米国大統領選も
まもなく決着。

私はテカムセの兄の予言が気になります。


2020年大統領になると
任期を全うできずに亡くなる可能性がまだあるのでしょうか。



ここからは再掲です。

今の世界
理解しあえば解決できる問題は多いと思います。



アメリカ先住民族の中で最高の英雄リストの中に名前が出てくるのが
ショーニー族のテカムセです。 

テカムセは、
統率力あるカリスマ指導者として、
勇敢な戦士として
雄弁な語り手として
さらには
逞しい身体を持ち、
容姿端麗であり
多くの先住民族に慕われていました。


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当時敵対する白人の軍の兵士もや将校からも、
「テカムセは、惚れぼれする素晴らしい男だ。」
「これほど容姿端麗な男は、他に見たことがない。」

と評されていたと記録されています。


現在でも
白人への植民地抵抗運動のシンボル的存在として有名です。






テカムセの生まれた時代、
白人入植者たちは自分たちの支配地域を急速に拡大していた時代です。

テカムセとは、
ショーニー族の言葉で「流星」、「天空を横切る豹」などという意味です。


テカムセの住むショーニー族の領土であった東部地方にも
白人たちは押し寄せて、
先住民たちの住んでいた土地を
言葉巧みに騙すことによって「購入」し始めていました。


白人たちは
布や銃などの「物品」を先住民に分け与えます。
それと引き換えに
先住民の土地を「購入」したという事実を作っていったのです。


1763年には
イギリス人によって
「アパラチア山脈の稜線を越えた西側に白人が入植することはない」
という宣言がありましたが


入植者たちは
その宣言を無視して 
自分たちで勝手に新たな土地の権利書を作り、
「その宣言は無効である」
と先住民たちに通告してきたのです。




一方で、
もともと母なる大地を借りて住んでいた先住民たちは
誰のものでもない土地を
売ったり買ったりするなどという概念はなく
白人たちに友好的に土地を提供して利用させていました。



ところが、
白人たちは、
分け与えられた土地を
所有物とみなして
その土地から
先住民族たちを強引に追い出していったのです。




当然のことながら
この白人たちの横暴な行為に納得できない先住民族たちは
先祖代々使っている土地で生活をつづけました。


お互いの考え方の次元が
全く異なっていたのです。





そして、
白人たちは、
土地から出ていかないショーニー族の人たちを
虐殺していきました。



それがきっかけに戦いが始まります。


その結果
ショーニー族は白人に敗れ、
部族の使っていた土地への入植者の領有権を
白人のものとすることを認めさせられます。


そして
さらに
友好訪問に訪れていたショーニー族の首長コーンウッドが
白人によって殺害されてしまいます。



ショーニー族は、
報復として
入植者たちの開拓地を攻撃しました。



1787年には
アメリカ議会の代表が先住民と交渉を進め、
イロコイ族の代表が、
自分たちの土地ではないオハイオ川以北の土地をアメリカに分割譲渡する契約をしてしまいます。


この契約締結に対して
ショーニー族は全て拒否し、
イギリスの極秘の支援のもとで、
アメリカ先住民連合国家の設立を計画し始めます。
 
 
 
このような時代背景の中で
テカムセは、
これ以上の白人たちの横暴な所業を見逃すことはできず、
先住民族の力を結集していくことに決めました。


彼は、
ハイアワサのイロコイ連邦や
ポワターンのポワターン連合体
を上回る大規模の先住民部族の団結を目指して

かつては不仲だった部族を精力的にまわっては
結束を呼びかけ、
共同体を作り上げていきました。



東はイロコイ連邦、
北はカナダ五大湖周辺のヒューロン族、オタワ族、
西はミシシッピー川を越えてスー族、マンダン族、シャイアン族、
南は宿敵だったナチェズ族、チョクl族、クリーク族、チェロキー族、セミノトル族などの
多くの部族と結束を強めていきました。


これは相当の努力が必要だったことです。


テカムセは
戦いの前に
お互いを分かり合うことで
戦いを回避したいという思いを持って 
白人のウィリアム・ハリソン知事と会見します。




テカムセが代表となる先住民族側は、
先住民の概念では、土地は母なる大地であり、誰の所有物でもない。
したがって売買することはできない。
土地は、白人が利用するのと同じように、等しく先住民も利用されるものである。
 土地は我々すべてに権利があるのであり、一部の者が勝手に作った契約が正当だとは思わない。
全員が関係する土地の話し合いであれば、それに関わる全員が参加すべきである。 
と主張します。


ハリソンを代表とする白人が作る合衆国側は
条約は公正に作られたもので、有効である。条約を守らないようであれば、先住民たちを徹底排除する。
と主張します。



お互いが
全くわかり合えていないまま
交渉は決裂しました。





テカムセは
「これ以上侵略するのであれば、我々はこれ以上一歩も退くつもりはない。」


ハリソンは
「この地上にある美しい土地は、多くの人のために、文明と科学と真の宗教のための場所となるよう運命付けられている。それを、先住民のような少数の宗教すら持たない野蛮人がのさばる状態に放置しておいてよいのだろうか?」

 

 
結局は、
お互いを十分に理解できないことから
亀裂はますます広がっていきました。





テカムセは
合衆国との戦いを決意します。

合衆国との戦いの前には、
テカムセは次のように演説しています。

「今、ピクォート族はどこにいってしまったのか? 
ナラガンセット族、モヒカン族、ポカノケット族もペクオート族も、
他の強い部族たちは皆、どこにいってしまったのか。
白人たちの貪欲と抑圧によって
あたかも夏の日射しを受けた雪のように消えてしまった。

われわれは、民族としてなんの抵抗もすることなく、
次は自分たちの番だと、部族を消滅させられるにまかせるというのか。
 
偉大なる精霊によって与えられた家、山や川を、闘うこともなしに放棄してよいというのか。
私たちの先祖の墓をはじめ、私たちにとって大切な聖なるものを
すべて放棄してしまうというのか。

あなた方は私と共にこう叫ぶだろう。
「断じて、そのようなことになってはならない。」
と。」

 



そして
合衆国を相手に戦いを挑んでいったのです。






二年に渡る壮絶な戦いの末に
1813年10月5日
テカムセは殺されます。
享年47歳。





合衆国兵士たちは
テカムセを射殺後
テカムセの遺体に対して
眼を覆いたくなるような残虐な行為を楽しみ、
切り刻んだ皮膚は、
兵士たちが「記念品」として持ち帰ったとされています。




この戦争の先住民側の敗北により
北米北西部では、
アメリカ合衆国に大きく領土を奪われてしまいました。



テカムセの惨殺後に
預言者であった彼の兄(母親やテカムセ本人という説も)は、
今後20年ごとに選ばれるアメリカ合衆国大統領の不幸を呪っています。


テカムセの死後の20年ごとの歴代アメリカ大統領の就任後の運命は次の通りです。

1820年 - ジェームズ・モンロー、任期満了、退任6年後の1831年に死去。
1840年 - ウィリアム・H・ハリソン、1841年4月4日に肺炎で死去。
1860年 - エイブラハム・リンカーン、1865年4月14日に暗殺。
1880年 - ジェームズ・ガーフィールド、1881年7月2日に暗殺。
1900年 - ウィリアム・マッキンリー、1901年9月14日に暗殺。
1920年 - ウオレン・G・ハーディング、1923年8月2日に心臓発作で死去。
1940年 - フランクリン・ルーズベルト、1945年4月12日に脳溢血で死去。
1960年 - ジョン・F・ケネディ 、1963年11月22日に暗殺。
1980年 - ロナルド・レーガン、1981年3月30日に暗殺未遂、任期満了、退任15年後の2004年に死去。
2000年 - ジョージ・W・ブッシュ、2005年5月10日に暗殺未遂があったが任期満了、存命中。



(ちなみに
これ以外の年に選出された数多くのアメリカ大統領は
食べ過ぎで亡くなったテイラー大統領を除いて
すべて無事に任期を満了しています。)






白人と闘い続け、
白人に殺されたテカムセですが、
実は
白人女性レベッカと結婚を決意したことがありました。


テカムセは、30歳の時に
ある白人一家と知り合いになります。
一家に招待されると
たくさんの蔵書が並べられていました。

それまで白人は、野蛮な人種だと思っていたテカムセは、
白人にも文化があり、
優しく知的な側面があることを初めて知ったのです。

その家には美しい娘レベッカがいました。
テカムセは、彼女から英語を習いながら
たくさんの白人の本を読みました。

そして
10年後にテカムセはレベッカに結婚を申し込みます。

レベッカは、
彼に
アメリカ先住民としての生き方を捨てて
白人社会に入ってくれれば
結婚します。
と伝えました。


テカムセには、
部族としての誇りも
大きな使命も
先住民としての大義も
捨てるわけにはいきませんでした。

その日以来、
二度とその家に行くことはなかったそうです。




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「朝起きたら、太陽の光と命と自分に与えられた力に感謝しなさい。
食べ物に、生活の喜びに感謝しなさい。
感謝する理由が見つからないのであれば、
あなたの中に落ち度があるはずだ。」
テカムセ




もっと白人と先住民が
深く理解し合えたら、
このような悲劇は起こらなかったと思います。





白人にひどい仕打ちを受けたテカムセでさえ、
長い時間をかけてお互いを理解し合うことによって
白人であるレベッカに対して
心から愛することが出来たのです。



これは
古今東西
どんなことにも言えること。


今の世界でも
争いのすべては、
お互いを理解しない
お互いを尊重しないことから
始まるのです。





テカムセの言うように
仲違いした友人がいて
その友人に対して感謝の気持ちが出てこないのであれば、
まずは
自分の心の中にある落ち度を探さなければなりません。



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