5月20日の世界計量記念日から施行されることになります。


国際キログラム原器も
何億年、何兆年と経てば
原子は剥がれ落ち
どんどん軽くなっていくことが予想されるそうです。



それで思い起こすのは
カルパの話です。


古代インドでは
この一つの宇宙の始まりから終わりまでの期間は、
1カルパという単位で表現されていました。

サンスクリットではkalpaです。


カルパは、
仏教では(こう)と称します。

永劫とか億劫(おっくう)とか
落語の「寿限無」に出てくる「五劫のすり切れ」
など
いまだに日常生活で使うことのある「劫」のことです。


ある1つの宇宙の寿命は、
諸条件によって、
その長さが変化しますので、
三次元的な時間として表現するために
古代インドでは30種類ものカルパの種類が説かれています。


その一つに、
天女の喩えがあります。

幅と奥行き、高さが、
インドの単位で1ヨジャナ(約11.3~14.5km)の岩山があるとします。

その山に
一万年に一回(三年に一回とか百年に一回と説く場合もあります)だけ
天女が降りて来て、
岩山の上を羽衣の袖で一回撫でます。

すると
岩の分子がいくつか擦り減ります。

それを繰り返し、
岩山が地面と同じ高さに磨り減るまで繰り返す時間が
ちょうど1カルパに相当するという話です。




ちなみに
国際キログラム原器では
約120年で50マイクログラムすり減っていますから、
キログラム原器がすり減り消えるまでの時間は
24億年という計算になりますね。

一カルパからすると、
とても短い時間の中で消えてしまうことになります。


釈迦大師は
悟りを開いた時に、
四阿僧祇十万カルパもの期間の自らの輪廻転生を見通したとも伝えられています。
(阿僧祇は、劫よりもさらにはるか膨大な年月です)


この表現は喩えとしても、
普通の人の人生は百年くらいのものですから、
人の一つの生涯は
創造主の大いなる経綸の中において
ほんの一瞬程度のものであり、
量子物理学でいう仮想粒子のようなものですね。

このような大きな視野にたった観点からすると、
経済的な富・名誉・地位・所有物などは
すべて
一瞬の人生ための刹那的なものと見なすことができます。

また、
すべてのものに対する愛、思いやり、奉仕、寛容などの霊的美徳は、
輪廻を超えて持ち越せる魂の財産となる
という大師たちの言葉が理解できます。




今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いします。

人気ブログランキング
君が代から神が代へ 上巻
森井 啓二
星雲社
2017-12-18