声無きに聴き
形無きに視る


儒学者がまとめた「礼経」に関する書物をまとめた総集編であり
五経の一つとして尊重されている
「礼記」(らいき)
に収録されている有名な言葉です。

親孝行のあるべき姿を説いた言葉。


親孝行の心得として
子は、
親が口に出さないことでも理解し
表面的・外見的なことの背後にある見えない心を汲み取ること。



この言葉はさまざまな応用がきき、
あらゆる分野の格言としても通じます。

もちろん
動物にも応用できます。




神と合一し、
光明を得たタミル人聖者ラーマリンガ師は
「人が霊性進化するためには
声なき生き物たちに慈悲の心を示さなければならない」

と述べています。




生き物たちは
人の言葉を話すことは出来ません。

動物の中で最も頭がいいと自称している人間でさえ
他の動物たちの言葉を話すことはできないのです。

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私たちは
生き物すべての
声無きを声を聴いて
姿を現さなくても、思いやること。



これはとても大切なことだと思います。




人は
いままで欲望のままに
地球を破壊して、
生き物たちの生息地を奪い、汚染し、
多くの生物たちを無慈悲に殺戮し、
多くの種を絶滅させてきました。



それは
いまだに続いています。


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今回の日本政府の商業的捕鯨再開の意向を発表したことに関しても
私には
声無きを無視し
形無きを潰す

という行為にしか思えません。


国際捕鯨委員会の脱会表明も
自分のわがままが通らないから感情的になり脱会するという
米国同様に
精神的に幼稚な日本政府の姿勢を
国際社会に示すものとなりました。

都合の悪いときには
「記憶にございません」の連発でボケ老人を演じ、
自分のわがままを聞いてくれないと
協調性を示さない幼稚園児を演じてしまう・・・。




どこの国でも
政治は自国民の幸福と繁栄が目標なのは
当たり前です。

でも、
自国の利益だけを追求する政策は、
他国の人々を犠牲にする時代になりました。


しかも
商業捕鯨は
自国の利益にすらならず
ごく一部の関係者の利益になるだけのもの。




真の平和と幸福、地球環境のためには、
国境をとりはらった広い視野と高い道徳心が必要なのです。

各国が異なる思想や文化でも、
共通の理想理念を持つことが出来るのですから。 




かつては
多くの国が捕鯨国でした。


その後
クジラが絶滅の危機に陥ったことから
その行為を反省し
動物の声を尊重するようになり

多くの国は
捕鯨国から非捕鯨国へと変わっていきました。


これだけ多くの国が
クジラ擁護の立場へと変化していったのには
しっかりとした理由があるはずです。


日本が捕鯨国である理由について
「日本の伝統文化」という主張がありました。

でも
日本の伝統文化には
南極海に出向いてクジラを殺すことなどありませんでした。


日本の文化的な食材とも主張しました。
でも、
平成28年の農林水産省発表の資料によると、
日本の年間食品廃棄物は
167億6千万キログラム

これは
世界全体で援助している食料の量の2倍に相当します。

日本という小国だけで
これだけ
食べずに捨てているのです。

しかもこれには
毎年大量に殺処分されている動物(いわゆるジビエ)たちは
含まれていません。

さらに
現在クジラ肉の需要は減っていて
冷凍庫には大量のクジラ肉が余っている状態という情報もあります。

このような状況で
さらに
多くのクジラを殺戮する理由が見当たりません。


日本人は少子化によって
胃袋の大きさも数も減ってきていますから
廃棄する食料が増えるだけです。




北米先住民の英雄テカムセは
次のような言葉を述べています。
「朝起きたら、太陽の光と命と自分に与えられた力に感謝しなさい。
食べ物に、生活の喜びに感謝しなさい。
感謝する理由が見つからないのであれば、 
あなたの中に落ち度があるはずだ。」 



多くの国が非捕鯨国へと変わり
日本にも捕鯨を止めるよう勧告するのには
日本にも落ち度があるはずです。




捕鯨関連の天下り団体には
多額のお金が入ります。

調査捕鯨という名目だけでも
国から毎年10億円近い金額がもらえます。



「利権」のほかに
捕鯨をかたくなに主張する理由が見当たらないのです。




国際司法裁判所での裁判を巡って
専門家らの見解では
日本の調査捕鯨は学術的価値に極めて乏しく、
殺さなくても調査できる内容を
わざわざ殺して行っていることも示されています。

本音は
調査目的ではなく、
クジラ肉が目的なのでしょうか。


調査捕鯨船の乗組員からは
クジラ肉の違法横流しをしている実態も
内部告発されています。


そんなことのために
貴重な命が次々と奪われている現実。



ある良心ある国会議員さんは
捕鯨に使われている多額の税金を
「南極に掛かるお金を沿岸の漁業振興に財源を振り分けた方がよほど漁業者の方々も助かります」
と述べています。

リンク:農林水産委員会「文化じゃなくて水産庁の利権なの」

本当にその通りだと思います。





捕鯨に関しては
身近にクジラがいない分
ニュースを聞いても
聞き流しになる人がほとんどだと思います。


でも
「形無きに視る」ことの大切さを
知っていただきたいと思います。






こちらも
ひかたま:日本がクジラを殺すために国際捕鯨委員会から脱退する方針





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