灰がくるくる巻く
捲灰壽帯香(けんはいじゅたいこう)

お香研究家の友人が開発して
送ってくれました。

一般的な線香は、
灰はある程度の長さに燃えて傾くと
崩れ落ちてしまいます。


捲灰壽帯香は
灰が崩れ落ちることなく、
くるくると巻いていきます。

IMG_1145

最後まで
くるくると巻いていきました。
IMG_1146



高価な沈香だけを使えば
灰は崩れにくくなるものの
通常のお香では
調合が難しいのではないかと思います。




このような捲灰は
縁起がよいと重宝されたのかもしれません。





人の心身を害する人工的な化学物質で作られた香りと違い
お香は
心身を安らげる効能があります。



「日本書紀」に
お香の記述がみられます。

「日本書紀」巻第二十二
三年夏四月 沈水漂著於淡路嶋 其大一囲 嶋人不知沈水以交薪焼於竈 其烟気遠薫 則異以献之


大きな流木が淡路島に漂着して、
その流木が香木とは知らずに
島の人が拾い上げて
かまどに入れて薪として燃やしたところ、
その煙がとても良い香りでり遠くまで届き、
不思議な香木として、朝廷に献上したことが記されています。

これは
ちょうど仏教が日本に伝わってきたころであり
仏教と共にお香も来たはずなので
このころから現在のようなお香が始まったのかもしれません。

聖徳太子の記録によると
すぐにこの香木を
「沈香木(しんこうぼく)」と見抜いたそうです。

「聖徳太子傳暦」
夏四月 著淡路島南岸 島人不知沉水 以交薪燒於竈 太子遣使令献 其大一圍長八尺 其香異熏 太子觀而大悅 奏曰 是爲沉水香者也 此木名栴檀香木 生南天竺國南海岸


この時の香木は
いまも淡路島の神社に
御神体として祀られています。



その後
奈良時代になって
鑑真が来日したときには
たくさんの香薬を持参し、
お香の配合技術も伝えたと言われています。


奈良の正倉院には
重さ11.6kgの巨大な香木・黄熟香(おうじゅくこう)
が納められています。


平安時代になると
シンプルに火で焚くことから
さらに発展し
香の原料を複雑に練り合わせた
「薫物」として
貴族の間で香気を楽しむ文化が定着しました。

鎌倉時代には
香木に敬意を払い
薫物を混ぜ合わせた香りに代わって、
一つの香木そのものを堪能するために
香木一木(いちぼく)の香りが好んで味わわれるようになります。


そして
室町時代に入り
「茶道」「華道」のように
「香道」が確立されていきます。



江戸時代には
現在の「お線香」としてよく使われているお香が作られていたようです。

お香は
貴族や武士などの上流階級だけでなく
町人にも香りを楽しむ文化が広まっていき、
さらに豊かな文化へと発展していきました。






天然香木の香りを鑑賞する正しい作法として
「香道」が確立されました。


香道では
香を楽しむことを「聞く」と表現し、
聞香(もんこう)
といいます。



静寂の中で
香木の香りの声を聞いて、
味わい、
その感覚を
自分の中に取り込んでいくのです。



香道では
香木は、
魂が宿っている生きた存在として
敬意を払い、大切に扱います。


そして
香木が語りかけてくる大自然の叡智を聞き取らせていただく
という心構えが大切にされています。


私たち日本人が大切にしてきた
目に見えない世界を敬う気持ちが
ここでも大切にされてきたのです。


これを一歩進めると
「聞香」の先に
「感香」があります。


その存在そのものが奏でる香りを感じることです。







今日もありがとうございます。
ブログランキング参加しています。
よろしければクリックお願いします。

人気ブログランキング
君が代から神が代へ 下巻
森井 啓二
きれい・ねっと
2018-12-18