アルツハイマー病

アルツハイマー病は、
高齢者において認知症の最も一般的な原因です。

この病気は
記憶や思考能力がゆっくりと障害される進行性で不可逆的な脳疾患です。
進行すると
日常生活の最も簡単な行為さえ出来なくなります。

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アルツハイマー病を確定診断するには、
亡くなった後に剖検することによって可能です。

でも
生前に症状や検査によって「アルツハイマー病の可能性が高い」ことを
かなり正確に判定することができます。

今までは
アルツハイマー病と似た症状を引き起こす病気との鑑別に
コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴画像法(MRI)などの脳スキャン
陽電子放出断層撮影法(PET)
または
髄液中のアミロイドおよびタウタンパク質を測定する方法
という高額で手間のかかる検査が必要でした。

髄液採取のための脊椎穿刺は
身体の負担がとても大きく、
保険の対象ではないことから一般的には行われません。


今回
7月16日に開催されたアルツハイマー病協会国際会議(AAIC:2019年Alzheimer's Association International Conference)で
簡単にアルツハイマー病が発見できる血液検査方法が発表されました。


国立長寿医療研究センターと島津製作所が確立した
0.5mlという微量の血液からアルツハイマー病変に特徴的なアミロイドタンパク質を検出する技術を応用したものです。

この検査は
アミロイドタンパク質の異常バージョン((AB1-42、AB1-40、APP669-711))を測定し、
それを確立されたアルツハイマー病マーカー(APP669-711/AB1-42、AB1-40/AB1-42)と相関させる方法によって判定されます。


アミロイドベータは
アルツハイマー病発症の20年ほど前から
脳にゆっくりと蓄積する物質です。


今回の技術を用いることで
潜在的にアルツハイマー病の可能性が高い患者を
かなり早期発見できるようになります。



この手法を使った事前の研究では、
実際にアルツハイマー病の疑いが高い人では、92%がアルツハイマー病であると診断
また
アルツハイマー病ではない人では
85%をアルツハイマー病ではないと診断できました。


現在アルツハイマー病と診断された人や
将来アルツハイマー病になる可能性が高い人は、
病気の早い段階で正確な診断をすることによって
将来の計画を余裕をもって立てていくことが可能となります。


厚生労働省の過去のデータを見ると
他の認知症の患者数が横ばいの中で
アルツハイマー病だけが
異常に急増しています。


このグラフは日本の認知症の数を示し、
そのうち薄い青色の部分が
アルツハイマー病になります。
1999年の3万人から
2014年には53万人に急増しています。

01-01-15厚生労働省
国際アルツハイマー病協会(ADI)は
今後も急増していくと予測しています。


このような血液検査が
早く一般的に普及するといいですね。



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