発展途上国では、
赤ちゃんが生まれた時に
産湯に入れない国が多く見られます。

というより、
赤ちゃんを守るために
絶対に産湯に入れないのです。


それは
生まれた時に赤ちゃんの体に付着してくるお母さんからの胎脂が
生まれてからしばらくの間無防備になりやすい赤ちゃんを守ってくれるから
です。


以前、
日本人のお産婆さんが
インドで赤ちゃんを取り上げた時に
産湯を用意してしまった話を聞いたことがあります。

インド人たちは、
そのお産婆さんが
赤ちゃんの胎脂取り除いて殺そうとしていると思われ
あやうく殺されかけたそうです。

現在では
胎脂の恩恵も解明されつつありますが、
いまだに産湯に入れる習慣はそのままです。

その理由は
胎脂がついた皮膚は見た目が汚いから・・・。


野生動物たちは、
生まれたまま胎脂を取り除くことはありません。
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また
現代医学では
普通に出産する経腟分娩で生まれる赤ちゃんは、
産道(膣内)でさまざまな細菌にさらされることによって
また膣液が付着することによって
免疫力が高まるとされています。




帝王切開で生まれた赤ちゃんには
こうした膣を経由する恩恵が受けられないため
出産後すぐに母親の腟内を綿棒でこすって膣液を採取して
そのお母さんの腟液を
赤ちゃんの口や顔、皮膚に塗り付ける行為
を行う母親が増加しています。

これは
「vaginal seeding」とか「microbirthing」と呼ばれています。


この行為について
英国の公立大学インペリアル・カレッジ・ロンドンで
研究されて
医学誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルで報告しています。


この行為の有益性に関するエビデンスはまだ確立されていないために、
医療従事者たちが自らこの行為を
分娩する母親たちに奨励する立場にはない
という結論でした。


実際に
臨床的な有益性を証明するためには
大規模臨床試験で長期追跡を行う必要があり、
実質上かなり困難なのです。


現在
Vaginal seedingに関する研究は評価が難しく、
時間も相当かかるために
現在研究中のものが1件だけしかないようです。
それも
臨床における有益性の研究ではなく
腸内細菌叢の変化を検討する研究です。




「vaginal seeding」が一般的になってきた理由としては、
生体内の細菌叢が病気を大きく左右することがわかってきたこと。

帝王切開で生まれた赤ちゃんは、経腟分娩で生まれた赤ちゃんと比較して、将来の肥満や喘息、アレルギーなどの自己免疫疾患の発症率が高いことが明らかになったこと。

帝王切開で生まれた赤ちゃんの腸内細菌叢の構成は母親の皮膚細菌叢に似てしまう一方で、経腟分娩で生まれた赤ちゃんの腸内細菌叢は母親の腸内細菌叢に似ていることが明らかになったこと。

などが理由です。



これらが
一般のマスメディアでも報道されたため、
帝王切開で生まれた赤ちゃんの母親は
少しでも自然な出生に近づけた状態にしたいということから始まったものです。



赤ちゃんの健全な腸内細菌叢の発達に最もじゅうような役割を果たすのは、
両親の愛情と母乳による哺育です。

そこをまずしっかりと行うことが何よりも大切だと思います。



「vaginal seeding」は
大人でも
若さを保つためによいという伝説もあり、
応用されつつあります。
これについては、
いずれ「裏たま」で。



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